【コンサート】Golden Circle Special いつかの僕らの夢、星になれたかな

「Golden Circle Special いつかの僕らの夢、星になれたかな」に行った。出演者は寺岡呼人、桜井和寿、はっとり、長屋晴子の4人。以前からマカロニえんぴつのはっとりの声とミスチルの桜井さんの声は似ていると思っていたので、この2人が同じステージで共演するまたとない機会と思ってチケットに応募した。

セットリストはこちらの通り。以下、楽曲をメモしながらの感想。

最初の数曲は少し期待外れだった。キーと違っているのか、1曲目「星になれたら」2曲目「ミュージック」では長屋さんの声がいまひとつ聞こえず、それだけに長屋さんが主メロ、はっとり&桜井さんがハモリの所は全体的に声が聞こえにくい。その点、残念だった。実は「星になれたら」は最後から2番目にもう1度演奏され、そこでは寺岡呼人&桜井さんの2人で歌われるのだが、2回目の演奏では2人の声がちゃんと聴こえて良かった。

長屋さんの第1印象はこのようにライブではあまり声量がない人というものだったが、とんでもない。「想い人」「Mela!」では口からCD音源かというクオリティで、かつ声も大きく通る。最初の2曲は遠慮していたのかなとさえ思うほどであった。「Best Friend(Kiroroのカバー)」も自分色で魅力的。聴けてよかった。

この企画は各々の歌い手が人の楽曲をカバーする点に特徴がある。中でも最も驚きだったのが、桜井さんによるBABYMETALのカバーである。「イジメ、ダメ、ゼッタイ」という楽曲がカバーされるのはびっくりで、シャウトもかなり声が出ていた。10年、15年前よりは普通に声が出ているのではないか…?。もう1度音を聴きたいと思った。

桜井さんはミスチルの楽曲でも「Tomorrow never knows」「innocent world」という披露してくれて、それだけでも嬉しいのだが、やはり今回は声出しありになった点が1番の感動である。30周年ライブでは皆が黙って聴くという、かつてのミスチルのライブでは考えられないものだったので、それだけに今回のオーディエンスの声を聞いて、ライブが戻ってきたなあと思った。武道館は花道と観客がかなり近くて、花道付近の人は1メートル先ぐらいの近距離で歌ってもらえて良いなあと思った。

桜井さんは他の人のパートでもこっそり登場するが、個人的に1番熱かったのは、マカロニえんぴつのヤングアダルトを一緒に歌ったシーンである。この曲はマカロニえんぴつの楽曲の中で1番好きなので生で聴けるだけでも嬉しいのに、そこに桜井さんのハモリも加わるとは至極である。願わくば一部だけでも主メロを歌ってほしいと思ったが、それは欲張り過ぎか?。はっとりは「なんでもないよ、」も歌ってくれて、切実な歌い方が好きだった。

最後のパートでは、逆にはっとり含め本日のメンバー全員がミスチルの楽曲「GIFT」を歌う。GIFTは30周年イヤーで急に化けた。観客が声を出せないからこそ、ベース・ドラム・ギターのメンバーがハモるのだが、その様子をライブやMステで見て、大きなバンドになっても4人でMr.Childrenだぞという感じがした。それを今回は寺岡さん、はっとり、長屋さんと歌う。サビは基本的に長屋さんが歌っていて、Aメロ・Bメロを男性陣が歌う。桜井さんとはっとりが同じパートを歌うことで、尖ったような高音というはっとりの魅力、歳を重ねて緩急自在という桜井さんの魅力がそれぞれ分かったように思える。

楽曲そのものも魅力的だったが、花道とオーディエンスが近いからこそのファンと演者の交流も魅力的だった。というのは、寺岡さんファンの方が作った大きなタオルのようなものを、寺岡さんが最後にオーディエンスから受け取っていたのである。大物になればなるほど観客とアーティストの物理的な距離が広がっていく中で、目の前で観客がアーティストにプレゼントする様子を観れたのはこちらも感動的だった。

尻上がりで引き込まれて、あっという間の2時間半だった。


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