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【お気持ち表明】清水エスパルスの長いトンネルについて【為せば成る】


サムネイルは清水エスパルス公式サイトから


ヤンヨンソン監督の清水エスパルス、以前こんな記事を作成しまして、その甲斐あってか再開後3連勝と最高のスタートを切ったのですが、その後3連敗となりその次の試合も3度のリードをあっさりとフイにしての引き分けと辛さの溢れる状況になってしまいました。




チームの形も明確になり戦力も充実してきた。さあ上昇だ、と思っていたのですが急な失速。。。清水エスパルスに一体何が...調査隊は一路アマゾンへ飛んだ—




◆3連敗と流さずにちゃんと見ようのコーナー

というわけでアマゾンではなくDAZNで観戦した感想です。3連敗、と一口に言いますが試合の度に課題があり、それに対処したかなあと思ったら次の課題が、、というような内容であったとおもいます。低迷ではない。トライアンドエラーだ。わかったか。以下、試合ごとに。



①鹿島アントラーズ(●0-1):戦術的駆け引きで互角以上もポストの顔も3度までで泣いた




3連勝で迎えた鹿島アントラーズ戦はCF鈴木の駆け引きとSH永木の微妙な絞ったポジショニングに迷って奪いどころの設定が難しく、無理して奪っても残念そこはレオシルバされてしまい前に運べない厳しい試合。カウンターを封じられ選択肢が減るのでビルドアップをしようとすると迷いやミスが生まれ、最終ラインで奪われるというピンチもいくつか生まれてしまいました。

しかし、最終局面で粘ってスコアレスで後半に折り返すと、鹿島のサイドチェンジ増加による中央の強度低下を狙ったプレスと速攻から大チャンスを作ります...が、ポスト!こちらはデュークを投入し西にぶつけて敵陣支配力を高め畳み掛けるも...ポスト!ポストポストに泣き、最終兵器の長谷川悠のサイド流れとウイングのペネトレイト連携攻撃も決めきれず(これもボール小数点レベルの誤差)、ATのセットプレーに泣いてしまいました。不運。


※なおリアルタイムのお気持ちはこんなに理性的ではない模様。ちなみに各試合の総括はよほど現地で見てハッキリ覚えている試合でない限り見直した上で書いています






②川崎フロンターレ(●1-2):列移動対応の不足で素の遂行力の差で泣いた



前半戦では川崎の幅をとるSBと4-4-2の守備ラインのアプローチしにくいギャップをとるボランチーSHのラインに全く対応できず前半で試合が終わってしまった川崎戦。ホームでのリベンジマッチではレーン移動の前につかまえっぞという立ち上がりのハイプレスからドウグラスの奇襲で先制に成功。鹿島戦に引き続きハイテンションな数的同数攻撃で優位を得ることに成功します。

ですが、先制されてもあわてない川崎は守田がサホレバーフバリみたいな名前のアレで2トップ・2ボランチのプレスのタイミングを惑わすとそれで中村・大島・阿部をメインキャストに察しが良すぎるダイレクトパスの連鎖。一気に前半戦の再現となってしまい簡単に小林悠をフリーにして同点にされてしまいます。

どうしようもないので前半から最後の手段の中央人海戦術の4-5-1を導入してなんとかタイスコアで折り返しますが、孤軍奮闘のドウグラスが脳震盪で戦線離脱。唯一の推進材を失ったチームは後半もやはり持ち場から移動する選手への対応に苦慮し、すっかり足が止まってしまいあっさりと逆転。長谷川悠を放り込んで同点を狙いますが追い付けず連敗となってしまいました。力負け。


※なおリアタイ。ライブ観戦ではないので薄めのお気持ち








③セレッソ大阪(●1-3):研究された列移動対応の不足で再びで泣いた



前回対戦は4-4-2同士のかみあわせで山口・オスマルの両ボランチを狙い撃ちにして3連勝のスタートとなる完勝を果たしたわけですが、今回のセレッソは3-4-2-1で両サイドを大きく余らせてシャドウが列移動で4-4のラインの間を暗躍するエスパルスが一番苦手な形を敷いてきました。2トップとSHのスライドで3バックとボールサイドのウイングをカバーしていましたが、SBが孤立して対応することが多く一歩間違うとアウト。で、一歩間違えてしまいました。ここの横の圧縮の不足は修正が必要なところで、それがしこたま狙われてしまいました。

ただ、それでも前半を中心にこちらもボールを奪うシーンが増え、ミスマッチをついてSHによるストッパー裏の強襲でチャンスは作っていて、以前の対3バック試合に比べてかなり進歩した一進一退。ドウグラス道祖神と入れ替わるように戦線復帰したクリスランがワンチャンスで同点弾を沈めチームが劣勢でもたくましさを見せた、、、、と思ったんですが。。

勝負を分けたのはリーグ屈指のボックストゥボックスマンのソウザが復帰していたことでした。現状のSBが引き出されたときの対応の遅さでソウザが飛び込んでくるともうどうしようもない。お手上げでした。決定機のあとの失点ということで意気消沈したのか直後のCKで続けて失点してしまいあっけなく終戦。完敗。



※なお。鹿島戦のことは3週間近くたった今も引きずっています。若いチームなので星の色真逆だったまであるかも。(過度のバイアス)




