【読書】山本文緒「無人島のふたり」
「無人島のふたり」という本を読んだ。「120日以上生きなくちゃ日記」という副題にある通り、余命宣告された小説家が自らの余命を意識しながら記した日記である。「今日はこの小説を読んだ」という一文が重い。あと何日しか生きられないと宣告されたとき、自分はどんな音楽を聴いたりどんな小説を読んだりするのかを考えさせられる。書きたかった小説のアイデアも記されている。こんな小説も書きたかったけれどももう書けないから、誰でも書いてもらって良いですよとまで記されている。切ない。ちゃんと生きようと思わされる。「120日以上生きなくちゃ日記」という副題には生きることを志向する思いが溢れていて、「日後に死ぬ」なんて簡単には言えないよなと思わされる。
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