#4人の子供たち

『…偉大なる、サラディー候よ!』

『…美しき大陸の統一を成し遂げる者よ!』

『…先代からの悲願を成し遂げる者よ!』

…天下分け目の大決戦であった、モラード川の戦いが、
完全なる勝利に終わってからというものの、
国中のサラディー候への称賛は、止む事がなかったと言えよう。

…。

この戦い以降、両勢力間における力のバランスは、
大きく崩れつつあり、サラディー候による、
悲願の大陸統一の気運が、非常に高まる事となったのであった。

北の大国を率いていたドラキ候は、敗戦後の大きなショックから
立ち直る事が出来ずに、長く、病に臥せていた。

そんな病に苦しむ、ドラキ候の現状を観察していた重臣たちは、
常々、頭を悩ませる日々が続いていたのである。

ドラキ候が束ねていた重臣たちにおいては、
ドラキ候が、万が一にでも死去した場合を見据えた時、
その後の後継者争いにさえ、発展しかねないという、
非常に重大な、内部問題が生じていたと言えるだろう。

ドラキ候の息子たちは、全部で4人。

長男 セルジュー
次男 バナン
三男 アーシン
四男 マドゥ

ここから先は

1,679字
この記事のみ ¥ 222
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?