【パクさんをおいかけたい】カマタマーレ讃岐vs.ファジアーノ岡山【リーグ102試合目】
岡山に移籍したパクさんをおいかけて早2か月となってきました。正直ここまでいい意味で目立つ役割になっているとは思っていなかったので、うれしい驚きとともにあっという間に過ぎてしまったという感じです。
さて、東京V、金沢とホームで無得点連敗を喫してしまった岡山。いやがおうにもテンションの高まる瀬戸大橋ダービーをきっかけに浮上したいところ、という一戦でした。
◆メンバー
岡山はGKを一森から櫛引へ変更した以外は変更なし。ベンチは大竹が離脱し藤本が復帰しています。讃岐のリ・ヨンジはパクさんと長崎で同僚で、心温まる交流がありました。J2サポを震え上がらせることに定評のある原一樹欠場はラッキーと思ってしまった…エブソンが欠場した分はルーキーの中島が埋めています。
◆試合展開
・岡山と讃岐の思惑的なものなど
岡山は讃岐の引き気味の中央を気にする守備の外側からウイングがシャドウやボランチにつないだり、前からくるようであれば飛ばして片山を狙うという攻撃を狙っていました。フィードの出し手として精度のあった櫛引はこの試合でも重要な出し手であり、GKの変更はこのあたりも関係しているかもしれませんが、どちらかというと讃岐のロングボール対策だったでしょうか。序盤は讃岐のサイドを使って攻めることができロングスローやCKの数自体は多かったものの(やはり安定してマークに競り勝つパクさんにまだ慣れなくて笑ってしまう)、PAまで運べた場面は徐々に減っていきます。
讃岐の方は左SBの10番高木和正からの2トップへのクサビやロングボールを狙いたそうでした。仲間のドリブルや馬場の飛び出しが脅威となってはいましたが、岡山の右サイドは渡邉一仁を中心に堅固で、右サイドの方はきっちりとした崩しが決まっていなさそうだったので難しい状況でした。
パクさんも逆サイドから飛んでくるボールに一対一の勝負になるという状況だったので対応しやすそうに見え、守備のアラがあまり見えなかったのは良かったです。なお、ボールもほとんど持たせてもらえなかった模様
讃岐、岡山共に敵陣にボールを送った後の前線守備でペースをつかもうという方針になっており、蹴っ飛ばし展開の増えていくことになりますが、岡山としては右サイドをつかうことによって前節よりかは繋ぐことが増えていました。
・後半の修正と動き出す展開
後半になると両者修正を加えよりゴール前の展開が増えることになります。
岡山は伊藤大介が下がり目になるとともに、片山と塚川のポジションチェンジが精力的になることで、讃岐のCBとDMFのユニットを迷わせ、中央にスペースがうまれました。塚川→伊藤大介→片山のこぼれだまをパクさんがフリーでシュートを放った場面は決めたかったですね…パクさんのFKから片山にどんぴしゃりというチャンスもありました。しかしセットプレーがはいらない…涙
今節は岡山の攻撃の中心が右サイドだったのは珍しいなと思ったのですが、片山にあてて塚川が裏、またはその逆という競り合いで有利になりやすいということや伊藤大介さんが右側だったからということだからっぽいですかね。いやま加地さんが保持時の所作がうまいんだよ!ということでもあるか…
讃岐もまた、ドリブルで脅威を生み出していた仲間がトップ下に移り、パクさんサイドに流れることでサイドを攻め込み始めました。左SHに移った馬場のスルーパスに飛び出しバーに当たったチャンスは完ぺきでしたね…岡山も讃岐も決定機を生み出し、試合は温まっていきました。
そんななかで先制したのは岡山。右サイドからのクロスの流れたボールを拾ったパクさんが一度は奪われますが、渡邊さんの猛烈なプレスバックに助けられ奪い返すと、伊藤大介さんに完璧なクロスを送り、見事なボレーで先制しました。最高でした。
・交代カードについて
