【読書】綾崎隼「盤上に君はもういない」

「盤上に君はもういない」という本を読んだ。持病を抱えた女性が男性が多数派を占める奨励会を抜け、タイトル獲得に向けて挑戦する物語。こうしたハンディキャップを抱えた主人公が逆境に負けずにやっていく様を描くのはいかにも北川悦吏子風だと思った。

2021年2月時点で女性の棋士は存在していないが、これから現れる可能性はかなり高いのではないかと思っている。タイトルをとるというのはまだイメージがわかないが、そういう時代を楽しみにしている。

持病という点は村山聖という棋士を思い出さずにはいられない。あとどれだけ生きられるかわからないこそ、目の前の1局にかける思いが強いのだろう。

半分小説・半分現実という1冊であったが、将棋界はたまに想像を超えることが実際に起こるので、七冠制覇する女性の棋士が現れるなんてこともあるかもしれない。

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