「小品」を吹こう!#1《ボザ/アリア》
こんにちは!管理人のさとうです。
いつも自分のプロフィールの肩書に迷ってしまいます。フルート奏者、フルーティスト、笛吹、フルート講師、フルートレスナーと言い方はいろいろありますが、普段は講師としての顔が主で以前は依頼を受けて謝礼を頂いていたこともあるけれど、今は自分が演奏したい曲を集めた自主企画コンサートで活動しているので、これといった型にはまったものではないような気がしてました。ですので、これからはフルートというくくりにしたいと思います。まるで自分がフルートみたいですが・・・。
さて、noteでは【「小品」を吹こう!】というシリーズをマガジン化してみようと思います。
ここにはその作品のWikipediaのような解説とかではなくて、作品から受け取ったことや気を付けたこと、練習方法などをお話したいと思います。
大曲と言われるものでは無いですが、フルートにとっては多様な課題が詰まっていますので、小曲でもワンポイント気づくことで得られるものが沢山あると思います。
そして、取り上げていく作品は私が活動しているクラシックユニットの
Farbeがコロナ問題により演奏会の開催が中止になり、動画配信をすることになり、そして今後の動画内容はFarbeのガチクラシックなものより、もう少し気軽に楽しめるものにしようと言うことになりました。
動画の中でのMCはせずこのnoteで綴っていこうということで始めます。
では、早速「小品」シリーズの第1回目のボザ作曲「アリア」を取り上げます!楽譜は以下のAlphonse Leduc版を使用。スマホで撮った画像なので若干斜めになっちゃってますがご容赦ください。
※この出版社のものは総じて料金高めですが今のところこの版のみの販売
只今ムラマツで紹介されているページ
作曲家と作品の簡単な紹介と印象
Eugène BOZZAーウジェーヌ・ボザ(1905年~1991年)
///ウジェーヌとかボザとかどちらも名前自体の響きが好きです。///
アップした動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=PTfBM49qah4
このアリアはフルートの他にヴァイオリン、クラリネット、チェロと弦楽合奏用にボザ自身が編曲していますが、最近ではサックスフォンでの演奏動画で多く見受けられます。サックスも素敵ですよね。
フルートの曲ではソロのための「イマージュ」や、フルート四重奏曲の「夏山の一日」などが有名ですが自分はこのアリアが最も好きです。
速度
Andante ma non troppoー歩く速さで、しかしはなはだしくなくーという速度表記がされてます。結構遅く演奏しているものもたくさんあります。
Andanteの速さとされているのがメトロノームで76~108となってますので、はなはだしくから推測するとこの範囲からはみ出さない、または前後少しなら良いのではないかと思います。どちらかと言えばゆっくり目に設定が良さそうです。
皆さんはどれくらいの速さで歩いてますか?私は普段早歩きだからなのかわかりませんが(笑)少し早めです。
以前は私も76くらいのゆったり目で演奏してましたが、今回は少しコンパクトに演奏してみたく86~92くらいの自然に流れていくテンポにしてます。以前よりルバートも少なくあっさりめにしてしまいましたがどうでしょうか?
音のダイナミックスの範囲がpppからffになっていますので、息の長さも考慮に入れて指定のブレス位置をフレーズの流れを壊さない程度少し変えてます。
音域と表情
オリジナルであるスコアに書かれているメロディ楽器の音域は低く記されてますが、フルートのパート譜では1オクターブ上になってます。フルートがpで始まっても引き立つ音になってますので、ピアノとのバランスは取りやすいでしょう。
出だしの音は自分がイメージする音を用意して息を流していきます。
そうやって進んだ先、12小節目でクレッシェンドしすぐに高音のEbへppで始めなければなりません。表情を壊さないように慎重に上がらなくてはなりませんが、EbなのでEを出すよりも楽に出せると思います。
難しいですが、この曲の美しさはここに出ていると思いますので力まずに頑張りましょう(^^♪
それから強弱記号が割と細かく指定されているのでそこは注意深くよんでいきたいところです。昔あまり深く考えずに吹いていた箇所に今回は注目したところがあり(下の画像)強弱というよりもピアノが違う和音に切り替わるのもありピアニストのアドバイスも頂き少しdim.しつつ若干一旦閉じる気持ちで、しかし次へ向かう感じにしました。
そして、極めつけのブレスコントロールを必要とするのが最後のTempo Iでメロディーの再現部に入りますが、この3小節前から「Cedez un peu」となっていますので速度を落としdim.の後Tempo Iに入ります。Tempo Iの小節の入りがpppの指定になっているので「立ち止まるな!」と言われてるがごとく、ここで息は取らずに先へ移ります。
そして、最後7小節間で最後のfが入ってます💦ので実際の大きさというよりも音色やビブラートを工夫して最後はpで伸ばして終わります。
この曲のポイント
アリアですので静かにしかし表情豊かにゆったり歌い上げる表現が必要になります。ブレスコントロールやダイナミックスの練習にも利用できそうです。喉で息を止めていないか、身体が固くなっていないかのチェックをしながら長いフレーズを歌うような気持ちが良いと思います。
それとインターバル(音と音の間隔)を途切れることなくレガートで、音程を保ってfから直後にpやppで跳躍するなどの練習も必要ですね。そのためにも、日ごろからハーモニクス(倍音)の練習をすることをお勧めします。
それぞれの練習方法ですが人により文字から受ける印象が違うのと、アドバイスも人によりますのでここでは割愛させていただきます。しかし、私が作品を通した練習法は後日アップできたらと思います。
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