【映画】君の鳥はうたえる

映画「君の鳥はうたえる」を拝見した。なんでこのタイトルであるのか分からなかったが、ビートルズの曲名であるようである。見逃してしまったのか、映画では紹介されていなかったのか…。いかにも邦画というけだるい少し暗い雰囲気の100分間であったが、眠たくならずに最後まで観ることができた。派手さはないが、自分にとって面白かったのだろう。

以下、ネタバレを含みます。君の鳥は歌えるが曲名であると知らないまま、そのタイトルの意味について考えていた。結果、主人公の「僕」が主張できるようになっていったということを意味しているのかと思った。主人公は、別れについてなあなあで良いじゃんという態度をとるし、別れを切り出されても受け流すという行動をとる点で、流れに流されるだけのちょっと無責任な人間であるという印象であった。

そのまま終わるのかなと思っていた所、最後のシーンではそれとは真逆のことが起こって驚いた。最後、主人公は恋人に別れを切り出される。彼女は信号を渡り、主人公はそこにとどまったままなので、2人は車道を挟んで引き裂かれる。こういうシーンは2人の関係性が断絶されてしまったことを意味すると思っていたが、最後の最後で主人公が横断歩道を渡って彼女を追いかけて、もう1度やり直そうと言う。今までの主人公は自分の人生を成り行きに任せているような印象を受けたが、このシーンは自分で自分の運命をコントロールしようとしているように思われ、その点で主人公の成長が垣間見えたような気がした。

この映画は自分の知人の中でも評判が高いが、大きなストーリーや事件があるわけではなく、悪く言えばぼんやりしている。出来事や方向性が明確な作品を好む自分としては100点満点とは言えないが、それでもなかなか面白かった。

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