【映画】ブラインドスポッティング

映画「ブラインドスポッティング」を拝見した。素晴らしい。黒人の人々がどのような思いで日々を送っているかは正直分かるはずもないと思っているのだが、この映画は観ている人の感情に訴える演出もされている印象であり観ていてちょっと怖い思いさえした。

私が気がついただけでも、黒人は少なくとも2つの方面からの目を意識して日々を過ごしているように思われる。1つは警察官である。隣をパトカーが走るだけで、自分が職質を受けるのではないかと思ってしまう。現場に居合わせただけで、自分が犯人であるかのような扱いを受ける。特に抵抗してはいないのに、警察官から拳銃を向けられる。これらの要素が組み合わさると警察官に対して恐怖を抱くのはやむを得ないと思ってしまう。

もう1つは、他の黒人からの目である。黒人のなかには警察官から不当な扱いを受け不満を抱えた生活を送っている者や、殺されてしまう者もいる。本作では、お墓の隣に黒人が立っているというシーンが印象的であり、故人となった他の黒人から「生きているお前は良いよな」というように思われているかも、と思いながら生きるのは辛いなと思った。

人種問題を扱った映画は社会派・硬派な映画になりやすいと思うが、本作はそうした一面も持ちつつも、スリリングな演出がなされており観ていて退屈(真面目モードになりすぎる)ということはなかった。観てよかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?