【読書】石黒圭「段落論 日本語の『わかりやすさ』の決め手」

「段落論」という本を読んだ。段落のない文章を読んで、それをいくつかの段落に分けてくださいという問題が呈示されて、その後にどのように段落が分かれるのが妥当であるのかについての解説がなされるなど、新書でありながら実践的な解説がなされている印象で面白かった。というか、本で学ぶよりもゼミかなにかで学びたいとさえ思った。興味深いと思ったのは2点。

1点目は日本語・英語における段落に対する考え方の違いについての考察である。曰く、日本語は読み手が文章をより理解しやすくるするために段落を設けるという点で読み手ファーストの段落構成であるのに対して、英語は書き手が文章の構成を考えるために段落を設けるという点で書き手ファーストの段落構成であるという。少しずつ分かりやすい日本語を書けるようになってきたかなと思いつつ、英語は未だにうまく書ける自信がないが、こうしたパラグラフ・ライティングの手法で書いてみたらうまく書けるかもしれないという根拠のない自信だけはついた。

2点目はパラグラフ・ライティングとパワポの関連である。パワポは基本的に箇条書きであるが、最初に大きなトピックを呈示してその下に詳細な説明を呈示するという構成はまさにパラグラフ・ライティングである。但し、パワポは1枚1枚聴衆に呈示するしかなく、全体の構成を見せることができないという限界がある。これらの点、今まで明示的に考えたことはなく面白かった。

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