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#3 『ジョジョ・ラビット』

オープニングでは、ヒトラーの熱狂ぶりがうかがえる実際のシーンが次々とスクリーンに映し出される。BGMはなんとビートルズの”I want to hold your hand”に加えて英語ではなく、ドイツ語バージョン。最初聞いたことのあるメロディーだと思ったが、歌詞が知っているものと違う!私はドイツ語を習っていたので(こういうときにだけ使える)、もしやドイツ語なのではないかと思って、パンフレットを購入したところ、ドイツ語だったと分かり、ビンゴ!と思った。

そしてエンディングもはDavid Bowieの”Heroes”。これもまたドイツ語バージョン。ドイツ語バージョンは聞いたことがなかったので、映画館で聞けたのは貴重だったと思う。

この作品とは関係ないが、今まで観たgleeやthe perks of being wall flowerでもDavid Bowieの"Heroes"が出てくる。青春系のドラマや映画には欠かせないのだろうか。

60年代のビートルズ、70年代のボウイが第二次世界大戦が舞台の映画に流れるという時代感覚があれっとしてしまうような設定に、不思議な奥行きとポップさを獲得しているらしい。

主人公は10歳のジョジョ。

私は、スカーレットヨハンソン演じるジョジョの母に感銘を受けた。戦時中、人間の創造力、つまりクリエイティビティを忘れない唯一の主人公であった。

最後のシーンには、R.M. Rilkeの誌が書いてある。

Let everything happen to you

Beauty and terror

Just keep going 

No feeling is final

と綴っている。

やはり人間に持っているものは感情であり、それがなくなってしまえば終わりである。この映画では、過去にあったものから目をそらさず、これからどのように向き合えば、2度とあのような差別をなくすことができるのか。ブラックユーモアがさく裂した本作は、思った以上に人種や愛、正義、クリエイティビティなど考えさせられた映画であった。

本作の原作はクリスティン・ルーネンズの「Caging Skies」だという。原作を読んでみたい!


今後の創作活動に充てたいと思います。(特に抽象画を描いていきたいです!)ぜひ応援宜しくお願い致します!!