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『シン・エヴァンゲリオン劇場版』台詞のみ書き起こし

マリ:
「♬この世は長い 坂道だけど 長さじゃないよ 人生は 真実一路 生きたなら 短くたって構わない 構わない タンバリンリンリン タンバリン」
青葉:
「パリカチコミ艦隊は健在。旧市街上空ゼロポイントを降下中」
スミレ:
「全艦防御シフトにて後進微速。重力制御、自立動作、遠隔操作、全て異常なし」
日向:
「パリ市街上空は全方位クリア。地表のコア化状況なカテゴリー6」
北上:
「本船の空間座標を確認。作戦開始ポイントに到達」
赤城:
「了解。全艦、警戒シフトへ展開」
長良:
「全艦、フォーメーションを警戒シフトへ移行。エヴァ8号機、及びDSRV、目標地点へ降下中」
男性:
「脚部吸着システム問題なし」
男性:
「船体の固定完了」
伊吹:
「DSRV降着。大気成分を分析、酸素濃度マイナス3。二酸化炭素は許容範囲内。滞在可能です」
赤城:
「了解。作業開始。16年振りのパリ。かつて花の都と謳われた街がこの有様とは…痛ましいわね。L結界密度が予想よりも高い。ユーロネルフ第1号封印柱、復元オペの作業可能時間は今より720秒とします」
男性:
「何だよ、予定より180秒も短いじゃん」
男性:
「帰投時間考慮してんのかな?」
北上:
「それよりこの恥ずい格好、エヴァパイロットだけにしてほしいわ」
伊吹:
「いいから、口の前に手を動かせ!どう?アンチLシステムは起動できそう?」
男性:
「はい、ステージ4からのリドゥーでいけそうです。前任者のおかげですよ」
伊吹:
「この街を残したかったあなた達の思いは引き継ぎます。作業始めるわよ」
北上:
「やっぱり来ました!エヴァ44A航空特化タイプ!4時方向から接近中!」
赤城:
「見事な単縦陣、自ら群体を構成するとはもはや新たな生物ね。迎撃を頼むわマリ。あと560秒もたせて」
マリ:
「合点でいっ!全ての44Aはあっしが一気に引きつけるヨン!ほんじゃ長良っち、操演ヨロピクー!さ〜て、さてさて〜。ヨーローピッチと。面白いけど違和感あるなあこの仕組み。せめて人型の可動域は踏襲してほしいニャッ!と!」
北上:
「8号機、44A第一波と交戦中。続いて第二波を確認。作戦通り44Aは全て8号機に釘付けです。作業可能時間、あと420秒」
男性:
「時間かかりますね整備長。まるで8ビットのマイコンみたいだ」
伊吹:
「エヴァ同様、人外未知の未解明システムですもの。人類の制御じゃ楽に制御できないわよ」
男性:
「ステージ4をクリア。予定よりかなり押してます」
伊吹:
「焦らず巻くわよ」
男性全員:
「はい」
マリ:
「とーりゃ!速度維持トンボ位置プラス20、バカ棒角度そのまま!ヨーソロー!逃がさん!ニャー!(射撃音とともに連呼)ありゃ?第四波かー、多勢に無勢…まさに"Many a small bird drive a hawk"ね」
北上:
「作業残り時間、あと360秒」
男性:
「ダメです!ステージ5へのショートカット、見つかりません!」
伊吹:
「ダメって言うな!奥まで探して」
男性:
「ムリです!残り時間じゃデータの上書き間に合いません!」
伊吹:
「ムリって言うな!バイパス増やして」ら
男性:
「しかし整備長、あまりにも時間が…」
伊吹:
「弱音を吐くな!これだから若い男は…」
マリ:
「ほーらっ!(機体の動きに応じて)よーいしょっ!とーりゃ!べらぼうめ!おととい来やがれ!ほほう…使徒もどきが囮を使うとは…しゃらくさい」
北上:
「出ました!ボスキャラです」
赤城:
「エヴァの軍事転用を禁じたバチカン条約違反の代物、陽電子砲装備の陸戦用4444Cとお付きの電力供給特化型44Bのダブル投入とは…冬月副司令に試されてるわね、私たち」
北上:
「44Bに高エネルギー反応増大中」
赤城:
「全艦、地対地防御シフト!総員対ショック、対EM防御!」
北上:
「4444C、発射態勢に入りました。44B、大電力を発電中。エネルギー超高電圧放電システムへ。4444C、全給電システムを解放!続けて陽電子加速システム最終段階、尾栓をロック!来ます!」
マリ:
「滑り込みセーフ!こりゃ次撃たれるとアジャパーね」
北上:
「再び44Bに高エネルギー反応。大出力電力放射装置に蓄電中!早っ!4444C加速を開始!早くも発射態勢!?超マズ!第2射すぐに来ます!激ヤバですぅ!!」
マリ:
「長良っち陽動ヨロシク!」
長良:
「了解」
マリ:
「なんのこれしき!"Excusez-moi, Eiffel!」
北上:
「4444C、完全に沈黙!作業残り時間あと30秒!」
男性:
「アルゴリズム解析、C言語にシフト!」
男性:
「最終セキュリティロックを解除!」
男性:
「アンチLシステム、ステージ5を全てクリア!」
伊吹:
「副長先輩、発動します!」
北上:
「パリ旧市街エリア復元、ユーロネルフ施設の全凍結システムも再起動。復旧します」
赤城:
「マヤ、ご苦労さま。まさに、タッチの差ね。カチコミ完了。ミサト、荷物を取りに来てちょうだい」
葛城:
「了解、これより補給地点まで降下する」
青葉:
「総員、補給準備。エヴァの予備パーツ及び武器弾薬の回収を最優先」
日向:
「補給担当艦船を全て降ろせ、空母が先だ!急げ!」
伊吹:
「2号機の新造に必要な部位は一つ残らずかき集めておいて」
マリ:
「細工は流々。これでニコイチ型2号機の新造とオーバーラッピング対応型8号機への改造ができるニャ。どこにいても必ず迎えに行くから、待ってなよ、ワンコ君」

シン・エヴァンゲリオン劇場版

アスカ:
「ちっ、根性なしが…」
ケンスケ:
「悪い、遅くなった。大丈夫か?碇」
シンジ:
「はっ」
トウジ:
「こら!犬はそっから先入ったらアカンぞ。おぉ、気ぃついたか?分からんか?ワシやワシ。トウジ、鈴原トウジや。ホンマに久しぶりやのう、シンジ。お前が運び込まれた時はビックリしたでぇ。まあ多少事情は聞いとるがけったいな話でよぅわからん。とにかく元気そうでなによりや。どや?もう動けるか?」
シンジ:
「ん…」
トウジ:
「いけそうやな、ほなら家へ行こうか。腹も減っとるやろ。外はちょっと寒いからな」
看護師:
「先生、その子着替えたくないそうですよ」
トウジ:
「まぁそのままでもええやろ」
看護師:
「あとタミフルがもう無くなりそうです」
トウジ:
「わかった、分配長に相談しとく。すまんが今日はこれで上がらせてもらうわ。ほな行こか」
シンジ:
「あ…」
アヤナミ:
「ココ不思議、ヒトがいっぱいいる」
トウジ:
「なんや、人混みは初めてか?ここはあちこちの生き残りが集まった集落の一つ、“第3村”や。1000人くらいで暮らしとる。あれが食べもんの配給所、週3回、日を決めて配っとる」
松方:
「先生、こんにちは」
トウジ:
「おお、松方さん。もうすぐやったな、無理したらあかんで」
松方:
「先生その2人?クレーディトから預かったって子?」
トウジ:
「まぁ、そんなもんや。よろしゅう頼むわ」
松方:
「うん、それじゃあ失礼します」
アヤナミ:
「クレーディトってなに?」
トウジ:
「クレーディトっちゅうんは、ヴィレが作った支援組織のことや。支給だけやのうて、この村と他の村との交易も手伝うてもろうとる。ワシらの村だけじゃとても生きていけんさかいな」
アヤナミ:
「あれはなに?犬と形状が違う」
トウジ:
「うん?あれは猫や」
アヤナミ:
「猫?」
トウジ:
「猫見んのも初めてか?車両の下を根城に10匹ぐらい住んどる。ここじゃ犬や猫もおるだけで嬉しいもんや。ここが古いながらも楽しい我が家や。一軒家で贅沢させてもろうとる。ただいま!すぐ晩メシの支度するからな。え〜よっと。みんなお待ちどおさん。さあアツアツのうちに食べるで。シンジ、お前も腹減っとるやろちっとでも食わなアカンぞ。まあええわ。食べとうなったらいつでもこっち来い、ええな?ほな」
