【読書】村田沙耶香「消滅世界」

村田沙耶香の「消滅世界」を読んだ。村田沙耶香作品は特に性について自分が暗黙のうちに持っている前提を覆すような設定が痛快だ。ある人に恋愛感情を抱いて、性行為をして、親になったら夫婦としての関係性を結ぶという3つのステップを村田沙耶香は解体し、配偶者と別の人と恋愛することを自然なものにしたり、性行為なしに子どもが産まれるシステムを生み出すことにより性行為という概念をなくす。夫婦での営みは近親相姦として記述されるのも村田沙耶香流である。最後の展開は衝撃的でさすが村田沙耶香というか、やっぱりやってきたか…、という印象を受けた。誰か村田沙耶香作品での白色の扱いについて研究してほしい。

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