【パクさんをおいかけたい】こばなし:パクさんのまだ見ぬ黄金郷について【山口戦をかくじかんがない】


今回は試合の振り返りをするアレがアレなのでこばなしでお茶を濁します。あしからず。

山口戦、119試合目のパクさんはもう90分の中での駆け引きというのも板についてきまして、前半は山口の陣形変更(3-5-2→3-4-2-1)を境に前とサトケンと三幸を中心にしたビルドアップに守備が噛み合わず、サイドチェンジ中心のマジョール戦法の狙いどころとされてしまってなかなかやばかったですが、後半シャドウがロックオンできてプレスがはまってくるとやり返しのインタセプトやクロス、カットインシュート(枠には入らない)ができており岡山の攻勢を手伝いました。

特にカットインでのシュートチャンスがみっつはあったので数字上の結果はでなかったのは勿体なかった。今季はこういう形のチャンスが毎試合に近いペースで見られているのですがなかなか決まらずかなしみに包まれています。

しかしむしろこれは今まで数々の伸びしろを埋めてきたパクさんにとっての最後の黄金郷…ジパングとかエルドラドとかそういうのかもしれません。そういうわけで今回のコラムはこのペナルティエリア侵入シーケンスについて語りたいと思います。



・PPSとは

PPS(パクさんペナ角シーケンス)とは、普段は左サイドに張ってクロス絶対いいとこ入れるマンをしてるパクさんがシャドウの動き出しをきっかけに敵陣ペナルティエリアの角の位置にポジションを移すことでシュートチャンスを得る一連の動きのことを指します。

ペナルティエリアの端のレーン(ピッチを横に5分割した際の左から2番目)はサイドに比べるとマークが厳しいですが中央に比べるとマークは外しやすく、サイドよりもゴールを狙える選択肢が多くなりますので、チャンスになる場所とされています。




*fig.0:レーンとファジアーノ岡山の選手配置



ファジアーノ岡山の決定機は対戦相手との兼ね合いやメンバー構成によって前後しますが、赤嶺のポストプレーによる縦の展開とセットプレーが多くを占めています。その中でPPSはサイドを広く使うことで生まれる決定機であり、流れの中の崩しの選択肢のひとつとしてもスローインやコーナーキックを得る機会としても重要だと専門家は評価しています。

それではどのようにしてPPSが生まれているか、図や実際のハイライトを用いてみてみましょう。



・PPSのしくみと実際


①同サイド展開におけるPPS

左サイドでの展開では、シャドウもしくはボランチの飛び出しによってパクさんがフリーを得ています。主に飛び出すのは豊川になっていますが、ボランチに塚川と関戸の二人ともめっちゃ走って飛び出せるよコンビが定着してからは彼らがPA内に飛び込みパクさんが空いたペナ角だよという形も増えています。サイドからの裏抜け(シャドウかボランチ)かポストプレーをスイッチに始まるというパターンがあり、赤嶺の復帰からは後者の形が多くなってきました。



*fig.1-0:左サイド展開におけるPPSがいねん




*fig.1-1:開幕戦、かなりトリッキーなPPSで大竹へのアシスト未遂に。ぱ、パクさん岡山で一体なにを…とたまげました。紆余曲折ありこのような短いパス交換よりも裏抜けやポストプレーからシンプルにスイッチをいれるPPSが主になっていきます。




*fig.1-2:讃岐戦からポストプレーによるPPSの例。豪快に外しましたね。ワッハハ





*fig1-3,1-4:パクさんの守備の挙動が整ってくると自ら奪い取ることによりポジションチェンジが不要なPPSとなる場面が生まれます。たぶんチームが一番好きなやつだと思われる。水戸戦の2点目もワントップツーシャドウで完結するやろと油断したことでサイドに流れてしまいましたがこの形。


(参考)





②逆サイド展開におけるPPS

逆サイドでわちゃわちゃするのでがっつりフリーになり、したがってテンションも上がるPPSが右サイドから生まれるPPS…すなわちクロスのこぼれ球にパクさんという決定機です。

右サイドでのPS(ペナ角侵入)は右シャドウの石毛のインスイングのクロスが武器になっており、自らクロスかまたはさらにサイドにはたいてウイングがクロスを狙うという二者択一を迫ることが出来ています。中央のFWに加えてボランチ(塚川君であることがおおい)がゴールを狙うことにより決定機が生まれ、それが外れたとしてもおこぼれがフリーのパクさんにわたるという形が生まれます。



*fig2-0:右サイド展開におけるPPSがいねん




*fig.2-1:クロスの流れる形で得られるPPS。4バックのチームが相手だと片方のサイドでシャドウとウイングがひきつけて中央にボランチを飛び込ませると逆サイドをぽっかり空けることができます。これだけのおぜん立てを経てなお外れると様式美すら感じますね…WABISABI…



*fig.2-2:PA前横断によるPPS。前線が逆サイドに偏った場合はこうして中央に近い位置に入り込みます。ちょっと置きに行ってしまいました。



*fig.2-3:上手くいった例として徳島戦の逆転シーン。非常にうまくハマりました。なお枠は外した模様。




・未来へ

PPSはファジアーノのチャンスメイクの有力な選択肢だと思っていますが、残念ながら頻度のわりにはゴールにはなっていないのが現状です。記憶ベースなのでごめんなさいなのですが、直接得点となったのはおそらく讃岐戦の伊藤大介のゴールと徳島戦の塚川孝輝のゴールのみです

これはパクさん自身やったことないやつだからというのがあると思います。一応栃木や長崎でもカットインやポジションの入れ替え自体はやってはいましたが、陣形上(4-4-2や3-5-2)またはチーム全体のバランスのためここまで連発するほど優先度はなかったですし再現的ではありませんでした。

ただ、だんだんとPPSのタイミングもよくなっており、チャンス自体は増えています。判断の速度と精度が上がらずなかなか成果には表れていませんがw そろそろあってくるかもしれません。伊藤大介さんがシャドウに復帰した置かれた先日の山口戦では、こぼれだまの力の乗ったミドル(78分)や伊藤大介さんがさらにパクさんをサポートしてクロス(82分)など、今季最高のPPSを見ることが出来ました。あれは決まってほしかった…まあハイライトからは全カットされたがな

この一連の流れが赤嶺の2点目につながったんですけどね…まあ、長崎戦ではさらなるマリアージュを期待。試合のハイライトになってほしいですね。

最近は試合が終われば倒れ込むことが続いており、充実感とともに心配な面もありますが...累積警告はせめて加地さんが帰ってくるまでは粘ろう...w

では。