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【映画】THE FIRST SLAM DUNK

どの世代でも「時代を作ったスポーツ漫画・アニメ」ってのがあると思います。古くは「巨人の星」や「キャプテン翼」、最近だと「ハイキュー!!」や「弱虫ペダル」「黒子のバスケ」あたりかな?そういうスポーツ漫画の中で、燦然と輝く金字塔が「SLUM DUNK」だと思います。

連載開始は1990年と、実に30年以上前の作品。私も当時はリアルタイムでジャンプを読んでいまして、毎週楽しみにしていた作品です。一度アニメ化されてもいます。まぁ、アニメは裏番組の人気に負けた面と、当時の作画レベルで原作の迫力を再現できていない面とで、なんとなくファンの間では黒歴史的に扱われることが多いようで…。私もアニメ版はいまいち好きになれなかったです。(なお、ネットでは版権トラブルとの話もありますが、真偽不明なのでピックアップしません)

そのアニメが打ち切りになったせいで描かれなかったのが「山王戦」です。作品の中で最高潮に熱い試合。これが現在の技術で映像化するなら観ない訳にはいかないでしょう!

結論から言うと「井上雄彦の漫画が、そのまんまの世界観と画力で縦横無尽に動き回る」です。もう、それだけで最高でした。

何故今になって映画化?

30年経過した作品が今頃映像化して、それが歓迎されているこの事態。これは面白い現象だなと。で、すこーし考えてみました。

  1. 当時のファンが「クリエイター側」に回った
    当時、中学生や高校生で読者サイドだった人々が「作品を生み出す側」の年齢になっています。人間は「14歳の頃に聴いていた音楽が、その後の音楽の好みを決定づける」という話を聞いた事がありますが、漫画もそうでしょう。人格形成の時期に受けたインパクトは大きいものですよね。

  2. CGの発展により、原作の世界観を崩さない映像化が可能になった事
    先述のアニメ版の評価は散々なものです。井上雄彦原作の精緻なタッチ、斬新なアングルの迫力はアニメでは再現できていませんでした。当時は今のようなCGも使われていませんので、アニメの制作は人海戦術。多大な労力を手作業で行っていた点を考えると致し方ないのかもですが…。

    が、最近のアニメの作画技術は凄いです。「進撃の巨人」の立体起動装置でびゅんびゅん飛び回るシーン、「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画的な演出を取り入れたシーン、記憶に新しいところでは「鬼滅の刃」の宇随天元超速バトルシーンなどは、昔ながらの制作方法じゃ無理だったかな。

  3. 90年代の作品が受け入れられる土壌が形成されている
    このSLUM DUNKのみならず、90年代前後の作品の映像化は最近多いように思います。「ジョジョの奇妙な冒険」「ダイの大冒険」「うしおととら」「スプリガン」などなど…。

    ネット隆盛になって音楽もそうですが、新しい作品と古い作品をあまり区別せず、シームレスに楽しめる層が増えているのではないでしょうかね。
    サブスク映像配信サービス(NetflixやHuluやAmazon Primeなど)だと、新作も旧作も同じ感覚で触れることが出来ますしね。


映像化の意義

漫画とアニメの大きな違いは(勿論音のあるなしも大きい要素ではありますが)、時間軸の表現が可能な点だと思います。1秒を1秒として表現できるのは映像作品だからですよね。試合という「限られた時間」を表現するのに、漫画だと数週間(下手すりゃ数か月)経過します。試合の切迫感や臨場感を表現するのには映像作品は相性がいいです。原作を読んだ方、もしくは映画をご覧になった方はお分かりいただけると思いますが、終盤の1秒単位の攻防は「映像化されてよかった!」と思いました。

音に関しては(よくある手法ではありますが)、シュートを投げたあと1-2秒間無音になるアレ、めっちゃ好きですw

初見殺し?

この作品に限った話ではないんですが「THE FIRST SLAM DANK」は「作品を知っている前提」です。おそらく、この映画だけ観た人は「主人公は宮城リョータ」と考えると思います。桜木花道が、流川楓が、赤木剛憲が、三井寿が、それぞれそういう人物なのかは断片的にしかわからないです。湘北高校のメンバーも、安西先生も知らない。ひたすら試合の緊迫感と宮城リョータ回想のみで引っ張っていきます。

でもいいんです。これはおそらくは「とっくにSLUM DUNKファンだぜ」向けの作品だと思うのです。若い世代で、この作品で初めてSLUM DUNKに触れる方は「逆にここから掘り下げてみなよ」というスタンス?
そのくらい強気で問題ないと個人的には思いますw

音楽

OPはThe Birthdayの「LOVE ROCKETS」です。OPシーンめちゃめちゃかっこいいですよ!

EDは10-FEETの「第ゼロ感」、これも作品の終わりに相応しい感じだったなぁ。

おまけ

劇場の特典コースター、面白い仕掛けがありますよ!


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