トウジ&ブンザエモン:
「いただきます」
トウジ:
「どや?美味いやろ」
アヤナミ:
「口の中が変…ホクホクする」
トウジ:
「せや、それが“うまい”や」
ブンザエモン:
「ワシの娘は下ごしらえがしっかりできるとからな」
トウジ:
「ホンマ世界一の嫁さんや、会うたらビックリするで〜」
ヒカリ:
「ただいま!遅くなってごめんなさい」
トウジ:
「おっ!おかえり!待っとったで。シンジ分かるか?ワシの嫁さんや。委員長やで!」
ヒカリ:
「連絡受けた時は信じられなかったけど、こうして目の前にいてもまだ夢みたい。久しぶりね碇君。綾波さんも」
アヤナミ:
「違う。私は綾波じゃない」
トウジ:
「なんや?違うんか?じゃあ…」
トウジ:ヒカリ:
「そっくりさんや!/そっくりさんね!」
アヤナミ:
「なに、これ?」
トウジ:
「おうワシらの娘、ツバメや。可愛いやろ?」
アヤナミ:
「人なのに小さい。どうして小さくしたの?」
トウジ:
「なんや、赤ちゃん見るんも初めてか?」
ヒカリ:
「産まれた時はもっと小さいの。赤ちゃんはどんどん大きくなるのよ」
アヤナミ:
「これが“かわいい”?」
トウジ:
「そうやろう?可愛いやろ?なんせワシらの娘やからな〜」
ヒカリ:
「あっごめんね〜。大きい声出すからびっくりしちゃった?」
トウジ:
「すまんツバメー、泣かせてもうたかな…おっ大将のおでましや」
ケンスケ:
「悪い、遅くなった」
トウジ:
「なんやな、せっかくの奇跡の再会や、景気づけに小声ながら一曲いくでえ。♬朝日が昇るから 起きるんじゃなくて 目覚める時だから 旅をする 教えられるものに別れを告げて 届かないものを身近に感じて 超えて行くそこを 超えて行けそれを」【off】
アヤナミ:
「なにしてるの?」
ヒカリ:
「赤ちゃんはお乳を飲んで大きくなってくの。フフ…そっくりさん、あなたにはまだムリよ」
アヤナミ:
「わからない。綾波レイなら、どうするの?」
ヒカリ:
「あなたは綾波さんとは違うんでしょ?だったら自分で思ったことをすればいいの」
アヤナミ:
「違って…いいの?」
ケンスケ:
「久しぶりだな碇。相田だよ、相田ケンスケ」
トウジ:
「はい〜。せや、ケンスケや。お前を助けてくれたやっちゃ。ワシらこいつのサバイバルオタクぶりに随分と助けられた。こいつがおらんかったらワシらもとうの昔に野垂れ死にや」
ブンザエモン:
「シンジ君!無口はいい。だが出された飯は食え!それが礼儀だ」
トウジ:
「まぁ…オヤジさん。ムリに飯に誘ったワシもいかんかった…今日そっとしたってぇや」
ブンザエモン:
「しかしトウジ君、これだけ貴重な飯を貰っといて一口も食わんとは、失礼にも程がある!なぁシンジ君!」
ヒカリ:
「お父さんツバメが起きるわよ。さぁ、後片付けして布団敷きましょう。ほら、あなたそっくりさんと碇君の分も」
ケンスケ:
「いや、碇は俺が引き受けるよ。その方が良さそうだ」
「意外だったろ?トウジと委員長が結婚したのは。中学の時は喧嘩ばっかりしてたもんな。まぁきっかけはニアサードインパクト。その後の苦労が2人の縁結びだ。碇、ニアサーも悪いことばかりじゃない。この坂上ればもうすぐだ、碇。さぁ着いたぞ。無人駅の跡地を利用したセルフビルドハウスだ。好きに使ってくれ。トイレはそこの車両の奥だ。燃料を取ってくるから先に入っててくれ」
アスカ:「ふん!私の裸よ。ちっとは赤面して感激したらどうなの?ふん!ったく、ケンケンもこんな鬱陶しいヤツ拾ってきて物好きね」
ケンスケ:「ああ先客だ。しばらくウチにいると思う。諸事情あって式波は村には顔を出せないんだ」
アスカ:
「別に、リリンが多くて鬱陶しいだけよ」
シンジ:
「はっ!うっ…おぉえっ…」
アスカ:
「DSSチョーカーにだけ、反応ありか。ケンスケそいつを甘やかしすぎ。そんなの自分で拭かせなさいよ」
ケンスケ:
「碇は今、食べないし自分から何も出来ない。余程辛いことがあったんだろう」
アスカ:
「そんなのいつものことじゃない、そうやって心を閉じて誰も見ない。こいつの常套手段でしょ。ほっときゃいいのよ。どうせ生きたくもないけど、死にたくもないってだけなんだから」
ケンスケ:
「碇、今はそれでいい。こうして再開したのも何かの縁だ、好きなだけ頼ってくれ。友達だろ?俺は碇が生きていてくれて嬉しいよ」
トウジ▼
「分配長!あんたが気に病むことないで…」
ヒカリ▼
「ふふっ、毎日ご苦労さま。おやすみ、あなた」
アヤナミ▼
「『おやすみ』ってなに?」
ヒカリ▼
「そうね、みんなが安心して眠るためのおまじない。おやすみ、そっくりさん」
アスカ▼
「もういい加減寝るマネも飽きた。いつになったら寝られるんだろう」
ヒカリ▼
「あ、おはよう」
アヤナミ▼
「“おはよう”ってなに?」
ヒカリ▼
「そうね、今日も一緒に生きていくためのおまじない。おはよう、そっくりさん」
アスカ▼
「ケンケンはどんな日でも6時起床、もう仕事に出てる。朝メシはそこ!さっさと食え!」
女性B▼
「えらいピチピチタイトな格好の娘さんだね」
女性A▼
「先生の奥さんから頼まれたそっくりさん、今日からよろしくとさ」
女性B▼
「そっくりさん?何やらワケありそうな名前やね」
女性D▼
「班に入れて大丈夫かい?」
女性C▼
「働けりゃあなんでもええ」
アヤナミ▼
「はたらく?命令、ならそうする」
女性A▼
「命令じゃなくてこれは仕事」
アヤナミ▼
「仕事ってなに?」
女性B▼
「何ってなんだろうね」
女性D▼
「考えたこともなかったわ」
女性A▼
「まぁみんなで汗水たらすってことかね」
アヤナミ▼
「あせみず…?」
女性B▼
「三本の指で軽〜く、そう真っ直ぐ上から深〜くに置いてくる感じ。ギュッと持たない、指は添えるだけよ。まぁあとは慣れるしかないかね。ほらあんただけテンポ遅いのよ、皆と合わせな」
アヤナミ▼
「うん。これが汗水?これが仕事?」
女性B▼
「アハハ、せっかく植えた苗が。」
女性A▼
「しょうがないね、ほら手を貸しな。ご苦労さん、今日もなんとかノルマは賄えたね」
女の子▼
「これ初日からよく働いてたから特別だって」
アヤナミ▼
「こんなときなにをいえばいいの?」
女の子▼
「“ありがとう”」
アヤナミ▼
「ありがとう…」
女性A▼
「さっ、みんな風呂に行くよ」
アヤナミ▼
「フロってなに?これが、フロ」
女性A▼
「あんた、服のままは困るよ」
アヤナミ▼
「風呂って不思議、L.C.Lと違ってポカポカする。私命令がないのに生きてる。なぜ?」
アスカ▼
「黙って隅っこに寝っ転がって、自分は辛いってアピールしたいだけでしょ?掃除の邪魔、マジ、うざい」
男の子▼
「ああ、ママじゃない」
アヤナミ▼
「おかえりそっくりさん、お仕事ご苦労さま」
母親▼
「遅くなってごめんなさい」
男の子▼
「あっ!わーいママ!」
母親▼
「いい子にしてた?」
男の子▼
「うん!」
母親▼
「いつもありがとう ヒカリ」
ヒカリ▼
「いいのよ、こういうのはお互い様」
母親▼
「さっうちに帰ろう」
男の子▼
「うん!さよなら!」
ヒカリ▼
「はい!さよなら」
アヤナミ▼
「“さよなら”ってなに?」
ヒカリ▼
「そうね、また会うためのおまじない」
それ私らもしんどいんだけど
また吐くか
ガキが、こうしてメシを食わせてもらうだけで有難く思え、まだあんたはリリンもどき、食べなきゃ生きていられない、だから食え、こちとらずっと水だけだ、何も変わらない身体になる前にメシの不味さを味わっておけ、バカガキ、そうやって何もしないのも、自分がまた傷つくのが嫌ってだけでしょ、どうせ暇ならせめてあの時、なんで私があんたを殴りたかったのかぐらい、考えてみろ、あんた、メンタル弱すぎ、どうせやることなすこと裏目に出て、取り返しがつかなくなって、全部自分のせいだからもう何もしたくないってだけでしょ、親の言いつけとはいえ、その程度の精神強度だったら、そもそもエヴァに乗らないでほしかったわ
独りで拗ねてろ、ガキ
ただいま、あれ、碇は?
