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コントロール

今日ふっと頭に降ってきたことは、私はコントロールを失うことをすごい嫌がっている、怖がっている。
その理由ははっきりとしている。小学4年くらいの時から父親がアルコール中毒になった。上場企業に勤めて私が誇りに思っていた父がいくらお酒を隠しても見つけては飲み、嘘を言いまくり、車の鍵を隠したらヒッチハイクまでしてお酒を買いに行っていた。父のことを恨んだりはしていない。きっと仕事、家庭のことで大変だったのだなぁと思う。後で聞いたら、眠れなくなって飲むようになったのが始まりと言っていた。その当時は、メンタルヘルスのケア等という意識はなく、精神的な病気ということで、病院も少なかった。とうとう飲酒運転で事故を起こし、母は鉄格子のついたような病棟に父親を入院させた。子供達に父親のそんな姿を見せたくないとお見舞いには連れて行かなかった。母はとても強い人だが、それでもかなり辛かっただろうなと、今思っても感心するし、家庭を支えてくれたことに感謝しかない。
父親が飲んでる時は悪霊が取り憑いているようだった、いつもの優しい父はその体にはいなかった。いつも礼儀正しくダンディな父だっただけに、お酒を飲んでコントロールを失っている父の姿は恐怖だった。たぶんその時に私は自分はこうならないと決めたし、コントロールを失うことも嫌だし、お酒も飲まないと決めてしまったんだと思う。
10歳の子供だった私は無力感に襲われたし、これから家族はどうなるのかと先の不安にも襲われた。だから、先のことはしっかりさせなきゃといつも心配をするようにもなったんだと思う。
父のこのことは確かに私の人生感みたいなものを形作る基礎になっている。
だから、サレンダーって本当に心細いし、なかなか信じられなくて踏み切れない。

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