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何でもかんでもティールアンドオレンジにはできない、と気づいた。

いや、まあ、あったりまえのお話なんですがw
Lumix G100を購入した頃、Raw現像で色味を調整することにハマった時期があった。写真を撮り始めた人間が通る麻疹のようなものなのかな、と自分では思っていた。青を少し水色に寄せるとか、ダイナミックレンジを少し狭くしてフィルムっぽくするとか、そういう類のことだ。それはそれで楽しかったのだけれど、一つ大きな悩みがあって、季節感を出すことが非常に難しいと感じるようになった。夏でも冬でも、陽の光が同じようになってしまうのだ。夏の、頭のてっぺんから振り下ろされるような強烈な光や、冬の、少し傾いてオレンジが淡く出ているような光の雰囲気が、カラーグレーディングによって消えてしまう。これは色味調整自体が悪いのではなく、完全に自分の技術不足によるものだ。そこで、色味に関してはいろいろと勉強するとして、技術が追いつくまではとりあえず基本的なコントラストなどの調整以外はしないことにした。
YouTubeに動画を上げるようになって、動画の編集にDavinciResolveを使用するようになり、再度カラーグレーディングを勉強するようになった。同時に静止画の色味の調整に関してもいろいろな情報を集めるようになり、再びLightroomをいろいろと弄り始めた。暗いところに青を乗せて、明るいところにオレンジを乗せて、と一生懸命やるのだが、どうにも色味が汚くなるばかりで思ったような結果にならない。いったい何故なのかといろんな情報を見て、何でもかんでもティールアンドオレンジにはできないんだな、という当たり前の結論にやっとたどり着いた、というわけだ。
で、ここで2つの問題が残る。

  • ティールアンドオレンジにならないのなら、どういう色味にするべきなのか。

  • ティールアンドオレンジにするにはどうすればいいのか。

最初の点に関しては、その写真の持つもともとの基本となる色味を強調しつつ、自分の欲しい色味に少し寄せてあげる、というやり方がいいのだろう、という結論に「とりあえず」は至った。とりあえず、と書いたのは、今後また変わる可能性が大いにあるからだ。
例えば、以下の写真。

海面の色を考えるともう少し青に寄せてもいいかと思っていたのだが、この写真を撮ったのは夕陽の色に惹かれたからだったので、画面右側からの夕陽の暖色を強調する方向で考えた。ここで無理に青を強調しようとすると、色が濁ってまとまらなくなってしまうのだ。
続いて、もう一枚の画像。

本来だったら画面右側の空の色を暖色にして強調したいところなのだが、そうすると写真を撮った際の自分の印象とズレてしまう。なので、無理にオレンジにせずに、少し赤みを乗せて色味を調整するようにした。
こんなふうに、その写真を撮った際の印象や、その写真の中のメインの色味を中心に考えることが、少しずつだができるようになってきた。他の方にとっては当たり前のことでも、自分の中では大きなことで、少しだけ前に進めたかな、と嬉しくなった。

続いて、二番目の点に関してだが、これはもう、青とオレンジが同居している場所を探して撮る、ということに尽きるだろう。
例えば、以下の画像。

実際の目で見た光景はもう少し青みが弱い感じではあったのだが、都会の夜の色ということでこのくらいまで青みを強調してみた。アスファルトの色を基準に考えていて、夏なら少し緑寄りに、冬なら青そのものに寄せていく形になるだろう。
この写真などは、夜の暗い街中に暖色系の明かりがあるという、もともとの光景がティールアンドオレンジに近しいものになっている。こうしたシーンを探すか、もしくは自身でそうした光景を作り出すことが、カラーグレーディングにおいてやはり重要になってくるのだろう。

この当たり前の結論にやっと至ったことで、写真や動画の色味に自分の好み以外の理由付けをすることが少しずつできるようになってきたのはとても嬉しい。ヘタはヘタなりに、やはりいろいろと考え続けることが必要、ということを痛感した。とはいっても、季節感の表現にはまだ程遠いスキルレベルで、これからまた少しずつ、いろいろなことを覚えていく必要があるのだろう。とりあえず、猛暑が予想される今年の夏をうまく撮れたらいいなあ、と、そう思う。

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