家出した
そうか、今は1人にしておくのが最適解かもしれないな
家出先は?
北の湖の廃墟
ネルフ施設の跡地とは、それも縁か
レーションは?
無理矢理食わせた、暫く持つでしょ
ありがとう、式波
別に、あいつのためじゃない、自分勝手に死ぬのはこの私が絶対に許さないだけよ
私の名前?
うん、いつまでもそっくりさんという訳にもいかんからね
先生の話やと自分の名前を忘れとるそうやけど、じゃったら自分で新しく付けたらどうなの?
名前、付けていいの?
本?碇君の言ってた?
拾ったから返すね
ありがとう
読む?
ありがとう
私は一人、これまでもこれからもずっと1人、それが当たり前なのよアスカ、誰?
わたし
初期ロットか
今、鍵を開ける
碇君、ここにいると聞いた
ここにはいない、目下家出中
そう、なら捜してみる
教えといてあげる、私たちエヴァパイロットはエヴァ同様人の枠を超えないよう設計時に抑制されてる
非効率な感情があるのもそう
人の認知行動に合わせてデザインされてるだけ
あんた達アヤナミシリーズは第3の少年に好意を持つように調整されてる
今の感情は最初からネルフに仕組まれたものよ
そう、でもいい、良かったと感じるから
そう、なら勝手にすれば
あんたの好意対象者はネルフ第2支部 N109棟跡よ
ありがとう
あいつのとこにいくならそこのレーション持っていって、そろそろ限界だから
あなたはこの村にいて仕事をしないの?
あんたバカァ?ここは私がいる所じゃない
守るところよ
碇君
拾ったものは返す、教えてもらった
また来る

シンジな、1人にしといて大丈夫か?あのまんまじゃやばいと思うで
今は放っておこう、碇にはそういう時間が必要だよ
けどなあケンスケ
お前シンジにちょっと冷た過ぎんか
心配のし過ぎは互いに良くない、帰ってくるよ、信じて待とう
はあ、そやな、早うシンジもこの村に馴染んでくれゃええんやがな
碇君はなぜ村に戻らないの?
碇君もここで何もしてない
あなたもこの村を守る人なの?
守ってなんかいない
何もかも僕が壊したんだ
もう何もしたくない、話もしたくないんだ
もう誰も来ないでよ、僕なんか放っておいてほしいのに
なんでみんな、こんなに優しいんだよ
碇君が好きだから
えっ?
ありがとう、話をしてくれて
これ、仲良くなるためのおまじない
ふんっ、家出は終わり?初期ロットのおかげ?
泣けるだけ泣いてスッキリとでもした?
うん
そう、動けるようになったんならケンケンの役に立て
たまにはドライブもいいだろ、気分転換になる
うちは村の基幹産業たる農業労働を免除させてもらってるなんでも屋だからな
今日は外郭のインフラと環境チェックが主な仕事だ
忙しいぞ
とはいえ、既存のインフラは寿命が来て殆ど止まったままだ
修理は難しいから放置している
枝は落ちているものか、枝打ちしたものしか使わない
残された森を大事にしていきたいからな
第3村の生活基盤はここの水に頼ってる
ここの水量のチェックは重要だ
村の死活問題に直結している、まさに命の水だからな
この先の水源を見てくる
碇には道がキツイからここで仕事をしてくれ
これで食材の調達を頼むよ
だめだよ、やったことないし僕には無理だよ
いいからやってから言え
まあ気にするな
うちの割り当ては週に1匹、次があるさ
あれがヴィレの置き土産だ
相補性L結界浄化無効阻止装置って代物だよ
あれのおかげで第3村がコア化されずに済んでいる
ミサトさん達のお陰さ
最近見るようになったんだ、ハイカイと呼称している
ずっと埋まっていた首無しエヴァがいきなり動き始めたんだ
今日その監視さ
やはり封印柱からこっちには侵入して来ない
ハイカイに対しても機能している
何でも屋にもできないことはある、あれが止まったらお手上げだ
見ての通り、ここもいつまで持つか分からないのが現状だ
けどその時までは精一杯、ジタバタ生きるよ
それは梅干し、夫が毎年食べるのを楽しみにしてるのよ
生きることは辛いことと楽しいことの繰り返し、毎日が今日と同じでいいの、そういうもんでしょ
人生で今が一番若い時だし、今をしっかり生きたいの、ツバメもいるしね
ほんと私より懐いてる
そっくりさんもずっとここにいたらいいのに
私の名前?
そう、そろそろ決まったかい?
ううん、まだ思いつかない
じゃあいっそ誰かに決めてもらいな
君の名前?
そう、私に名前を付けて欲しい
ここにいたい、そのために名前が必要
だから名前をつけてほしい
名前って言っても、君は綾波じゃないし
どんな名前でもいい
碇君の付けた名前になりたい
初期ロット、ちゃんと動いてる?
うん、今日も来てたけど、なに?
そう、ならいい
そう、私はネルフでしか生きられない
どうやシンジ、ここにも随分慣れてきたやろ
うん少しは
そらあええこっちゃ、知らん人同士の寄せ集めやったこの村もなんやかんやでようやっと落ち着いてきたわ
最初は大変だったの?
せやな、随分色んなことがあったな
ヘタレのガキのままでは生きとられん世界やった
ワシらも早う大人になってなんでも出来るようになるしか無かった
家族のためにお天道様に顔向けできんようなこともした
生きるためには甘っちょろいこと言うてられんかったんや
ワシのやってる事は医者なんて立派なもんやない
医者の真似事、独学の人助け
クレーディトの用意してくれた診療設備があるから何とかなっとる
トウジは立派だよ、人を助けてるんだから
助けられん命もある
その時の悲しみや怒りを引き受けるのも、医者の役目と思うて続けとるんや
自分のやらかした事には落とし前っちゅうか、ケジメをつけたい
そない思うて生きてるさかいな
シンジ、お前はもう十分みんなのために戦うた
これからはここでワシらと一緒に生きたらええ
ワシはそう思うで
ありがとう、朝から付き合ってくれて
ニアサーを生き延びたオヤジがまさか事故であっさり死ぬとは、その時はまるで思わなかったな
こんなことならちゃんと話をして酒でも飲んで愚痴の一つも聞いときゃよかったよ
お前の親父は生きてるだろ、ムダと思っても一度は会ってきちんと話せよ、後悔するぞ
そんなのこいつには重いわよ、あの碇ゲンドウじゃ
しかし親子だ、縁は残る
松方の奥さんえらい難産だったそうだけどよう頑張ったな
無事に産まれてきてよかったわ、旦那も泣いて喜んどった
あら、あんた笑うんだね
うん、可愛いよ
ほんとうに背格好もええし、たまには服替えたらどうだい?
