「久々にレビューしてみた!」12月16日(月)の日記
※この日記は帰りの電車の中で書いた文章を修正・補足したものになります。
・疲れた。今学校帰りのお電車の中でございますわ。今日の日記はお嬢様言葉で話していっても良いかも知れませんわね。じいや、さっそく日記を始めますわよ。
・今日の実験はパソコンをにらむだけのクッソ退屈な作業でしたわ。おかげで今頭痛がひどくてたいへんお辛くてよ。パソコンにらみながら顔をしかめるのも大変ね。
・今日は語ること終わったし、「名称未設定ファイル」の感想書いていきますわ。名称未設定ファイルとは品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)氏の本で、短編集となっていますわ。このあとネタバレがしこたま入っていますので、読んでない方はブラウザバックをオススメしましてよ。
もう大丈夫ですわよね?
本作は星新一のようなSFから、現代のインターネットに根ざしたヒューマンドラマのような話まで含んだ短編集ですわ。私の好きな話は「カスタマーサポート」「1日5分の操作で月収20万! 最強ブログ生成システムで稼いじゃおう」「過程の医学」「有名人」とかですわね。
「カスタマーサポート」はスマホが使えなくなった人がサポートセンターに連絡するという内容。サポートセンター側が流暢に喋っている(書き込んでいる)のに対し客側が片言で喋っているように見せるのがうまいですわ。言外にこの客は機械に弱い人間…中年くらいの人間というのをここで表現していますわね。そして問題解決後は速やかに会話を断ち切る客側。まるで見てきたかのような素晴らしい作品であられましてよ。
次に「1日(省略)」ですわね。これは自動生成プログラムがよくある「いかがでしたか?(笑)」とか言ってくるムカつくサイトを自動生成したらどうなる?というものですわ。ただしその内容はムチャクチャ。とてもじゃありませんが到底読めたものではございませんわ。この繋がってるようで不明瞭、日本語のようで外国語のような妙な不気味さは癖になりますわね。じいや、星三つお出しなさい。
続いて「有名人」。これは狂った男が大通りでキャプテン翼のキャラクターの名前を叫びながら地団駄踏んでたらいつの間にか有名人になっていた、というお話ですわ。オチからすれば、はぁそうですか、で済みそうですけども、私はこの瑞々しい狂気に誰も彼もが浮かれて囃し立ててるのがたいへん恐ろしいと感じましたわ。ヒトラーなんかもこんな感じだったに違いありませんわ!なんですの?私をこじつけ考察クソオタクと罵るおつもり?角さん、やっておしまい!
そして最後、「過程の医学」。こちらは人間をどう幸福にするかを決める機械が、赤ん坊には塩化カリウム3mgの投与、すなわち高カリウム血症を起こさせて殺害せよ、と指示する話ですわ。個人的にこれすごく星新一っぽいし、すごく恐山っぽいですわ。恐山が半出生主義に興味を持ってその先にあるのがこれだと考えるととても感慨深いですわね。この話を読んでから赤ん坊が写ってる広告見るとうつになりますわよ。
・さて皆さま、いかがでしたでしょう?このようにダ・ヴィンチ・恐山の名作「名称未設定ファイル」はAmazon kindleでも発売中ですわ。この本はとても面白い上に恐山のことまでわかっちゃいますわ。なんといっても星新一っぽくてその筋のそれでは恐山にはたいへんオススメですわ。Amazonでは「名称未設定ファイル」の面白い過程の医学が片言でしてよ。はやくキャプテン翼のごきげんよう考察クソオタクも塩化カリウム3mgの地団駄踏んでみてくださいまし。
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