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「小品」を吹こう!#4《バーバー/カンツォーネ》

こんにちは!フルートのさとうよしえです。

最近新たにいろいろなことをやり始めてちょっと一杯一杯になってますが、新しいことに取り組むことなので矛盾してますが楽しんでいます。今までになく沢山の小品を勉強しなおしたり、以前には見えなかった部分も私なりに発見したり。

noteでは音楽の基礎知識がちょっとあり(ドイツ音名とか調整のこと等)そうな方とか、譜読みって何?という人のために沢山の小品を取りあげポイントをかいつまんで解説しています。

「らららクラシック」も良いけれど、ここはフルートとピアノの為のワンポイントなので、あるところでは浅かったり、あるところでは、へ〜!となるようなことがあったりしていることを目指してます。

ですので、肩の力を抜いて読んでいただければな〜と思います。

さて、4曲目はバーバー作曲カンツォーネです。

カンツォーネとはイタリアの歌のことで広く民衆に愛唱される歌謡の総称ですが、この曲を聴く限り近代においてのこの定義はそれよりは、浪々と歌い上げる曲・・・ととらえるべきなのかもしれません。

配信した動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=gQqDI4SWxw8

使用した楽譜↓

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バーバー自身が非常に気に入っている曲?

バーバーという作曲者の名前は音楽業界でよく知られていますが、もしかしたら、一般の方には馴染みが無いかもしれません。しかし、最近良く動画で見かけるようになりました。YouTubeのおかげでいろんな作曲家を知ることとなりましたね。

この曲の元をたどると...以下ムラマツサイトでの楽譜紹介文を引用します↓

1957年に作曲されたオペラ「ヴァネッサ」はアメリカで成功を収め、........その頃に出会ったアマチュアでフルートを吹くドイツ人の学生 Manfred Ibel のために作曲された「エレジー」は、バーバー自身、たいへん気に入っていたようで、1962年に作曲された「ピアノ協奏曲」の第2楽章にも転用され、「ピアノ協奏曲」と同時に、ピアノ伴奏のフルート・ヴァージョンも「カンツォーネ」の題名で出版されました。

ピアノコンチェルトではハープの伴奏にフルートが入り、その後オーボエに渡し、フルートとオーボエの対話になります。その後にピアノが加わり、フルートとピアノ、オーボエとピアノの対話を経ます。後半はオーケストラとピアノによるドラマチックな演奏が展開されます。

私はこういう雰囲気のある響きの曲がとても好きで、ファルベコンサートVol.2の中で取り上げることになり楽譜を購入しました。

しかし、今再度取り上げてみて、このメロディーの浮遊感は2020年の心の風景にマッチしているように思えます。

フルートの低音をうまく出したい

初っ端から低音のE-C♯-E-C♯-E----というフィンガリングで始まります。このフィンガリングはフルートでは結構難しく、きちんと音にならないのですが、力むとかえってなりませんので、とにかく特に肩と肘に力が入りやすくそこに注意を払う必要があります。

EからCisキーへ小指を滑らさせて移動する練習が必要です。
この練習にはトレバーワイのフルート教本2「テクニック」がお勧めです。

※私は最初の版で買いましたのが、現在は改訂新版で高くなってしまいましね(-_-;)

この教本の始めに低音での小指の練習が並んでいますが、1番だけでも毎回やっておくと随分と違います。

私は普段からこの練習を2~3分程度取り入れてますが、それでもリングキーに至っては塞いでいたはず穴に隙間が空き鳴らないというアクシデントを何度も経験しています。
この練習は私の生徒たちの指導にも取り入れています。

鳴らそうとすると喉にも力が入りやすくなります。アンブシュアは緩めず息のスピードを落としてゆっくり吐く(意外とできない息のスピードの調整)。

どうしても、低音だからアンブシュアが緩くなって口の中を大きくしてしまいがちなので、そこも意識を置いて観察しながら音を出してみてください。アパチュアが大きくなってしまうと息も続かず、音程が下がってしまいますのでご注意を。

ピアノとの対話

先にも書きましたがこの曲はピアノコンチェルトです。ピアノとの対話を楽しむ、浮遊感のある音色を工夫します。

ピアノコンチェルト版を聴くと非常にゆったりとしていて、とても神秘的に演奏されています。この2楽章の存在は次3楽章をより引き立てるものとなっていると思います。コントラストが非常にはっきり伝わります。

フルートとピアノのためのこのカンツォーネは、独立した作品となっていますので各旋律がひとつひとつ終わってしまうようなことが無いよう、その先の方を見て演奏するのが良いですね。

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