うん、別の服替えてみる
ねえ今度はこの服どうだい?
いいね似合うじゃない
やっぱ可愛いよ
うちの嫁に欲しいわ
これが照れる?
可愛いね
これが恥ずかしい?
すまないな、少し暑苦しいけどしばらく着装しててくれ
うちは何でも屋だからな
クレーディトとの連絡係もやっている
ここは比較的L結界が薄い地域の復元実験を進めている
クレーディトの野外ラボだ
実はスタッフの中に紹介したいやつがいるんだ
相田先生
お久しぶりです、そいつが新しい先生の助手ですか?
ま、そんなところだ
知らない人って初めてだよ
僕は加持、加持リョウジ、君の名前は?
どうだい碇、良い奴だったろ
うん、でもさっきの子、加持って
ミサトさんと加持さんの子どもだよ
14歳になる、本人は両親の事を知らない
ミサトさんの希望だ
母親らしいことは出来ないから一生会わずに、ただヴィレの責任者として子供を守るって決めたそうだ
あの、加持さんは
亡くなったよ
サードインパクトを止めるのに誰かが犠牲になるしかなかった
加持さんはそれを選んだし、ミサトさんはそれを許した
ミサトさんは碇に全てを背負わせたことをずっと後悔している
自分が背負うべきだったって
碇をエヴァに乗せたくないのもそういうことじゃないのか?碇辛いのはお前だけじゃない、ミサトさんも苦しんでる
土の匂い、加持さん
明日はヴンダーがピックアップに来るそうだ
帰還ルートの話はついてる
ミサトさんから頼まれていた村の記憶だ
ヴィレクルーの家族も写ってる、それとトウジから妹さんへの伝言
あんじょう頼むわ、だそうだ
うんわかった
ただいま
涙?泣いてるのは私?
これが寂しい?
おはようそっくりさん
おやすみ、おはよう、ありがとう
さようなら
おはよう
おはよう、どうしたの?こんな朝早く
碇君に会いたかった
これ
あ、ありがとう
あの、頼まれていた名前なんだけど、綾波は綾波だ、他に思いつかない
ありがとう、名前、考えてくれて
それだけで嬉しい
ここじゃ生きられない
けど、ここが好き
綾波?
好きってわかった、嬉しい
綾波?どうしたの?
稲刈りやってみたかった
ツバメもっと抱っこしたかった
好きな人とずっと一緒にいたかった
さよなら
綾波!
そう、そっくりさんそっちに、どうしたの?
あれがヴンダーか、でっかいな
離艦希望者が下船している
いよいよ決戦か
あっ、やだ、撮らないでよ
すまないが今日だけは記録を残しておきたい
そ、勝手にすれば
で、なにしにきたの?
碇、ここに残ってもいいんだぞ
ありがとう、ケンスケ
トウジ達にもありがとうって伝えておいて
アスカ、僕も行くよ
そ、ならこれ、規則だから
鈴原、サクラさん?
勝手に出ていって、あんだけ乗らんといて言うとったエヴァに乗りくさって、アホ!アホ!碇さんのドアホ…
女房かあんたは
脱走者の確認を終了、現時刻をもってBM-03の監視拘束の任を引き継ぎます
ここに引き渡しのサインを、式波戦時特務少佐
DSSチョーカーは?
未装着で問題ありません
全作戦の終了時に対爆隔離室において、保護します
監視対象者BM-03が第2チェンバーに到着
点火システムを準備
勝手に外された以上、その方がより確実な処理方法という訳ね
マギコピーにはチョーカーの作動履歴が残っていました、それはもう1人のパイロットが目の前で爆死した状況を示しています
そんな体験をしてなお、ヴンダーに戻ってくる
何故ですか?
さあ、私には葛城艦長が乗艦許可を出した方が遥かに謎ね
担当者が撮影した第3村の記録と鈴原からの私信
お兄ちゃんから?
第2チェンバーの完全閉鎖及び、緊急点火システムを開始、監視対象者BM-03の隔離処理、完了しました
下船したクルーのカバーは問題なし、新2の現場はイケてるから改8のパワーアシスト組み込みを予定通り開始して、各主砲塔と艦外作業の状況は?
第4砲塔の交換及び、艦尾主砲の増設作業に問題なし
艦外ドックのエヴァ関連作業はトータルで3%遅れています
スピード優先、チェックの5分の1は巻いていくわよ
はい
N1ロケット、第2次接続作業、再開5分前
式波少佐の回収はいいですよ、けどあの疫病神も一緒なんですか?
放置してまたネルフに利用されるよりはマシだろ
エヴァ搭乗を画策時には総員に無条件発砲許可が出ています、今度は安心じゃないですか
そんなの言うだけ番長でしょ
前に脱走したとき艦長は処分できなかったし、今やその信用ナッシングなんですけど
相手は子供です、躊躇も理解してます
その子供がニアサー起こして、私の家族皆殺しにしたんだけど
ニアサーは結果だ、彼の意思じゃない
艦長も贖罪に心身を尽くしている
そうだな加持がヴィレを託した人物だ
ワシはどこまでも艦長を信じる
みんな身内に甘すぎ、誰のオシッコかも分からないこの再生水と同じ、清めれば済むと思ってる、そんなわけないっしょ
新2号機のJAパーツとの接続テストに問題なし、予定通り左腕の独立運動システムの作業を開始してください
爆薬が増えてる、信用減ってるのね、私たち
ただいま
おかえり姫、道中ご苦労さま、ベリー会いたかったよん
もう何よこの部屋、断捨離どころか本増えてるじゃない
本は人の叡智の集合体、古今東西全ての本を読みあさるのが私の叶わぬ夢よん
By the way
ワンコ君との進捗どうだった?
別に興味無い
ほう、年頃の男の子は眼中に無いと
ガキに必要なのは恋人じゃない、母親よ
全補給艦から本艦への搬入作業は全て完了、補給艦内のロジスティクス担当者は速やかに退去
クレーディトとの独立運営とエヴァ両機の全リミッター解除を承認するサインをこれに、葛城艦長
艦長及び副長両名の承認を確認、マヤ、始めてちょうだい
了解です、副長先輩
ミサトが一人の時はいつもここ、艦長室のプレート、こっちに替えた方がよさそうね
簡単にはリョウちゃんへの想いは断ち切れないわね
加持は関係ないわ、ここが落ち着くだけよ
このブロックが本艦本来の運用目的だったわね、あらゆる生命の種の保存、その主語のための半永久稼働可能な無人式全自動型の方舟が、AAAヴンダー本来の姿
加持にとって人類という種の存続は大した問題ではなかった
補完計画の巻き添えで消えてしまう多様な生命体を自然のままこの世界に遺すことが最重要だったのよ
そのためには可能な限りの生命の種を、地球圏外に避難させる
その計画実現を目指し建造中だったこの船をネルフから強奪、人の力では補完計画の阻止は不可能とも考えていたものね
でも最後は自らの命を捨ててサードを止めた
自己矛盾で自分勝手に死んだ超迷惑な男よ
結果彼はここにいない
ならば私はこの船をネルフ殲滅、人類補完計画阻止のために使わせてもらう
あなたの復讐のため?
いいえ、命を遺す方舟ではなく、命を救う戦闘艦として
母親のセリフだと実感あるわね
私にそんな資格、1ミリもないわよ
艦長及び副長は現在戦闘艦へ
ネルフ本部が移動を開始、屹立中の黒き月を伴い、旧南極爆心地跡に向かい進行中と思われます
フォースインパクトの要とされる黒き月の復活
そしてアダムスの器の贄となる、雌雄もなく純粋な魂だけで造られた汚れなき生命体
アドバンスドアヤナミシリーズの再生
人が人を救済する人類補完計画
その傲慢の行き着く先が、これとはな
第3の少年がヴィレに戻った
アヤナミタイプNo.6は無調整ゆえ個体を保てなかったようだ
自分と同じ喪失を経験させるのも息子のためか?