④浦和レッズ(▲3-3):宿題提出と思いきやトランジションのファブリシオがもうマヂ無理で泣きそう



列移動によるミスマッチにどう対処する?というお話になってきた連敗。(鹿島戦は問題視するところはない試合だったとおもいます) 浦和もまた3-4-2-1でミスマッチを予感させますが、浦和の守備の方がエスパルスの4-2-2-2攻撃に苦しんでおり幸先の良い金子アタックで簡単に先制。サイドへの配球にミスが非常に多くエスパルスの圧縮が間に合いました。セレッソ戦の完敗を無駄にしない内容。2ゴールの金子はもちろんですが、石毛もよく絡んでいました。

やっと楽勝ムードか、という空気を一変させたのは夏補強で最も猛威を振るっているファブリシオ。ボールを放り投げただけで突破しちゃう野生ジャガー感よ。アジア大会で無のサッカー修行に駆り出される立田君に加えてフレイレがもったいないカードでの累積警告ということでDFラインは平時に比べて2人入れ替わっていましたが、セットして守る場面では役割を全うできていたもののサイドを突破され劣勢にさらされたときにファンソッコの兄貴とフレイレの力業でなんとかしてきた(なんとかなるとはいってない)時に比べるとやはり劣勢での個の判断力・実行力(1失点目のハンド・2失点目での武藤までの対応とクリアミス)、危機察知のDFラインコントロール(3失点目にクリア後のラインコントロールが全くなかったこと)と難がありました。

とはいえ、そういった最後のエラーを差し引いても勝ってるのになんでカウンターでフリーで走らせてんの(憤怒)というチーム全体の組織の問題の方が大きいですし、明確に勝勢なのになんかスポット的にゴールだけヌッスしてくるファブリシオがずるすぎるのではないかと捉えた方がよいところもあるでしょう。ずるいとおもいます。柏木投入以降に列移動の連動が繋がりはじめてこのあとめちゃめちゃ崩されたになってしまったので引っくり返されず我慢ができたのは収穫だと言えるのですが。



※なお。北川君むしろ良くなってると思うんだけど。ゴール前への入り方とか。






◆まとめとお気持ち表明


自分たちのペースを作る能力の向上と相手のペースを切る能力の未整備と


内容の良しあし、直接敗因となった問題についてはそれぞれ異なるところですが、この4試合に共通しているのは「自分たちの狙いを出す頻度・精度は上がっている」が「相手の狙いが出てしまった時にどのようにやりすごすかという部分が甘い」と言えそうです。つまり、めっちゃ良いサッカーすることがふえててウキウキと思ったらそうでなくなったときの弱さが尋常じゃない。4試合で5得点9失点してればまあ勝ち点は伸びないですね...

シーズンが深まったぶんエスパルスのサッカーの良い部分-全員で守れれば奪える・攻められる速さと連動性-はどんどん出せているのですが、対戦相手も当然大なり小なりそうなっているわけであるので、「どうやって良さを出させないか」という部分も大事になるよという4試合になりました。勝ちながらレッスンしたい人生だったのですが、足りない部分があるということですね。

「敵陣でプレーするのが正義やから」と、どの試合でも頑固一徹に狙いにいくのでヤン監督は結構ロマンティックですよね。1年じっくりやってるところを見てようやくわかったわけですが。いつも相手の最終ラインやGKから奪いにいくし両SHのゴール前への侵入に代表されるように敵DFの周囲に選手を集める攻撃を狙いにいっています。

なにも最終ラインでパスを繋ぐ志向だけが「我慢している」「継続性がある」というわけではないですからね。癖が強い他の監督ほどではないですが、やはり理想に殉じる部分はあるのだとおもいます。その理想は縦パスに優れる白崎がボランチに定着してからより一層出ていますが、ただ自陣でのカバーの位置取りや出足の遅さが狙われていてなかなか一筋縄ではいかない形なのかなというここのところの印象です。

精度の違いだけでやってること自体は前半戦と大きく変化はないはずですしメンバーが入れ替わる中でも良さが出ているので見てる方の精神衛生的にはそんな悪くもありません。...流石に失点が羽根よりも軽やかでADSLよりも速くて泣いちゃうけど。



シナリオライターでもいるのかというレベルでバッチリな試金石


さて、悪くない内容だけど詰めが。。。というところを乗り越えるにはちょっとした局面の劣勢を破局に持っていかれる前に食い止めることができるかという部分にかかっているのだと思われます。

長く続ければ「この局面は失点になるな」ということに選手が早めに気づいてプレーを切るということが可能になるとおもいますが、まだそこまでいってないということでしょう。「今年のチームにとっての良いプレーをするには」というところは試合に出ている選手には浸透してきました。そうなると「悪い状況とはどういうときでそのときにどういうプレーが必要か」というところも磨かれてきてほしい部分になります。

直近の試合で言えばセットプレーの後の切り替えの部分。そして次節の相手である札幌はセットプレーに強みを持つクラブですし、5トップの疑似カウンターを攻撃の軸においています。まー、図ったかのように前節の反省が試される試合になりますねw 前回対戦同様多分打ち合いになると思うので楽しみです。

相手よりも速くピンチに反応できるか。ヤベエ!と思ったときにどんなプレーができるか。今週末はIAIスタジアムに見に行けるのでそこのところを注目したいとおもいます。あと地元の日本酒めちゃうまかったのでまたのみたい。


それでは。