詩『The Last of Us PartⅡ』｢愛憎の撃滅｣

私は何をしに来た？
そうだ、憎きあいつらを見つけて殺すんだ
あなたを殺したあいつらを
何者なの？
なぜあそこにいたの？
なぜ私を生かしたの？
でもそんなことどうでもいい
あなたを殺したの
あいつらは
許さない
全員殺す
でも殺してどうなるの？
何が残るの？
あなたは死んでるのに
あなたともっと喋りたかった
あなたにもっと愛してほしかった
あなたともっとセッションしたかった
あなたと映画を観たかった
あなたを
赦したかった
ダメなの
あなたに取り憑かれてる
あなたを忘れることはできない
私の全てなの
独りだった私への、光なの
いやだ
あなたは私を置いていった
勝手に
最後の会話があれで終わりなの？
思い出したくない
これ以上、思い出したくない
あなたを忘れたい
ねえ、見てるの？
今からあなたを殺したやつらに裁きを下す
あなたが望んでることだよ？
あなたが私の立場ならそうするよね？
ぜんぶ殺してあげる
ぜんぶ殺してあげる
ぜんぶ殺してあげる
神様がいたら私に微笑むよ？
そうだよね？
私の知らない人の血
いくら流すのかな
どれくらい見ることになるのかな
ぜんぶ殺すんだから、すごいことになるよ
あなたが望んでることだよ？
旅を思い出す
色々なことがあったけど
楽しかったよ
ほんとうに色んなことがあったけど
でもこの旅は楽しくないよ
報復を決断してる
そんなこと初めてだから
想像もつかない
でも終局はわかる
私の勝ちだよ
敵がたくさんいると思う
殺してやる
痛めつける
あなたを殺したあの女
すぐ死なせる訳にはいかない
お前を殺したい人は幾人いる
みんなにやらせる
私が最後に始末する
何を聞こうかな
あいつらの目的
どうでもいいかな
どうかしてるのかな
今の私って
考えてる事がよく分からない
だって殺したいしかないの
殺しっていいんだっけ？
時々自分がわからなくなる
自我を保てなくなる
私悪いことしてる？
してない
それは絶対に
細胞レベルでそう思う
私が正義
あいつらが悪
そんなの決まりきってるでしょ
何よ今更

違うのかな
どうでもよかったのに
そんなことを考える余裕がある
今はいつ？
私は何を見てるの？
何を経たあとなの？
おかしくなる
自分がおかしくなる
知らない街
何人も殺した
やつは殺せなかった
忘れてたのかな？私
忘れたいこと
あんな思いしたくない
だけど
あなたが問いかけてくる
うっすらじゃない
鮮明に
目の前に現れる
まるで昨日もいたかのように
怖いの
いなくならない
あなたが消えない
嬉しいけど
嬉しいけど…
あなたしか頭にない日があるの
どうにかなりそうなの
どうにもできないの
どう片付けていいか分からないの
あなたの肉を思い出す
血まみれ姿を思い出す
あなたの中身を思い出す
あなたの最後の視線を思い出す
私を見ていた
なにか喋りかけていたよね
何を言っていたの？
最後に私に何を伝えたかったの？
知りたい
私、そっちにいってもいいかな？
何もできなかった
あなたの終わりを見ていただけ
情けなくて
情けなくて
情けなくて
情けなくて…
殺したい
やっぱり殺したい
あいつを殺したい
今も生きてるんだろう
私の憎悪
全てあいつにくれてやる

帰ってきた
静か
予感はしていた
そうだよね
あんなことしたんだもん
裏切りだよね
誰もいなかった
私に居場所はなかった
いや、私が居場所を手放した
私から離れた
信じてくれたのに
家族ができたのに
大切にしていたのに
大切にされていたのに
私から離れた
じぶんかって？
自分勝手だよね
でも
信用してほしかった
私は死なない
待っててほしかった
守りたい
彼女とあの子を守りたい
私には守れる
私は強い
凄く強い
ここに帰ってこれた
何人も殺して
指を2本失った
帰ってこれた
呪縛からの解放
これでいいの
次に進む
必要なのかな
今の私って必要なのかな
大丈夫
私を信じてみる