R5.7.12

学校の賞に小説出してみようかな。

 

 私の通う学校には小説の賞がある。読書離れの著しい世の中、学生の言語力と創造性の向上のために設置されているそうだ。
その賞の存在は以前から知っていた。なかなか手を出せずにいたのは、小説を書くことは骨の折れることだからだ。私は毎日を適当に生きているので小説を通して誰かに伝えたい大層なメッセージなどこれっぽっちも思い浮かばない。文章を書くことは好きだが創作意欲とはまた少し違う。中学高校と全国の平均読書冊数以上は本を読んできたという自負はあるけれど自ら創作をするにはこのインプット量では心許ない。

 こうやって、己の薄志弱行と表現力を構成する資源の乏しさを責任転嫁して誤魔化し続けている。言い訳ならばスラスラ出てくる。

 中途半端な人生を歩んできました。しかし自己否定ばかりの人生にそろそろ終止符を打ってもいいのではないですか。

 
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私は学校ではいつも一人ぼっちである。通学片道3時間かかることを言い訳に、サークルにも入らずじまいで積極的に友だちをつくることをしなかった。元来私は内向的な人間なので一人でいることに何ら苦痛は感じない。むしろ快適といったところか。時々淋しくなったりするだけでね…
 所属意識が薄い。帰属欲求があまりない。QRコードを読み取る出席登録管理システムだけが私を私として認識している。そんなのってあんまりだ…あんまりですか。ご時世的に案外そういう大学生は多いとか思います。内向人間のみんな!!頑張って生きようね!!!!

 


 もしも賞に選ばれたら、私の小説が本に綴じられることになる。副賞に図書カードも付いてくる。キャーーー
 まだ間に合う。何せ片道3時間なので考える時間は十分に確保できる。存在証明のための小説。動機はそれだけでもいいような気がしてきた。


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