ミスタードーナツのドーナツビュッフェはやめた方がいい、マジで

 ここ半年狂ったようにミスタードーナツに通い詰めている。ちょっと作業をするときに私が選ぶのはスタバではなくミスドだ。なにせホットドリンクがお代わりし放題、そして何よりドーナツが安くて美味い。

 最近のお気に入りは川崎店。ここはコンセント席があるのだ。そんな川崎店のイチオシメニューこそ、かの苛烈なる拷問ドーナツビュッフェである。
 ドーナツビュッフェはその名の通り時間制限でドーナツが食べ放題になるというもので川崎店では60分1800円で提供されている(他の店舗の事情は知らない、同じかもしれないし時間や値段が違うかもしれない)。
 私はミスドを作業目的で利用しているため、このメニューを一度も注文したことがない。そのため少し説得力に欠けるかもしれないが、ビュッフェは全くもってお勧めしない。マジで。なんだったら1800円使って普通にたくさんドーナツを買った方がいいとすら思える。食べ放題と言われると元を取ろうとする心理が働き、満足度を下げてでも過食しようとしてしまうからだ。
 以下は私が店内で実際に聞いたドーナツビュッフェ経験者の声である。

「吐きそう」、「気持ち悪い」、「立ったら上からも下からも出る」、「これお前にあげる」「ふざけんな」「じゃあ半分にしよう」「取ってきたのお前だろ」、「あと5分で1個いける?」「無理」、「一生ドーナツ食いたくない」

「妊娠したっぽい」

 まるでフリーレンの次回予告のような阿鼻叫喚。
 最後のコメントは女子高生が言っており、もうなんか色々限界すぎる。
 こんなおよそ飲食店ではありえないようなネガキャンを日々聞いていて、誰がビュッフェなどやりたいと思うだろうか。

それでもビュッフェをやってみたいと思う人へ

 さて、これだけの忠告をしたにも関わらず、読者の中には自分なら食べれるのではないかと思ってしまう好奇心に殺される猫がいるかもしれない。そんな命知らずの愚か者に向けて、私が思うドーナツビュッフェの攻略法を書いておく。
 まず、大前提としてポンデリングやエンゼルフレンチ、ゴールデンチョコレートといった、ミスドの定番ドーナツは注文してはいけない。特に生クリームやチョコレートが使われているものには注意が必要だ。なぜなら、ミスドの定番ドーナツは一つ150円からと極めてお手頃だからである。お手頃ということは金額あたりのボリュームが大きいということであり、一定金額を積み上げることを目指すビュッフェにおいては致命的なロスを招くからだ。

 頼むべきドーナツは一択。コラボ商品だ。ミスタードーナツがポケモンと定期的にコラボをしていることはそれなりに知られているだろう。ピカチュウやコダックのドーナツがXなどに上げられているのをみたこともある。また、現在はGODIVAとのコラボを行なっており、チョコレートをふんだんに使ったリッチなドーナツを食べることができる。こういった商品は大体高い。概ね300円前後で提供されている。1つ150円のポンデリングで元を取ろうと思うと12個食べなければいけないが、コラボドーナツなら5〜6個で元が取れてしまうのだ。

 もう一つの重要なポイントはドリンクを積極的に注文するということだ。ビュッフェには飲み放題が付いており、ドリンクメニューはおよそ250〜350円程度である。先ほどのポンデリング:コラボドーナツ換算に飲ドリンク2杯を加えれば、コラボドーナツ4つ程度で元が取れてしまうのである。その上コーヒーや紅茶といった苦味のあるドリンクであればドーナツの甘さを緩和させることができる。

 そして3つ目、最後の攻略法は、ドーナツを頼まないということである。実は最近のミスドはご飯もののメニューも充実させている。パイやヤムチャなんかも食べることができるのだ。とはいえ、おそらくヤムチャはビュッフェの中には入っていない(頼んでいる人をみたことがない)。だがパイと、最近ミスドが売り出しているザクもっちリングというしょっぱい系のドーナツはビュッフェの中で注文しているをみたことがある。これらは甘味ばかりのドーナツの大軍に対して救世主となり得るだろう。そして何よりこれらは高額だ。パイもザクもっちリングも単価は300円を超える。

 これらを組み合わせることによってお腹を満たした上で苦しまずにビュッフェを乗り越えることができるだろう。ただし、それらがあのポンデリングやフレンチクルーラーが看板商品のミスタードーナツに求める経験なのかは私にはわからない。

それでも私はミスドをリピートする

 ここまで散々ドーナツビュッフェのネガキャンをしてきたが、何もミスドが嫌いでミスドの客を減らしたいわけではない。私が経験せずしてこれだけビュッフェの実態を知ることができたのはそれだけ通い詰めてしまうほど、ミスドが好きだからだ。ミスドの楽しみ方はビュッフェにあらず。普通にドリンクとドーナツを頼むだけで十分だ。何せスイーツが100円台から楽しめて、ドリンクのおかわりが自由なのだ。これほどコスパのいいカフェはそうないだろう。

 例えばスタバに入ったらコーヒーがショートサイズで380円、シュガードーナツが280円で660円だが、ミスドはコーヒーがいくらでも飲めておよそ300円、ドーナツは150円からのため450円で済む。さらに朝は11時までのモーニングセットで350円ほどでドリンク+ドーナツを味わえる。
 そして何より、ドーナツが美味い。ポンデリングは唯一無二の天下無双である。なぜ彼らはドーナツの最上級を最安値で提供しているのか理解に苦しむ。エンゼルフレンチは至高である。最近新発売された塩キャラメルフレンチは食べた瞬間衝撃を受けた。西尾維新が記した「この世で唯一神が創ったものは素数とエンゼルフレンチである」という言葉はなるほど含蓄に富んでいる。

 というわけで、みんなもドーナツビュッフェはやってはいけないがミスドには行った方がいい。

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