見出し画像

ガイムソウナーフの理由とナーフ後ND環境について考察する

0.はじめに

こんにちは、liliと申します。

今日は、昨日ナーフが発表されたカード《怒英雄ガイムソウ》がナーフされた理由と経緯、今後の環境に与える影響について、こちらで考察していきたいと思います。
今後の環境に与える影響については、既に別のnoteの追記部分でも考察していますが、あちらはモルネク視点だったため、今回はより俯瞰的に環境を見た際の意見になります。

実際にこのカードが採用されていたデッキ「モルトNEXT」を前期使用していた人間の視点から考察・検討していくので、ぜひお楽しみください。

1.そもそものガイムソウがナーフされた理由と類似事例について

・そもそもガイムソウがナーフされた理由について

まず、公式サイトに記載されているガイムソウのナーフ理由の説明について確認する。

最初はえ、これだけ?と思うが...?

一応元サイトも記載しておく。
この文から読み取れるのは、

・「モルトNEXT」デッキの使用率は、ND/ADの両ランクマッチにおいて20%を超えている

・「モルトNEXT」デッキの使用率は両divisionの中でも群を抜いており、次点のデッキに対してそれぞれ使用率で5〜10%の差をつけている

・《怒英雄ガイムソウ》は、《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》を経由することで4ターン目の決着の再現性向上に貢献する

→これらのことから、この機会にガイムソウをナーフする

これらの情報である。
これらの情報だけだとナーフ理由が掴みづらいため、前例を踏まえた筆者の独自見解も絡めてではあるが、解説したいと思う。

・使用率関係の話と前例について

まずは、ナーフ理由の1つ目と2つ目にある、「20%前後の群を抜いた使用率」について触れる。
まず結論から語ると、

・勝率についてはあまり見ず、使用率を重く見たナーフ自体は既に前例があり、今回のガイムソウナーフは突飛な理由というわけでは無い

・今回のナーフのキーワードは「環境の流動性」であり、この「流動性」を重く見たナーフは過去に既に前例がある

である。
これらについて詳細をこれから前例の解説を交えて説明する。

一見すると「勝率は問題ないんじゃないか」だとか「これだけでナーフ対象に選ばれるのか」と思う人もいるかもしれないが、過去に勝率があまり高く無いにも関わらず、使用率の観点からナーフ対象に選ばれたデッキは過去に存在する。
それが、ADの「バルガライゾウ」(ロマネスク殿堂前)である。

君モルネクと色々似通ったとこない?気のせい?

当時規制のメスが入ったカードは、《龍仙ロマネスク》。

19弾でぶっ壊れた1枚


何故ライゾウではなくこのカードが規制の対象になったかについてだが、それは当時のライゾウの主軸の動きだった《龍仙ロマネスク》と《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》を組み合わせた動きが不健全だと判断されたからでは無いか(そしてそう言われても文句は言えなかった)と考えている。

君大概イカれたこと書いてるからね???


この組み合わせの動きはとても簡単。

1.4ターン目までに《メンデルスゾーン》や《龍の呼び声》を使ってマナを6まで伸ばす
2.《龍仙ロマネスク》を着地、マナを10まで伸ばした後に次のターン蘇生したい大型ドラゴンを墓地に落とす
3.《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》を着地、相手のクリーチャーを1体破壊しながら2で墓地に落とした大型ドラゴンを蘇生する

ミラーは先にこいつを出した方が勝つゲームだった

要は5ターン目にゲームエンドクラスの巨大ドラゴンが着地して、何かしらの強烈なロックをかけてくるのである。
当時の「バルガライゾウ」はライゾウを出すよりこの動きを決めた方が安定して勝てる対面も多く、そのためこの動きの軸であった《龍仙ロマネスク》が規制対象になったと考えられる(運営的に、《超天星バルガライゾウ》自体のナーフは望んでいなかったのもあるだろうか)。
当時のナーフ理由は以下の通り。

日によってではあるが、モルネクの使用率より高い

このナーフ説明文で触れられた「流動性」というキーワードが、今回のモルネクのガイムソウ規制にも当てはまるのではないかと考えている。
要は運営視点、「モルトNEXT」と言うデッキは圧倒的人気とそれなり以上に勝てる強さを持ち合わせているため、放置しておくと環境が25弾リリースまで「モルトNEXT」と「「モルトNEXT」に勝てるデッキ」と「「「モルトNEXT」に勝てるデッキ」に勝てるデッキ」の三極化し、停滞するのではないか(そして、紙の歴史から見るとこの構図は25弾環境でも続くどころか悪化する可能性が高い)と危惧したのでは無いかと考えられる(特にNDはこの傾向が強くなると考えられる)。
一見この構図はメタゲーム自体は循環しているため健全なように思えるが、今後想定される強化を踏まえると運営視点「モルトNEXT」が軸となっている環境は危険だと判断したのでは無いだろうか。
しかし、24弾の看板商品とも呼べる「モルトNEXT」自体をナーフするのは(商業的な観点からも)できず、次点として「モルトNEXT」の対応力と爆発力を引き上げていた《怒英雄ガイムソウ》にナーフの白羽の矢が立ったと考えられる。
これが、筆者が前例を踏まえて考えるガイムソウナーフの理由である。

・筆者が推測する「運営の想定外」について

次に、ガイムソウとジャックポットエントリーの関係性について触れる。
あのナーフ内容を見た多くの人は「いや、モルト王の早出しの動きはデザイナーズコンボじゃなかったのかよ」と内心ツッコミを入れた方も多いと思われるが、筆者の見解としては

