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「あ、死ねる」

普段は能天気で横断歩道の白線だけを歩く遊びなんかをやる人間である僕にも、年に一回くらい、「あ、今だったら死ねるな」と思う時がある。
「死にたい」ではなく、「死ねる」なのがミソだと思う。
別に嫌なことがあったわけでもない。悲しくて消えたくなったわけでもない。
ただただ、「今だったら死んでもいいな」と思うのだ。
それほどネガティブな感情ではないと自分では思っているし、時が止まった水面のように穏やかな心持ちのまま「あ、死ねる」と思うのだ。
まあ、強いて言うのなら、「ぼんやりとした不安」のような感情がないでもない。将来、大きな綺麗な家に住むのはなんだか無理そうだし、好き放題旅行に行けるようになる日も来ないだろう。食べたいものを食べ続けることも、友達と楽しく遊び続けることも、たぶんできない。
ないないづくしの未来が見えてる。仮にいつか子どもができたとして、自分が死ぬ時にその子どもが泣いてくれるとは到底思えない。というか、そもそも葬式ができるかわからないレベルだ。
そんな風に思うと、「別に死んでもいっかな〜」と思えてくる。
逆に言えば、それがたったの年一回であるところに、僕の底抜けのポジティブさが表れていると思う。白線の上を歩いたり、わざとなにもないところを二度見して周囲を惑わせたりすることに忙しくて、基本的にはあまり「死のう」とは思わないのだ。
もしも死にたいとか、死んでもいいなーと思うような人がいたら、ぜひ生活の中に遊びを取り入れてみて欲しい。
そうだな、例えばこんなことから始めてはどうだろう……

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