博多JJGの朝は早い。
博多JJGの朝は早い。
5時半に起きた某FUK在住のJJG(37)は、おもむろに身支度をととのえ天神へ向かった。
福岡の民にとって、ファッション関係の買い物は博多より天神である。
彼女が単身、天神に着いた時間は7時過ぎだった。24時間営業のカラオケ屋の朝プランで歌の練習をするためである。結局、2時間半をそこで過ごした。フリードリンクで会計は660円だった。安い。
どこのカラオケ屋かって?絶対に教えることはできない。まぁ、ヘッダーを見てください。
小柳ゆきの『愛情』を人前で披露するか悩んだ彼女だったが、『true heart〜』の部分の英語の自らの発音にどうしても納得がいかなかった。苦虫を噛み潰したような顔で彼女が向かったのは、デパートである。ちょうど移動して岩田屋に着くと、10時であった。開店だ。
ブランドロゴを持たないあのハイブランドへ。
最近の彼女は『やはり靴に納得したい』という気持ちが強く、秋冬にそなえてショートブーツのリサーチをしたいお気持ちだった。いつ探してんだよというところだが、『夏以外履けるからなんやかんや年中売っている可能性』に賭けた。
最初に試着に向かったのは
『ボッテガ・ヴェネタ』である。
ホームページをみていて、ハイブランドの中でもなかなかブーツの品揃えが多い。かかとの部分が結び目のデザインになっている『ノット』のなんと美しいことか。きっと、履いたらくるぶしが2個ある人みたいになって可愛い。
しかし、店頭にはなかった。ブーツはこれだけだった。
これも可愛かったのですが、ちょっとイメージと違った。つま先がアーモンドトゥとかでシュッとしてて、もう少し丈が長いものが良い。それよりも、すごいものを見てしまった。
新作のかばん、『アンディアーモ』だ。
75万円くらいする。持たせていただいたが心臓が破けちゃうかと思った。
軽い、ハンドで持てる、肩掛けで持てる、斜めがけショルダーで持てる、という天才バッグだった。黒だけど織りのニュアンスが入ることで、重さや堅さを感じない。正面の『∞』の飾りを通してある部分の紐は、後ろで結んでくくってあり、長い。肩掛けにしたときは、この飾りが途中にくるのもすごく可愛い。みんなにも実物をみてほしい。
アンディアーモ、さぁ行こう、という名前も良い。使わせる気満々ではないか。
ちなみに私はこれまで地味に色々なところでハイブラバッグを持った中で一番のお気に入りなのですが、それでもまだ近い内に自分のものにする候補とは思えないのだった。それを以て、自分の中で『私がかばんに費やしたい予算は無限ではない』という説がほぼほぼ確定してきている。
この金具がついた同じシリーズのベルトは10万円くらいなので、お~いお茶新俳句大賞が取れたらベルトくらいなら買いたいかもしれん。
6月にショートブーツを探すのは無理があった
ここで、職人の朝は早いパロの設定を思い出した。
次に彼女が向かったのは銀座ヨシノヤだ。
オルガニストではない彼女だが、このデザインが気になった。また、銀座ヨシノヤといえば細幅靴の『ホッソリーナ』である。
結果は、『どちらも置いていない。基本取り寄せ』『オルガンシューズは裏が起毛してるから外履きは無理』『ホッソリーナの希望の型のブーツの黒は全国的に売り切れ。オークなら全国で3個ある』とのことだった。
出鼻をくじかれた。まさか2軒目で一足も履けないとは。
悪いことは言わないからやめときな…?となった3軒目
つぎに向かったのはセレクトショップさんだった。
みなさん、『レユッカス』という革靴のブランドをご存知だろうか?どこかセクシーなシルエットが魅力の革靴ブランドで、取扱店は非常に少ない。
彼女が知る限り、県内にそこにしかないはずだった。しかも、『メンズ』しか取り扱いがない。
案の定、店員さんに『悪いこと言わないからやめときな〜絶対に合わないから…高いやつだし…』の旨をとても丁重にご説明いただき、試着できず、しょんぼりしただけに終わった、と思われたが。
『◯◯(地名)の、△△ってお店ならレディースの取り扱いがあると思いますよ』と教えてもらえた。
彼女は思った。
RPGのクエストこなして次のイベントにつながったときみたいだな、と……
最後にファッション神にメガネを割られる
で、不思議なことにこの試着旅(ミニ)が終わる頃、眼鏡がなくなってた。まじでいつどこでなくしたのか検討つかなすぎて、神隠しだと思っている。
お仕事用とは別の、相当昔から持ってる眼鏡だったのでとくにすぐ困りはしないのだが、たぶんこの感じはファッション神からのなんらかのメッセージだと思う。お前の本気度が足りないから必要なものが見つからないんだよ、という意味なのか、ショートブーツはさすがに9月以降に探したほうが良くない?という意味なのか、いつまでその似合わない眼鏡してんだよ、の意味なのか、わかるように伝えてほしいところである。全部だよバーカと言ってる気がする。年末にはスマホに青いイナズマをあてられ、今度は眼鏡にダイナマイトをぶつけられた形である。
とりあえず、ショートブーツ、パンプスに限らず、靴を探すのはあせらずゆっくりしよう、と思う。今履いてるスタメンのうち一足が、かかとの縫い目がほどけてきてるのでちょっと焦ってしまった。でもほかにも靴はあるのだし、仕事はスニーカーとローファーだけでもまわせるくらいだと思う。あ、と、彼女は思っている(機能していない職人の朝は早い構文)。
ではでは、じめじめした日々ですがみなさまも楽しくすごしてください。気圧気をつけてくださいね。
博多の女(ひと)より。
↑個人的に博多通りもんより好きなので、博多土産に買ってみてほしい。
(邪念 2330文字)
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