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ハッピーアイスクリーム

みなさんは、「ハッピーアイスクリーム」という言葉をご存知だろうか。
1970年代〜80年代に流行った言葉で、2人が同時に同じ言葉を口にした時、先に「ハッピーアイスクリーム」と言った方が、アイスクリームを奢ってもらえるということば遊びだ。地域によっては、「ハッピーアイスクリーム」と言ってから、先に相手の肩を叩いた方がアイスクリームを奢ってもらえるというものもあるようだ。

流行のきっかけ

ハッピーアイスクリームの起源は定かでないが、その流行にはきっかけがある。1975年に「週間マーガレット」で連載された『初恋時代』と1978年〜'84年に「別冊少女フレンド」で連載された『アラミス'78』の中で使われたのがそれだ。

照れくささを打開する魔法の言葉

相手と同じタイミングで同じ言葉を口にする瞬間というのはそうあるものではない。シンクロする声の重なりは、運命性や共同体を意識させ、互いに照れくささや気恥ずかしさを生む。それを打開する魔法の言葉が「ハッピーアイスクリーム」だ。「ハッピーアイスクリーム」を先に言った方がアイスクリームを奢るという条件を入れることで、空気は一変、アイスクリームをめぐって互いに真剣になる。実際にアイスクリームを奢るかどうかはさて置き、この言葉遊びを通して新たにハッピーな会話が生まれるのだ。
「ハッピーアイスクリーム」言葉だけでも充分ハッピーな気持ちになるが、実際、口にする時の方がもっとハッピーな気持ちになっているだろう。

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