どうやら精神的には安定してそうね
で葛城艦長、仮称碇シンジ君はどうするの?
息子と同じく一生会わない気?
艦内保護で十分、私が面会する必要は無いわ
DSSチョーカー、未装着のままでいいのね
罪は自分の意思で償おうとしなければ贖罪の意味が無い
ミサト、そうしてカッコつけてても本心では、戻ってきてくれたって喜んでるでしょ?
情動で動くとろくな目に遭わない、あなたの経験よ
いつもながらきついわね
ミサトを甘やかすとろくな目に遭わない
私の経験よ
他はろくな身体形状変化がないくせに髪だけは伸びる、鬱陶しい
頭髪には髪も穢れも煩悩も宿っている
まさにカオスな人の心の象徴よ
姫が紛れもなく人間である証じゃないの
セカンドインパクト
その呪われた爆心地か
アダムスの器は全て揃った
第13号機の再起動ももはや時間の問題だ
ああ、では始めよう冬月、あとを頼む
ここまでは全てゼーレのシナリオ通りか
行きなさいシンジ君
誰かのためじゃない
あなた自身の願いのために
艦長、Bad Newsよ、ネルフ本部が最終目的地に到着
第13号機の再起動に向けて動き出したわ
私たちに残された時間はあと数刻、という訳ね
ええ、それとgood Newsよ
停止信号プラグの組み立て完了
エヴァ両機も最低限、形になったわ
了解、全艦発進準備
現作業を25分後に中断、30分後に出航します
いつもながら無茶言うわね
全艦第2種戦闘配置にて発進準備
25分後に出航、各自作業は20分で終わらせて
繰り返す全艦第2種戦闘配置にて発進準備
無人艦隊、発射位置に最終調整中
N1ロケット、推進剤注入完了、内部電源に切り替え
最終ステータスチェックに問題なし、艦外作業員は退去急げ
枚数多いですね高雄機関長
ああ、ネルフから決起した後に死んだ仲間の分だ
反乱時に味方の識別に使ったのが、このバンダナだったんですよね
ああ、赤くなった海と大地をこの色に取り戻す
その願いを色に込めた誓いの印だ
ありがとう
このバンダナがリョウちゃんの形見となったわね
葛城、達者でな
あの時本当は私も加持と残りたかった
でしょうね
ミサトのお腹に子供がいなかったら許したかもね
戦闘配置なので私は医療ブロックに移動します
碇さんはそこを動かんといてくださいね
何かの時は赤いボタンで呼んでください
じゃあ行ってきます
深々度ダイブ用耐圧試作プラグスーツ、いかにも出来たてホヤホヤだニャ
ここは無垢のおろしたてでしょ
死装束だもの
新2号機、JAリアクターを起動、出力安定、エネルギー循環開始
改8号機ドラゴンキャリアと接続、異常なし
分離テストは不要、ぶっつけ本番でいくわよ
臨時ケイジの最終ロックボルトを解除
エヴァ両機は現在、射出位置にて固定中
コネメガネ、ちょっと寄り道しておきたい
ラジャー
だーれだ
あの、わかんないよ
ヒント、屋上、メガネ、乳の大きい、いい女
あの、パラシュートの?
ご名答
自己紹介まだだったね
私はマリ
真希波・マリ・イラストリアス
改めてよろしくね、ヴィレのワンコ君
ふーん、ちと変わったね、大人の香りってやつ?
そう簡単に変わらないわよ、このガキが
最後だから聞いておく、私が殴ろうとしたわけわかった?
アスカが3号機に乗っていた時、僕が何も決めなかったから、助けることも殺すことも、自分で責任、負いたくなかったから
ちっとは成長したってわけね
最後だから言っておく
いつか食べたあんたの弁当、美味しかった
あの頃はシンジのこと好きだったんだと思う
でも、私が先に大人になっちゃった
きみよくやってる、偉いよ碇シンジ君
再見(ツァイチェン)
姫、ちっとはスッキリした?
そうね、スッキリした
エヴァパイロット両名、エントリープラグに搭乗開始
シンジ君は安らぎと自分の場所を見つければいい
縁が君を導くだろう
また会えるよ
うんそうだね、カヲル君
補機、出力安定、主機臨界点を突破、推力上昇1160万トン
ジャイロコンパス作動中、操舵及び重力制御、問題なし
エヴァ両機、射出位置に固定完了、エントリーを開始
各砲への動力伝達、エネルギー流入、異常なし
無人艦隊、全艦発射位置に固定終了
直ちに艦外全作業を中断、非戦闘員は待機
第1種戦闘配置への移行、完了しました
艦長、全艦発進準備完了
いつでもネルフ本部に殴り込めるわよ
了解、艦長より通達
これより本艦はフォースインパクトの不可逆的な阻止のため旧南極爆心地跡に在留中のネルフ本部を強襲、儀式のトリガーとなるエヴァ第13号機の無力化を目的としたヤマト作戦を決行
これまでの全てのカオスにケリをつけます
全艦、発進
エントリー終了、指揮系統を戦闘艦橋へ移行完了
種子保管ユニット、射出ポイントに入ります
了解、ヴンダーとのリンクをカット
内部電源及び管理システムを独立状態に切り替え
全ての種子保管ユニットを射出
全ブロックL5に投入完了、自立調整に問題なし
目標地点への降下を開始、大気圏突入
了解、大気圏突入開始
モニター回復してます
旧南極爆心地エリアに侵入、L結界境界面に入ります
L結界境界面を航行中、問題ありません
ここが原罪で汚れた生命を阻むというL結界の上
人類が浄化されたエリアを祝福も受けずに進んでいる
加持のデータとアンチLシステムのおかげだ
L結界潜航可能ポイントまであと、20
了解、全艦潜航準備
右舷第2船体に被弾、損害不明
3時方向に艦影発見
オップファータイプ搭載型2番艦、エアレーズング
やはり完成していたのね
すまんな、今少し碇の我儘に付き合ってもらおう
第13号機再起動までの時間稼ぎか
同じ神殺しの力、厄介ね
タイマン上等、右舷砲撃戦用意
NERV艦を牽制しつつ潜航ポイントへ急ぐ
撃てー!
あちこちに被弾、あっちの火力が圧倒的です
クソっ、どこが同型艦だよ
未完と完成の違いだな、だが主機はこっちの方が上だ
L結界、潜航可能ポイントに到達
急速潜航
了解
L結界第1層を抜けます
第2層に突入、L結界密度プラス30
艦首12時方向、エヴァインフィニティの大群です
構うな、このまま突っ切る
艦首12時方向に艦影出現
待ち伏せか?
3番艦エルヴズュンデ、まんまと挟撃されたわね
やばいです、これ以上やられると航行に支障が
艤装が手薄な3番艦から排除する
舵そのまま、最大戦速
了解
3番艦、回避行動
逃がすな、このままぶつける
こんなのやだぁ
艦を回せ、ロール角180度、敵艦と体勢を入れ替える
了解
3番艦を盾に使うか
相変わらず無茶をする
インフィニティの群れを抜けました
L結界、第3層に突入
目標、ネルフ本部を確認
既に黒き月の下方にシフトしています
第13号機の再起動が近いな
2番艦及び3番艦、艦尾より接近中
時間が無い、黒き月を盾にしつつこのままネルフ本部突入コースに
誘導弾発射準備、目標第13号機再調整区画
艦尾6時方向、ネルフ戦艦群が接近中
艦を傾斜、被弾面積を最小限に抑える
了解、左舷重力バラスト ブロー、ダウン20
主翼上の艦艇群の保護を最優先、ATフィールドを集中して
艦尾主砲が大破、フクロにされてます
狼狽えるな、発射ポイントまで耐えればいい
誘導弾発射最適地点到達まであと10
軌道に乗りました
誘導弾全弾発射
誘導弾全弾発射
目標第13号機を光学で確認
予想通り再起動前だわ、13号機はまだ動けない
接近中のエヴァ7シリーズを確認、数は超いっぱい、計測不能です
雑魚に構うな、エヴァ両機の射出を急げ
マヤ、エヴァ両機射出準備
了解、エヴァ両機射出準備
射出!
