【歌舞伎】二月大歌舞伎

二月大歌舞伎に行った。前半は春調娘七種。片岡千之助演じる静御前が非常に妖艶。彼が女性を演じている様子は本当の女性に見えて大好きだ。後半は義経千本桜の渡海屋と大物浦。片岡仁左衛門の一世一代の演目。「碇を担いで入水する壮絶な最期は必見」とみどころには書かれているがまさしくその通り。碇の重さや入水への決意が表情、身体から伝わってくる。迫真という言葉がぴったりであった。また、笑顔も良かった。自分が観る片岡仁左衛門は悪役的な要素を含む役柄を演じる事が多い。そのため、演技中は穏やかな表情を見せることがほとんどない。一方、ここで見た笑顔は非常に穏やか。演技以外のときの仁左衛門の柔和な笑顔とマッチする表情を初めて演技のなかにみた。このことは逆に言えば、この演目を観るまでは役になりきった顔しか観ていないということなので恐ろしい。大満足であった。

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