【読書】峯田和伸「恋と退屈」

峯田和伸の「恋と退屈」を読んだ。めちゃくちゃ面白かった。エモいという言葉を使いたくないけど、これはエモいという言葉が最適なんじゃないかと思った。衝動的に動いてしまう一面と後でそれを反省する一面とがうまい具合でバランスがとれている印象で、これが人間の弱さであり強さなんだよなーと思った。

本書に登場するあらゆる罰ゲームはなかなか強烈なので端折るとして、自分の中で1番記憶に残っているのはライブ後に女性ファンから写真撮影を依頼されるエピソード。峯田さんはそのライブに満足が行っていなかったので、写真を依頼してくるファンに対して「ちょっと有名なヤツだったら、写真を一緒に撮る相手は自分以外の誰でも良かったんだろう」と八つ当たりして写真撮影を断ってしまう。でもそのあとに反省して、女性ファンをしばらく探し続け、やっとこさ見つけて一緒に写真を撮る。最初の依頼の段階で快く写真を撮る人の方がよっぽど優しい人なのかもしれないけれども、このエピソードを見て峯田は優しい人だなーと思ってしまった。衝動的に動いてしまう動物的弱さを補ってあまりある優しさというかなんというか。

この本は15年ぐらい前に書かれた本だけれども、今の峯田とあんまり変わっていないと思った。そして15年たった2020年でも、本書でも度々登場するサンボマスターの山口さんと一緒にラジオをやっている。時間がたっても変わらないものって良いなと思った。

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