頼むわ、マリ、アスカ
ひゃっほーい
どけえ!
はいはい、ごめんなさいよっ
コネメガネ、次の獲物
あいよっ
どりゃあああ!
つぎぃ
姫えっ
エヴァもどきがまとめて通せん坊とは、邪魔くさい
コネメガネ、手を貸せ
心得た
エヴァ両機、ネルフ本部の降着
目標地点はあの爆撃孔の下ね
こいつら、マジ、ウザすぎ
姫、お先にどうぞ
悪い、コネメガネ
エヴァ第13号機
間に合った
神の機体を謳ったところで所詮は人の作りだした第13番目の汎用ヒト型決戦兵器
強制停止信号プラグをコアに打ち込めば、破壊は出来ずとも、動くことはなくなる
これで、おしまーっ、いぃぃー!
ATフィールド?
第13号機はATフィールドを持たないはずなのに、なんで?
これってこのエヴァ自身のATフィールド?
新2が13号機に脅えてるっいうの?
何かおかしい、ゲンドウ君は何を企む?
変です、ネルフ戦艦が戦線を離脱、降下していきます
呪われたセカンドインパクトの爆心地、カルヴァリーベースか
地獄の門が再び開いている、まさか
光の翼?
セカンドインパクトと同じ方術でフォースを起こすつもりなの?
いえ、ガフの守り人として建造された船をトリガーにはできないはず
それに黒き月を取り巻く事象が計画とは違う
これはゼーレのシナリオにない、私たちの知らない儀式よ
全くの予想外、アナザーインパクトというわけか
状況はどうあれ、ネルフの計画は全て叩き潰す
主砲発射準備、3番艦から先に沈める
使用可能な全ての砲門を3番艦に向けろ
超電磁直撃弾装填、方位盤連動不要
各砲準備でき次第発砲を開始
しかし建造計画では4番艦まであったはず
撃てー!
状況は?
直撃です、何かに両舷の第2船体を貫通されました
艦首損傷、主砲塔システムダウン
4番艦ゲベート、罠にハマったわね、私たち
仕上げのインパクトにはどの道こいつが必要になる
だから確実に今、始末しておくしかない
獲物が目の前にいてままならないなんて
最後の手段ね、ごめん新2、また無理をさせるわ
全リミッターを裏コード999
パターン青、ネルフ本部内に第9使徒の反応あり
姫、使徒の力を使う気?
エンジェルブラッド、全量注入
姫、ヒトを捨てる気?
新2のATフィールドを、私のATフィールドで中和する
シングルエントリーじゃなかったの?
しまった、ゲンドウ君の狙いは使徒化した姫か
シキナミタイプ、私のオリジナルか
最後のエヴァは神と同じ姿、あなたも愛と共に私を受け入れるだけ、さあ、こちらへ
おあいにくね
むだよ、おばかさん
アスカぁ!
新2号機全ての信号ロスト、パイロットの状況不明
補機N2機関大破
くそっ今度はなんだ?
エヴァっぽいなにかです、取り憑かれました
パターン青、エヴァオップファータイプね
パイロットごと、Mark.09を新造したのか?
やばいです、艦内が物理的に侵食されていきます
排除、急いで
やっていますが侵入速度が早すぎて対処できません
Mark.09、VT防壁を突破
だめです、コントロールが全部乗っ取られました
こいつはやられたな
流石は冬月副司令、見事だわ
人工的なリリスの再現、そして黒き月の槍への強制流用
舞台は整えた、あとの大詰めをどう演じる、碇
ごめん姫、まさに慙愧の極み
この場は一時後退しかなさそうね
ご無沙汰です、碇司令
これまでご苦労だった、葛城大佐
この船は予定通り私たちが使わせてもらう
君か、問答無用とは、相変わらず目的遂行に関し躊躇がないな
ええ、あなたに教わったことです
神に障壁はない、来るものを全て受け入れるだけだ
碇ゲンドウ、ネブカドネザルの鍵を使い、望んで人を捨てたか
この世の理を超えた情報を自分の身体に書き加えただけだ、問題は無い
私が神を殺し、神と人類を紡ぎ、使徒の贄をもって人類の神化と補完を完遂させる
そのためにアスカを使い捨てるか、碇ゲンドウ
アヤナミとシキナミ型パイロットは、元よりこのために用意されていたものだ、問題ない
これが人類、いえ、この星の古の生命のコモディティ化
全ての魂をコアに変え、エヴァインフィニティと同化させるフォースインパクトの始まりか
そうだ、セカンドインパクトによる海の浄化、サードによる大地の浄化、そしてフォースによる魂の浄化
エヴァインフィニティを形作るコアとは魂の物質化
人類という種の器を捨て、その集合知を汚れなき楽園へと誘う、最後の儀式だ
セカンドインパクトと引き換えに自らの仮説を実証した君の父上、葛城博士が提唱した、人類補完計画だよ
父の世迷言は必ず止めてみせます
知恵の実を食した人類に神が与えていた運命は2つ
生命の実を食べた使徒に滅ぼされるか、使徒を殲滅しその地位を奪い、知恵を失い永遠に存在し続ける神の子と化すか
我々はどちらかを選ぶしかない
ネルフの人類補完計画は後者を選んだゼーレのアダムスを利用した、神への儚いレジスタンスだが、果たすだけの価値のあるものだ
私達は、神に屈した補完計画による絶望のリセットではなく、希望のコンティニューを望みます
私は神の力を克服する人間の知恵と意志を信じます
心理の捉え方の違いだ
葛城大佐には世界が、赤城君には幸せの形が見えていない
人の想いでは何も変わらんよ
これで全てのホースマンは揃った
では、預けていたエヴァ初号機を返してもらおう
父さん
ニアサーを生き延びてきたワシらや
自らの運とミサトさんのヴィレを信じるで
ガフの扉の向こうはヴンダーには手出しできない、マイナス宇宙
残念ながらヴィレには補完計画を止める術はない
万事休すね
ミサトさん、僕がエヴァ初号機に乗ります
綾波が消えた帰り道、加持さんに教えてもらった土の匂いがしたんだ
ミサトさんが背負ってるものを半分引き受けるよ
そのためには碇ゲンドウと戦うことになるわよ
僕は僕の落とし前をつけたい
ちょっとやめてよ、冗談じゃない
まさかエヴァに乗せるつもりじゃないですよね?
こんなことになるんじゃないかと思ってた
艦長、この状況なら無条件発砲許可でしたよね
疫病神、あんたの起こしたニアサーのせいで私たちの人生めちゃくちゃよ、全ての元凶、あんたら親子だけは絶対に許さない
碇シンジはエヴァには乗りません
碇さんはエヴァに乗ってみんなを不幸にして自分自身も不幸になったんや、だからもう、碇さんはエヴァには乗らんのです
いえサクラさん、僕をエヴァに乗せてください
無茶言わんといて碇さん
怪我したらもう乗らんで済みます、痛いですけどエヴァに乗るよりはマシですから、我慢してください
ミサト!
艦長!
ミサトさん
いいのよシンジ君
14年前、あなたがエヴァ初号機に乗らなかったら私達はその時既に滅んでいた
だから感謝してるの
その結果、ニアサーが起こされたとしても
シンジ君の取った行動の責任は全て私にあります
現在も碇シンジは私葛城ミサトの管理下にあり、これからの彼の行動の責任を私が負うということです
私は今のシンジ君に全てを託してみたい
そうや、碇さんは私らを救ってくれた恩人や、けどウチらのお父ちゃんもニアサーで消えてもうたんやぞ、碇さんは恩人で敵なんや、もうこうするしかないんや
もういい、もういいよサクラ
もう明日生きていくことだけを考えよ
もうなんやの
メンゴ
準備に手間取っちゃった、さあ行こう、ワンコ君
マヤ、艦長室に保管してあるプラグスーツを
弾はすぐに溶けます、いま、応急処置してますから
大丈夫よ、少尉
碇シンジ君
父親に息子ができることは肩を叩くか、殺してあげることだけよ、加持の受け売りだけど
ミサトさん、加持リョウジ君にあったよ
元気だった?