モルト王を357の動きで5ターン目に出す動きは運営が想定していたデザイナーズコンボであったが、246→ジャックポット・エントリーでガイムソウを出してモルト王やモルトNEXTを出す動き、もっと言うとその動きがちゃんとデッキになるかどうかは運営が想定していたがどうかは怪しい、もしくは動き自体は想定していたがここまでの使用率になったかどうかは運営が想定していたかどうかは怪しい

である。
一見そんな訳あるかいと言いたくなるが、大地サイクリカの前例を考えるとあながち否定できないところがあるのでは無いだろうか(こちらについては「今回同様」運営視点別の理由もあると思われるが...詳しくは後述)。

実際、「24弾+レジェプレ2024までは」ジャックポットエントリーとガイムソウの相性が悪いのは事実だったと考えられる。
理由としては、「モルト王」というデッキタイプと《ジャックポット・エントリー》の相性自体噛み合わないことが多く(龍軸にすればまだマシだが、「モルト王」の「モルト王やガイグレンでフィニッシュを決める」という動きとはガイムソウを引けないと噛み合わないところがあった)、受けも安定したキルターンの割に弱くなるところからまだ許容だと思われていたのだろうと考えられる。
しかし、「モルトNEXT」は違った。
このデッキにおける《ジャックポット・エントリー》は、デッキ内の「モルト王」以外のほとんどのドラゴンを引っ張り出せるスーパーカードであり、「ガイムソウ+モルト王」の動きが仮にできなかったとしても、モルトNEXTを出せればバトライ閣だとかハートバーンを置ければ大体勝ちに直結するため、ジャックポットの当たりが増えたのである。
そしてこのデッキのジャックポットが絡んだ時のビッグアクションターンは基本4であり、それが運営視点では不健全だと判断されたのかもしれない。
また、ガイムソウの1番の危険な点はモルネク使用者視点では「モルトNEXTに器用さを与えた」ところであると考えており、例えばグリージーホーンによる2面処理やバトライ閣を絡めたドラゴン展開しながらの攻撃や撤収はこのカードが絡むことで実現したものである。
特に「モルトNEXTにSAを付与した後回収して使いまわせる」という点が運営に危険視されたのでは...と筆者は考えている。

・理由として書かれていない裏の理由について考察する

実は筆者は、先程までに挙げた理由以外にももう一つナーフ理由があると考えている。
それが、「大型コラボ前ナーフ」である。
そもそも、このゲームはコラボ前に何かしらの環境調整が入ることが多く、具体的には前回のにじさんじコラボ第4弾と同時に、「大地サイクリカ」で環境を暴れ回っていた《母なる大地》がナーフされている。
では、今回そこまで上位帯にいなかったが理不尽さはNDのデッキで群を抜いていたと思われる「モルトNEXT」が事実上ナーフされた理由は何か。
おそらく、何かしらのコラボ前だからという可能性が有力である(メンテナンスと同時にナーフが施行されるのもあり)。
ちょうど本日の公式生放送で次のコラボが発表される予定であるのもこの説の信憑性を高めているのでは無いかと筆者は考えている。
そのコラボが何なのかは全くわからないが(筆者は時期や事前情報的にホロコラボ2弾かタカラトミーコラボと読んでいるが、果たして...)

ここまでの話やナーフ理由をまとめると、

・使用率重視でナーフされるのは過去に前例がある
・ガイムソウの使われ方については、モルト王との組み合わせまでが想定内で「モルトNEXT」での使われ方は想定外の可能性がある
・そもそも新規を呼び込むつもりのコラボが近々来るため、その前の環境整備目的で消された可能性がある


である。

2.ガイムソウナーフ後のND環境について考察する

・「モルトNEXT」が弱体化して得をするデッキとは

結論から言うと、「黒単」と「サインシュゲ」の2つであると考えられる。

Q.E.D.+Cup2位のデッキ


Q.E.D.+Cup1位のデッキ

この2つのデッキに共通しているのは、

・モルトNEXTの上振れに対処しきれない時がある
・前期レート1800超えを輩出している=使い手の練度次第では最終1位を取れるポテンシャルがある


であり、要は「モルトNEXT」が弱体化され、上振れが減るとこの2つのデッキはより環境での立ち位置が良くなると考えられる。
サインシュゲに関しては、キーカードである《超合金 ロビー》がナーフされなかったのも大きい。

こいつも地味にナーフ望まれてたんだっけか?

また、モルネクのグリージーホーンやモルト王による盤面処理が痛手だった「白単サザン」や「白単天門」も今後環境でより存在感を示すようになると考えられる。

何気に先4ガイムソウモルネクの盤面処理が辛かった
ゴールドレイユが盤面に残りやすくなりそうのは大きいか?

いずれにせよ、《怒英雄 ガイムソウ》のナーフはND環境を大きく動かすと思われる。
なお、モルネク自体の構築や立ち位置の変化は筆者が書いた別noteで記載しているので大筋は割愛する。
ただ、言えるのは「明らかに「モルトNEXT」の環境での立ち位置は悪くなる」である。

3.終わりに

以上が《怒英雄ガイムソウ》ナーフの理由とナーフ後環境の考察になります。
いずれにせよ、ナーフ後ND環境が大きく動くのは間違いなさそうです。
今のうちにモルネクを使い倒すのも手かもしれません。
もし何か不備がありましたら、前回同様筆者のX(@lili4161)にお伝えしていただければと思います。
よろしければ、Xでのこのnoteの拡散やスキを行っていただければ幸いです。
では、次のnoteでお会いしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?