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デビチルとヴィルガストと私。

先日、"真・女神転生デビルチルドレン" の漫画を衝動買いした。
同名のゲームボーイソフトが原作となっている。
女神転生シリーズについてもこれで、初めて存在を知った。

"コミックボンボン" にて連載していたのだが、ボンボンで取り上げられた作品は成功しないなんてジンクスもあった中、アニメ化する程度には人気があったようだ。いいよね、アニメのオープニング曲。
現在私は三十二歳なのだが、同世代であれば "デビチル" の愛称を覚えている方も多いのではなかろうか。

せっかく読んだばかりなので、この漫画版デビチルについての思い出と二十年ぶりくらいに読んだ感想を少し書いてみようと思う。

作者は藤異 秀明先生。単行本は全五巻。ちなみに新装版は全三巻。話数は二十六話で2000年から2002年まで連載。


連載を開始したのは私が小学四年生の時だ。ボンボンは時たま買う程度だったのだが、小学四年生の入院をきっかけに毎月購読するようになる。

初めてデビチルを読んだのは第二話だったと後に知った。
それ以前にかなりいろんなことがあったと勝手に想像していたので、後々かなり驚いた。いや、いつ仲魔集めてたんよ、とか。

当時の私は、SDガンダムが好きでなんとなくそれ以外の漫画を読んだりすることに気恥ずかしさを感じていた。特にカッコいい男の子が主人公のやつ。幼少期特有の同性愛的な感情で、恥ずかしかったのかな。ギャグマンガとかは全然大丈夫だった。

だから、ボンボンを読むということで自然にそういった類の漫画も読めるようになってきた。
特にデビチルは絵が好きだったなあと。この齢になって再び読んでも絵がカッコいいし、可愛いと素直に感じた。
キャラデザとか頭身もちょうどいいというか。主人公が小学生なんだけれども、まあ小学生だなって頭身なので。背が高過ぎたり、頭ちっちゃ過ぎると おめぇ、ほんとに小学生かぁ? ってなるじゃん。

当時そこまで意識して読んでいたかは分からないけれど、洋服の装飾とか、武器、小物類等の描き込みが凄い。
あと、金属のひび割れ表現。多分これめちゃくちゃに影響を受けている。


ストーリーは小学生にはちょっと難しかったかもしれないな、と感じた。だけれどそのちょっと難しい感じが背伸びしている気がして良かったのかもしれない。
特に私はゲームを未プレイだったので、キャラクターの立ち位置等をうまく掴めなかったのかもしれないが。

まあしかし、今読む分には全然問題ないかなって感じ。ただ、大人の都合を感じる瞬間もあるので、その時ばかりは歳をとったことを恨んだ。

主人公たちが強くなっていく理由とかがイマイチ分からないけれど、戦争が話の主体なのであまり気にならない。
あといとも簡単に人が死ぬ。けっこうショッキングかも。最終的にはハッピーエンドだけれど一話一話の爽快感みたいなのは全然無いかもしれない。


気になる点でいえば、絵が安定しないってこと。最初の五話くらいまでの絵が私は一番好きなんだけれど、その後展開がシリアスになるに連れて絵がシュっとしていくというか。等身が極端に上がったりするわけじゃないんだけれど、デフォルメというか誇張表現がキツくなっていく。

特に最後の方は等身上がったり、下がったり、描き込み増えたり減ったりで、かなり読みにくいかも。
もうボンボンでも後ろの方にきていた時期だし、いろいろ挑戦していたのかもしれない。

まあそれでも藤異先生の絵はカッコいいんですけれどね。


こうして読み返すと、今の自分が好きなものの原点ってガンダム以外だと漫画版デビチルにはけっこうあるのかもしれない。
ファンタジーに現代的な要素を持ち込む感じとか、描き込みが多い絵が好きだったりとか、少しダークな、グロとかナンセンスの要素とか。

それとセリフにガンダムのオマージュがけっこうありました。


手放しにオススメ出来る漫画ではないが、あの頃の気持ちを思い出したい同世代にはぜひ読んで欲しいし、少しダークなファンタジーが読みたい方にも受け入れて貰えるのではなかろうか。

当時は本誌で読んでたからコミックスは我慢していたのだが、この齢になりあの頃の自分にやっと買って上げることが出来た。


これで、当時好きだった漫画も徐々に集まってきている。サイボーグクロちゃんは実家にあるし、SDガンダムFCも新装版で購入した。あとはロボットポンコッツといい加減、SDガンダム戦国伝は揃えたい。

世代という訳では無いのだが、"甲竜伝説ヴィルガスト" の漫画もまた読みたい。実はこれを読んだのも小学四年生の時で、入院中暇だろうと担任の先生が息子さんが読まなくなった漫画を持ってきてくれて、その中に含まれていた。ドラクエの四コマとかも読んだな、このとき、そういえば。


皆さんも、"あの頃" 欲しかった漫画、買ってみてはいかがでしょうか。



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