うん
そう、よかった
凄くいいやつだった、ちょっとしか話してないけど、僕は好きだよ
ありがとう
必ずサポートする、頼むわシンジ君
うん、ミサトさん、行ってきます
行ってらっしゃい
では仕事に戻りましょう
艦はボロボロ、主機も補機も失ったまま、こうして浮いてるだけでも奇跡ね
それで結構、予備動力が尽きる前にさらなる奇跡を起こすわよ
オーバーラッピング対応型の改8とアダムスの器を取り込んだ、プラスフォーインワン状態のおかげで、この裏宇宙でも難なく進めてる、ありがたいことだニャ
さてワンコ君、君がやることは、アンチLシステムが全て止まってみんながコア化してしまう前に第13号機を破壊し起死回生を図るしかない
うんわかってる
しっかしさすがはゲンドウ君、裏宇宙なのをいいことに量子テレポートを繰り返してる
こりゃあ捕まえるのに骨が折れそうだニャ
大丈夫、マリさん、いってくるよ
ワンコ君、第13号機の中に姫の魂が残置されてる可能性がある、だから姫を、アスカをお願い
やってみるよ、綾波
君がどこにいても、必ず迎えに行く
だから絶対に待ってなよ、シンジ君
うん、ありがとう
グッドラック
もういいのか?レイ
綾波
碇君、ごめんなさい
碇君をエヴァに乗らないで済むように出来なかった
いいんだ綾波、ありがとう、綾波
あとは僕がやる
うん、お願い
初号機パイロットが覚醒したか
改8経由でマイナス宇宙からの信号を受信
エヴァ初号機再起動
めっちゃ有り得ないっしょ、疫病神のシンクロ率はゼロなのに
まさかシンジ君の本当のシンクロ率はゼロではなくそれに最も近い数字
はい、シンクロ率無限大です
希望の槍、カシウスと変わるか
もうやめてよ、父さん
だめだ、私には成すべきことがある
アナザーインパクトまで無理矢理起こしてあの男は何がしたいんですか?
アナザーの目的として考えられるのはただ1つ
フォース用に槍を新造し、アディショナルのために2本の槍を最後まで温存したのよ
恐らくはたった一つの願いのために
バカらしい ただのエゴじゃん
もうすぐ会えるな、ユイ
動かない、離してよ父さん、あれは?
ゴルゴダオブジェクトだ
人では無い何者かがアダムスと6本の槍と共に神の世界をここに遺した、私の妻、お前の母もここにいた、全ての始まり、約束の地、人の力ではどうにもならない、運命を変えることが出来る唯一の場所だ
ここは?エヴァのケイジ?なんだここ
お前の記憶の世界だ
父さん
マイナス宇宙を我々の感覚機能では認知できない、故にL.C.Lが知覚可能な仮想の世界を形成している、大人しく初号機を渡せ
そうすれば、お前も再び母に会える
無駄な抵抗を試みるか、これだから子供は苦手だ
仕方がない、回り道をしよう
なんだ?僕の同じ動きだ
やりづらい
第13のエヴァ、希望の初号機と对を成す絶望の機体だ、互いに同調し調律をしている、これも私に必要な儀式だ
もうやめてよ、父さん
無駄だ、お前のひ弱な力では私を止めることは出来ない
まだわからないか
力でもかなわない
まして暴力と恐怖は、我々の決着の基準では無いからだ
そうだ、これは力で決することではない
うん、父さんと話がしたい
父さん、父さんはここで何がしたいの?
このゴルゴダオブジェクトでした起こし得ない、アディショナルインパクトだ
それが神殺しへの道へと繋がる
そのために最後の2本の槍をここに届けた
やはりマギコピーの予測も碇司令が最後に槍を2本とも使い捨てる可能性が高いわね
槍を全て失うとシンジ君が発動を止める術もなくなる
じゃあどうすんのよ
私達で新たな槍を作り彼の元へ届けます
できっこないしょそれこそどうすんのよ
本艦がヴーセとして乗っ取られた時艦隊は黒き月をマテリアルとして見知らぬ槍を生成していた
ならばこの艦を使って新たな槍を私達で作り出せるはず、ヴンダーに人の意志が宿れば更なる奇跡も起こせるわ
リツコの知恵とヴィレとヴンダーの言霊を私は信じる
むちゃ言うわね、サンプルはさっきの発動データしかないのよ
リツコには十分でしょ
そうね、やってみるわ
要は脊髄結合システムにありそうよ
マヤ、悪いわね、ぶっつけ本番でいくわよ
ノープロブレムです、副長先輩、いつものことですから
整備長、幸い予備動力と脊髄結合ブロックは無事です、ここで直接組み換え作業しちゃいましょ
だめよ、あなた達は退避して、ここにいるだけで危ないのよ!
最後の奉公です
やれるだけやりましょう
これだから若い男は
さあ、碇司令が何かやらかす前にシンジ君をサポートするわよ
初号機パイロット、お前に見せたいものがある
これは、黒いリリス?
お前の記憶ではそう映るのか
エヴァンゲリオンイマジナリー
葛城博士が予測した現世には存在しない想像上の架空のエヴァだ、虚構と現実を等しく信じる生き物、人類だけが認知できる
絶望と希望の槍が互いにトリガーと贄となり、虚構と現実が溶け合い、全てが同一の情報となる
これで自分の認識、すなわち世界を書き換えるアディショナルインパクトが始まる
私の願いが叶う、唯一の方法だ
これが、アディショナルインパクト?
ええ、恐らくあれがエヴァイマジナリー、まさか実在するとはね
変よこれ
絶対変!
ふむ、ようやく始まったな
君か
お久しぶりです、冬月先生
しっかしこの船の中、L結界密度が高すぎません?
ああ、元来有人仕様ではないからな
無理は承知だ
人には常に希望という光が与えられている、だが、希望という病にすがり溺れるのも人の常だ、私も碇も希望という病にしがみつきすぎているな
ゲンドウ君は自らが補完の中心になることで願いを叶えようとしている
それを助けたい
いえ、願いを重ねる冬月先生の気持ちも分かりますが、人類全てを巻き添えにするのは御免被りたいニャ
だろうな、私の役目は終わりだ、君が欲しいものは集めてある、あとはよしなにしたまえ
イスカリオテのマリア君
ちょー久しぶりに聞いたなその名前
ではおさらばです
ユイ君、これでいいんだな
動きました!これで行けます
艦長、あとはここにいるクルーで十分よ
了解、総員退艦
総員退艦、繰り返す総員退艦
負傷者収容を最優先、脱出カプセルに急げ!
アダムスの器たるエヴァオップファータイプが勢揃い
さすが冬月先生、手際がいいニャ
悪いけどオーバーラッピングのための
糧になってもらうわニャ
これで8+9+10
プラス11
さぁラスト、いってみようか
第4脱出カプセルまでのハッチを閉鎖
艦内残留者は速やかに5番カプセルに急いでください
やはり私、操艦席に戻ります
今は生き延びるのが俺たちの仕事だ
どれだけ辛くともな
艦長組み換え作業を終了、これでいけると思うわ
了解、全ての操艦システムを艦長席へ、その後速やかに退艦して
ミサト
これは誰かが確実に発動させなければならない
そして本艦の責任者は私です
生き残った命を、子供たちを頼むわ、リツコ
わかってる、ミサト、ベストを尽くすわ
ありがとう
予備電磁力は残りわずか
やはり最後に頼るのは昔からの
反動推進型エンジンね
もうリリンが君らを使うこともない
ゆっくり眠りな、アダムスたち
ヴンダーが動き出した、合流を急ぐかニャ
しっかし人類のフィジカルとメンタル、両方の補完を同時に発動させるとはまぁ
ゲンドウ君、君は
父さんは何を望むの?
お前が選ばなかったATフィールドの存在しない、全て等しく単一人類の心の世界
他人との差異がなく、貧富も差別も争いも苦痛も虐待も悲しみもない
浄化された魂だけの世界
そしてユイと私が再び会える、安らぎの世界だ
ユイ、ユイ、ユイ、ユイ
ユイ、どこだ?どこだユイ!
ここにいるのは全てレイか?