岡山の先制の直前から用意していた讃岐の我那覇。馬場との2トップを形成します。我那覇は、右SHとなった仲間、右SBの市村へのポストプレーのためパクさん方面に流れ、中央下がり目に馬場、左の西、そしてボランチの永田が飛び込む形というロングボール攻撃が一つ効果的な攻撃として確立してきます。釣り出され案件が生まれ一挙にあやしくなるパクさん。
岡山は返す刀で塚川→三村で、ロングボールやこぼれ球の競り合いで生まれる間延びした中盤を猛然としたドリブルで駆け上がりチャンスを生み出していきます。両ボランチも元気で、ばんばんPAまで飛び込んできており、かなり讃岐を苦しめていました。2点目を狙うとともに、前線からの守備も実効性を持たせてロングボールの精度を削ぐ効果もありました。
そこで讃岐は馬場→ユンソンホで3バックに変換し、高木が下がり目となって我那覇のポストプレーチャンスとなるロングボールのカズが増えてきました。これに対して岡山は喜山→近藤。高さ対策とのDAZN実況の言及がありましたが、現地情報では故障説もあるようです。映像では故障などが起こったかどうか判断がつきません。イレギュラーにしては近藤選手とパクさんの守備の協調はそんなに困難があったようには見えなかったのですが、どうなのでしょう。
我那覇のポストプレーが止まらずかなり危ないクロスが左サイドから入れられてしまっていましたが、最後の局面のマークは外れていなかったし櫛引もそつなく対応していたので、なんとか耐えきれていました。しかしながら、仲間と市村の2人がかりとなってパクさんが困った状況からクロスを近藤がなんとかさわり高くあがったボールを篠原が処理しそこない、我那覇の同点弾が生まれることになります。
同点となり逆転へと息巻く讃岐は西→木島良で押し込みにかかり、岡山は伊藤大介→豊川で好きにさせすぎのロングボールを前線から奪いに行きなおして抑えたい&返す刀で勝ち切りたいといった交代に。
しかし岡山はラインがあがってこず、ますます讃岐のロングボール攻勢に苦しまされることになります。前線とDFラインが間延びしてしまって、ボランチの両名はまだ走れていたようなのですが、完全に3----2--5といった感じに広大なスペースが生まれてしまって讃岐のクロスの拠点が潰せず難儀しました。あの失点が与えたDFラインへのダメージが大きかったのかもしれません。
結局試合は櫛引のビッグセーブに救われて辛くも引き分けということになりました。
◆かんそう
パクさんとしては守備の対応…ブロックを敷いたときの人を潰す/スペースを埋める判断と強さ、セカンドボールに飛び込む判断、前線の守備に付いて行く速さ…がうまくいっておりました。攻撃でも、ボールタッチは比較的少なかったですが、セットプレーのチャンスメイクは健在であり、後半の右で崩しを作ったときのフィニッシュ(なお大外れ)やクロスへの飛び込み(加地さんからのクロスは本当に惜しかった)はきっちりと良い場所に居て、チームで練習しているんだなと喜ばしかったです。
さらにはいままで足を引っ張っていた切り替えの場面でボールを奪いきってのアシストを記録し、岡山での初アシストはパクさんの岡山での成長を象徴するものであったと思います。
ただ、惜しむらくは勝ち点3にならなかったところ。三村投入後、豊川投入後の崩しははっきりとした形がなく2点目になりませんでしたし(三村自身の突破は良かったけど、シュートまでつなげる形はなかった)、ギリギリであったものの破たんはなかった守備が失点を境に統制を失ってしまいました。前半がまるまるうまくいかなかった分の体力、メンタルのロスも無視できないものでしょう。
連携・プレーの精度自体は試合を追うごとに良くなっているように思いますが、勝つためにまだちょっと足りないものがあるということですね。パクさんのアシストで勝たせられなかったのは残念ですが、103試合目のパクさんはより成長して、勝利に値する貢献をしてくれることを期待しています…
では。