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「小品」を吹こう!#7《ウッダール/セレナーデ》

暑い暑い夏・・・終わった・・・という感じですね。なかなか暑すぎて何もする気にならずにちょっとアップが遅れてしまいました、ごめんなさい。

今日は前回のシュルツに続くセレナーデでウッダールの作品です。

この作品は以前は特に演奏したいな、とはならずにいたのですが、数年前に高校生の生徒がとっても好きだというのを知って改めて譜読みをしてみた作品です。勉強してみると本当に良い曲だな、と素直に思いました。

今回使った楽譜は「鈴木メソッド・フルート、Vol.3」を使わせていただきました。というか、これしか持ってなくて新たにピースで購入も考えましたが、驚きの高さで見合わせました💦
以前にも記事にあげたのですが、この鈴木メソッドシリーズは廃版?になってるのでしょうかね?ムラマツの楽譜検索にはちゃんとリストにありましたけれど在庫無し、となっていたのですが、私はこのメソッドは良い教材だと思ってます。(2022年12月現在は在庫希少となっているので出版はまだ続いてますね・・・)

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さて、それではいきます!

ピアニストの夢を純粋に持ち続け実現させた作曲家

とても素敵な曲なのに作曲家についてよく分からないという作品は結構あるものですが、このウッダールもその中にあります。

ムラマツの通販サイトはありがたいことに解説が載っていますのでurlと記事の一部を引用させていただきます。

URL  http://www.muramatsuflute.com/shop/g/gG17023/

最近の資料によれば、アーサー・ウッダールは、イギリス中部の炭鉱業の盛んなスタッフォードシャーの鍛造工の大家族に生まれ、17歳の時には鉄工として登録されていましたが、ピアニストへの夢を持っていたようです。彼は地元の合唱団の指揮者やピアニストを務めるうち、ハレ管弦楽団首席を務めていたオランダ生まれの名フルーティストEdward de Jongの伴奏を引き受けるようになります。de Jongの計らいにより、フルート製造ルーダル・カルテ社の楽譜出版シリーズのなかで、1907年に「セレナーデ」が出版されました。

ムラマツ楽譜検索より引用

とありました。

何か素敵な経歴ではありませんか?!

いつピアノに出会って、ピアニストへの夢へ繋がったのでしょう?そして、その夢をずっと持ち続けて夢を実現させてしまいました。また、このセレナーデの他にも「子守唄」という曲も出版されているようですが、これはピアノの曲なのか、はたまた別の楽器の曲なのか調べられませんでした。

この鈴木メソッドの楽譜への指示を見ると、この曲を有名にしたフルートの神様と謳われた故マルセル・モイーズの解釈と思われるものが記されています。ですので、できる限りその記載の通りに演奏してみました。

曲の構成

最初はF-durの8分の9拍子。

セレナーデ(小夜曲)らしく"grazioso"とあるように優雅にゆったりとした3拍子の曲のように。しかし、八分音符の刻みもしっかり感じながら流れるように歌い上げます。

C-durに転調すると音が活発に動きだします。ここは少し前へ前へ進んでフレーズをコンパクトにまとめます。

間も無く"espressivo"(表情豊かに)の指示がありますが、ここはフルート吹きにとってはとても気持ち良く響かせられる部分です。

前後の音の並びで替え指を使う

さてここはいろんな解釈がありますが一人2役を担って分散和音の方を伸びやかに吹いてみました↓

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それと、私がすぐ上の段に③という数字を書きましたが、高音のF#は通常右手の薬指を使うところEからのつながりを綺麗に出すために中指を使います。

これは日本フルートクラブ版のアルテの2巻の替え指の課題のところの運指に従った数字です。正しくは数字に〇が付いてるものは指を解放させておくと思うのですが、これは自分仕様です。

私は今でも時々音が出なかったりする事故がありますのでこの替え指はありがたく使わせてもらってます。

カデンツはフルートの主張する場

さて、進んで行くと今度はまたF-durに戻りますが、ここはテーマへの回帰に向かう繋ぎで、フルートの短いカデンツに入ります。

カデンツに入る前のフェルマータの音に入る手前からアンブシュアが崩れてしまいちょっと音程がフラットしてしまって残念な結果💦唇と息のコントロール、日頃からの練習不足が・・・・😞

小品にカデンツが入った作品はさほど多くないと思いますが、フルートの聴かせどころなので"rapid"(急速)とあるように、できるだけ早く演奏します。6連符が連なってますがここは4個のずつのブロックを意識していくとわかりやすいと思うのですが、これが正解というものはありませんので、自分が分かりやすいブロックを感じて吹いても楽しそうですね。

カデンツの着地点のフェルマータにはlungaと書いてますので、本当はもっと長くのばしたいところですが、少し長い間を取ってもその表現ができると思いますので、私はこちらを採用してます。

そしてまたテーマへホッとした雰囲気で戻ります。

まとめ

いや、とにかく良い曲ですね〜。

何か作曲家のピュアな想いが伝わってきて、とにかく気持ち良いです。

値段がちょっと高めのもありますが日本フルートクラブ版のアルバムもありますので、他の曲にも興味ありましたら是非入手してレパートリーにされることをお勧めいたします。

いろんな方がこの曲を動画に上げているようですが、版によってアレンジされているのか、繰り返しが付いていたりしてますね。私が取りあげたものはマルセル・モイーズ版だと思います。というか、モイーズが編曲しているのか、それとも原曲そのまま吹いているのかは分からないので、そこまでご存知の方は是非コメント欄へ情報をお寄せ頂けると嬉しいです。。

今後私の教室でもレッスンで取り上げようと思ってます。

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