焚き火を囲んで
「見てるだけで落ち着くね」
「うん」
中学の時仲のよかった友達と20年ぶりに話した。
あまりにも久しぶりすぎてびっくりしたけど、同じクラスだったこの人にはいろいろな自分を知られているからなのか、取り繕う必要もなくただ返事をすればいい。
「元気?」
「うん」
「ふーん」
とにっこり。私もにこっ。
この人はすごい、中学の時から夢は「バリバリの漁師」それを今も続けている。
「今も船にのってるの?」
「うん」
「おめさんは?」(方言で、あなたは?という感じ)
「あーいろいろ」
「そうなんだ」
また、笑う。
「シソンヌって知ってる?」
「ああ、おもしれぇよね」
「やっぱりね、お笑いのつぼが似てるもんね」
それからコントの話でゲラゲラ笑った。
「海って怖くないの?、今さらだけど」きいてみた。
「いや、怖い時もあるよ。でもさ真っただ中にいる時って気づかないんだよね」
「えー、あそっか、なんか深いねぇ」
「まぁ、よくやってるよな、あと半分ぐらい(寿命)あるかもな、まぁひとまずよくやってきたよな」
「そうだねぇ、自分をほめようよ」「よく生きてきたねって」
そう言って笑うと、「なんかリアルシソンヌのコントみたいだね」と恥ずかしくなってまた笑った。落ちには至らないが(笑)
私が何者かなんてどうでもいい(興味もない)ただ火を囲んで純粋な心を感じる。
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