日記2023.11.24
訃報が届いたのが21日のことで、23日の夕方に名古屋行きの新幹線に乗った。
コンマスの席から見上げた指揮を振る姿をよく覚えている。
あの頃はあまりうまくいかなかったと思う。
もっと素直に話を聞けばよかったと、大人になってから申し訳なく思った。その時も世間的には大人ではあったが。
私の実家は名古屋から1時間程度で、名古屋という都市は子どもの頃に何度も通ったいちばん身近な都会である。
これもタイミングだと思い、実家に寄った。
私は帰るたびに思う。
自分の育った街はこんなにも茶色かったのか。
田舎の自然は緑色ではなく茶色だ。お間違えのないように。
そして夜は、一寸先は闇のごとく暗い。
目が都会に慣れた。
東京の色彩に比べて、あまりにも色味がないことにちょっと驚く。
それは同時に永遠に私の色だと思う。
足りない自分はいつか足ると思っていた。
でも最近なんとなくわかったことがある。
足ることなんてないし、足りないということもない。手持ちでやっていくしかないんだ。ジタバタしたくない。
帰りの新幹線。座席で飲む缶ビールが美味しい。
そのとき車窓の景色は低い街並みだった。
最後に何か言いたかった。
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