止まったままの時間(過去日記)

父親を失った
母親に嫌われた
育ての祖母は出て行った
兄と弟は可愛がられた

なぜ
なぜ
なぜ

だから友人に嫌われないように
不良ぶったりギャルぶったり
私は真面目なのだ

神経質で完璧主義なのだ
だから相手を騙せるほど自分を偽れるのだ

偽る自分もいない
自分の中に自分がいない

私はだれなのか
この体はなんなんだろうか

ただあの人に手をつないでもらった時
私は自分の時間が赤子で止まっていることに気づいた

いい子だよいい子だよ
そう言われて手をつないだ
私はあの手を知っていた
記憶にはないぬくもりを
私の身体は知っていた

私は生きていてよかったんだな
私は愛されていたんだろうな

そう一瞬だけ思えた
夢と現実で朧げなあの人との時間

誰も悪くない
誰と比べてもない
でもなぜか涙が出る

誰にも言えない心の傷
私が作り出してしまった
私が勝手に受けてしまっただけの傷


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