#025
…『栄光の落日』…。
(えいこうのらくじつと読む。)
このタイトルを聞いて、まず思い浮かべる事がある。
僕にとっては、苦手なタイトル名である。
当時学生だった僕は、このステージをプレイしていて、
大変、大きなショックを受けていたからだ。
ここまで、連戦連勝を飾ってきた自軍が、
文字通り、全滅していく様を、まざまざと見せつけられた。
最期は、戦闘能力がほぼ皆無な戦艦までもが、
完全に撃沈され、僕の夏は終わりを告げた。
自軍は、完膚なきまでに叩きのめされたのだ。
このゲームは封印され、その後、長い年月をかけて
大人になるまで、再開する事は無かったのである。
大人となった今でも、苦い記憶として、よく憶えている。
その後、ゲームに再会した時、僕は自軍を駆使して、
徹底的に敵軍を撃破、
逆に完膚なきまでに叩きのめす事に成功した。
この時僕は、
あの頃の自分を乗り越えたのだと確信するに至った。
『栄光の落日』
このタイトル名を目にした時、未だに少しだけ、
ドキドキしている自分がいたりする。
もう、敗北する事はあり得ないと知りつつも。
THE END
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