【映画】アンモナイトの目覚め

映画「アンモナイトの目覚め」を拝見した。燃ゆる女の肖像が昨年に公開されていてそれを観たのでどうしても比較してしまうが、アンモナイトの目覚めの方が良かったという感想は残念ながら抱かなかった。以下、若干のネタバレを含みます。

この作品で、一方は10人子どもを産んで8人亡くしてしまい感情を失った母と孤独に暮らす女性、もう一方は鬱状態にあり夫に離れられた女性であり、互いに空虚を抱えている。その状態の2人がやがて距離を縮めるのだが、ここに相手が女性であるとか男性であるとかそういうことは関係ないのだなと思った。やはり人間は社会的な動物である。

一方、エンディングはなかなか皮肉なもの。自由を手にしているはずの主人公に対して、金の鳥かごで暮らすほうが楽しいに違いないとその自由を皮肉にも奪おうとする。何が幸せであるかは人によって違うため、良かれと思ったことがネガティブな帰結を生み出す例であると思われた。最後のシーンも展示物を挟んで右と左に分かれており、2人の断絶が描かれているように思えた。

決してPOPではないが2時間退屈せず観ることができた。それにしても全体的に曇りがちの映画だったなぁ。

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