どこだ?どこなんだ!ユイ
父さんもうやめてよ
何故だ、何故シンジがここにいる
父さんのことが知りたいから
寂しくてもいつも父さんに近づかないようにしていた
嫌われているのがハッキリするのが怖かったんだ
でも今は知りたい、父さんのことを
ATフィールド、人を捨てたこと私に?
まさかシンジを恐れているのか?この私が
これは捨てるんじゃなくて渡すものだったんだね、父さんに
僕と同じだったんだ、父さんも
ああそうだ、ヘッドフォンが外界と私を断ち切ってくれる
無関心を装い他人のノイズから私を守ってくれた
だがユイと出会い、私には必要が無くなった
名前、決めてくれた?
男だったらシンジ、女だったらレイと名づける
シンジ、レイ
親の愛情を知らない私が親になる
やはりこの世界は不安定で不完全で理不尽だ
世の中は他人の言葉通りに受け取っても上手くいかない、その時々で人は違うことを言う
どっちが本当でどっちに合わせていいのか分からない
多分どちらもその人には本当なんだろう
その時の気持ちが違うだけだ
私は他人との繋がりを恐れた
人で溢れる世界を嫌った
幼い頃から孤独が日常だった
だから寂しいと感じることもない
だが世間にはそれを良しとしない人間もいる
他の家に行くのが苦手だった
興味のないクラスメイトや親戚の家に連れていかれて、その生活の情報や実行を押し付けられるのが嫌だった
他人といるのが苦痛だった
私は常に独りでいたかったのだ
子供の頃から好きなものが2つあった
1つは知識だ
一方的に得るだけの知識は私の心の飢えを満たしてくれた
知識に気遣いは不要だ
時間のある限り、私の中に好きなだけ与えることが出来たからだ
もう1つはピアノだ
調律された音は鍵盤の正しい音を返してくれる
そこに嘘は無い、裏切りも失望もない
私を粛々と音の流れに変換してくれる
そのシステムが好きだった、独りが好きだった
私も他人も誰も傷つくことがない、独りが楽だった
だがユイと出会い、私は生きていることが楽しいと感じることを知った
ユイだけがありのままの私を受け入れてくれた
ユイを失った時、私は、私独りで生きる自信がなくなっていた
初めて孤独の苦しさを知った
ユイを失うことに耐えることが出来なかった
ただユイの胸で泣きたかった
ただ、ユイのそばにいることで自分を変えたかった
ただその願いを叶えたかった
‪私は私の弱さゆえにユイに会えないのか、シンジ
その弱さを認めないからだと思うよ
ずっと分かっていたんだろ?父さん
なんだ?多分ミサトさんだよ
まだまだぁー!
馬鹿な、聖なる槍は全て失っている
世界を書き換える新たな槍は有り得ないなずだ
神が与えた、希望の槍、カシウスと絶望の槍ロンギヌス
それを失っても世界をありのままに戻したいという意志の力で作り上げた槍、ガイウス
いえ、ヴィレの槍
知恵と意志を持つ人類は神の手助けなしにここまで来てるよ、ユイさん
取り付いた!
マリ!シンジ君を!
あたぼうよ!必ず連れて帰る!
頼むわ
ユイに会えぬまま新たな槍がここに届くか
残念だ
お母さんこれしかあなたに出来なかった
ごめんね、リョウジ
ありがとう、ミサトさん
他人の死と想いを受け取れるとは
大人になったなシンジ
ユイを再構成するためのマテリアルとしてシンジが必要な否なのか、最後まで分からなかった
願いを叶えるには報いが伴う
子供は私への罰だと感じていた
子供に会わない、関わらない事が私の贖罪だと思い込んでいた
その方が子供のためにもなると信じていた
すまなかったな、シンジ
そうか、ここにいたのか、ユイ
碇ゲンドウ、彼が今回の補完の中心、円環の元だ
ここからは僕が引き継ぐよ
碇シンジ君、君は何を望むんだい?
僕はいいんだ、辛くても大丈夫だと思う
僕よりもアスカや皆を助けたい
そうだった、君はイマジナリーでは無く、リアリティの中で既に立ち直っていたんだね
うん、父さんのやった事は僕が落とし前をつける
アスカ
パパは分からない、ママもいない
だから誰も要らないのよ、アスカ
誰もいなくていいようにする
そうしないと辛いから
生きているのが苦しいから
エヴァに乗る
人に嫌われても悪口を言われても、エヴァに乗れれば関係ない
他に私の価値なんてないもの
誰も必要としない、強い身体と心を持つの
だから私を褒めて、私を認めて、私に居場所を与えて
本当は寂しい
本当はただ、頭を撫でてほしかっただけなの
いいんだ
アスカはアスカだ
それだけで十分さ
私寝てた?バカシンジ?
良かった、また会えて
これだけは伝えておきたかったんだ
ありがとう、僕を好きだと言ってくれて
僕もアスカが好きだったよ
さよなら、アスカ、ケンスケによろしく
姫、お達者で
いっちゃったね、シンジ君、寂しくないかい?
うん、大丈夫
今度は君の番だ、カヲル君
思い出したよ、何度もここに来て君と会ってる
生命の書に名を連ねているからね
何度でも会うさ
僕は君だ、僕も君と同じなんだ
だから君に惹かれた
幸せにしたかったんだ
そう、カヲル君は父さんと似てるんだ
だから同じエヴァに乗ってたんだね
何だかいつもと違うね、シンジ君
泣かないのかい?
うん、涙で救えるのは自分だけだ、僕が泣いても他の誰も救えない
だから、もう泣かないよ
そっか、君はもう成長してたんだった
少し寂しいけどそれもいいね
カヲル君、第13号機、君のエヴァも処分しようと思う
うん、エヴァを捨てるか
すまない、僕は君の幸せを誤解していた
ええ、それはあなたの幸せだったんです、渚司令
あなたはシンジ君を幸せにしたいんじゃない
それによりあなたが幸せになりたかったんです
僕の存在を消せるのは真空崩壊だけだ
だから僕は定められた円環の物語の中で演じることを永遠に繰り返さなければならない
仲良くなるおまじないだよ
相補性のある世界を望む、変わらないなシンジ君は
だからこそあなたが彼を選び、生命の書に名を書き連ねた
ありがとう、リョウちゃんにも救われたよ
光栄です、渚司令
嫌だなリョウちゃん、そろそろカヲルって呼んでよ
ふっ、まだお預けです、渚司令
渚とは、海と陸の狭間
第1の使徒であり、第13の使徒となる、人類の狭間を紡ぐ、あなたらしい名前だ
あなたは十分に使命を果たした
あとは彼に引き継いでもらってもいいでしょう
葛城と一緒に老後は畑仕事でもどうです?
そうだね、それもいいね
残っているのは君だけだ、綾波
私はここでいい
もう1人の君はここじゃない居場所を見つけた
アスカも戻ったら新しい居場所に気づくと思う
エヴァに乗らない幸せ、碇君にそうしてほしかった
うん、だからここじゃない、君の生き方もあるよ
そう?
そうだ、僕もエヴァに乗らない、生き方を選ぶよ
時間も世界も戻さない、ただ
エヴァが無くてもいい世界に書き換えるだけだ
新しい、人が生きていける世界に
世界の新たな創生、ネオンジェネシス
うん
それにあとでマリさんが迎えに来る
だから、安心して
そう、わかった
碇君、ありがとう
やってみるよ、綾波
誰?
綾波?いや違う
そうか、この時のために、ずっと僕の中にいたんだね
母さん
やっとわかった
父さんは母さんを見送りたかったんだね
それが父さんの願った、神殺し
さようなら、全てのエヴァンゲリオン
よっしゃあ!間に合ったー
ギリギリセーフね
8+9+10+11+12号機
ご苦労さま、最後のエヴァンゲリオン
マリさん
おまたせ、シンジ君
間もなく列車が参ります
黄色い点字ブロックまでお下がりください
だーれだ
胸の大きいいい女
ご名答
相変わらずいい匂い、大人の香りってやつ?
君こそ相変わらず可愛いよ
ほほう、一端の口を聞くようになっちって
さ、いこう、シンジ君
うん、いこう








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