注目❗保湿剤ヒルドイドとジェネリック品の使用感などを比較した研究報告がありますよ🤗
保湿剤として、ヒルドイドソフト軟膏やヒルドイドクリームを処方・使われている方が多いと思います。しかし、10月より開始された「選定療養」と言う新しい医療制度でジェネリックに変えないと差額分を多く支払うことになりました。
これまでのヒルドイドをジェネリック医薬品に変えると安くなるけど、
゛使用感が悪くなるのでは?゛と悩まれている方に朗報です。
慶応大学の薬学部学生を対象に、ヒルドイドソフト軟膏・ヒルドイドクリームと各々のジェネリック医薬品について、延び・柔らかさ、塗った後の
角質水分量を比べた研究報告があります。
その結果を見ると、むしろジェネリック医薬品の方が高く評価されたと
いう内容ですから、これまでのヒルドイドが圧倒的に使い心地が良いと言うことは無さそうです。
但し、使い心地の感じ方は人によってバラバラですし、販売した製品も
あり、薬局には全製品を置いてあるわけではありませんから、薬剤師に
在庫や価格・特性(延び・柔らかさ)なども確認して下さい。
🟨試験した製品 ➡ ヘパリン類似物質ソフト軟膏の5種類(A~E)と
ヘパリン類似物質クリームの6種類(F~K)
Ⅰ:ヘパリン類似物質ソフト軟膏
A:ヒル ドイドソフト軟膏 0.3%(販売会社:マルホ)薬価18.5円/g
B:ヘパリン類似物質油性クリーム 0.3%「ニットー」(日東)3.2円
C:ヘパリン類似物質油性クリーム 0.3%「ニプロ」(ニプロ)5.1円
D:ヘパリン類似物質油性クリーム 0.3%「アメル」(共和薬品)5.6円
E:ヘパリン類似物質油性クリーム 0.3%「日医工」(日医工)4円
Ⅱ:ヘパリン類似物質クリーム
F:ヒルドイドクリーム 0.3%(マルホ)18.5円
G:ヘパリン類似物質クリーム 0.3%「YD」(陽進堂)4円
H:ヘパリン類似物質クリーム 0.3%「アメル」(共和薬品)5.6円
I:ヘパリン類似物質クリーム 0.3%「ラクール」(東光薬品)3.2円
*但し、販売中止されて在庫分しかない製品😰
J:ビーソフテンクリーム 0.3%(帝國製薬)
k:ヘパリン類似物質クリーム 0.3%「SK」(シオノケミカル)
🟨試験項目 ➡ 延び・柔らかさ・角質水分量は専用機器にて測定。
使用感・角質水分量は、かぶれた既往が無く、塗布部位に傷が無い慶應大(薬)学生 30 名(男性10名・女性20名)が対象で、左右前腕内側部に塗布して
評価(擦り込み易さ・塗布部位の光沢感・におい・刺激感・べたつき・硬さ
・延び易さ・石鹸での落とし易さ)。
🟨試験結果
①ソフト軟膏製剤の延び易さ ➡ ヒル ドイドソフト軟膏が他のジェネリック医薬品と比較すると延びが悪い
②ソフト軟膏製剤の柔らかさ ➡ 最も柔らかい製剤は「日医工」の製品
③ソフト軟膏製剤の使用感(最も使いやすい) ➡「アメル」の製品が最も使い易い
④クリーム製剤の延び易さ ➡ ヒルドイドクリームが他のジェネリック医薬品と比較すると延びが悪い
⑤クリーム製剤の柔らかさ ➡ ヒルドイドクリームが他のジェネリック医薬品と比較すると硬い
⑥クリーム製剤の使用感 ➡ ビーソフテンが最も使い易い
⑦ソフト軟膏塗布後の角質水分量の変化量 ➡ 各製品間で差は無い
⑧クリーム塗布後の角質水分量の変化量 ➡ ヒルドイドが 他のジェネリック医薬品よりも角質水分量の増加があった
⑨においの強さ ➡ におい強いとされたのは保存剤であるチモールを含む製品。塗った後のにおい・べたつきが気になる方はジェネリック医薬品の「YD」製品や「ビーソフテン」 がお薦め(ビーソフテンは在庫分のみ)。
<出典>
石渡ら;ヘパリン類似物質含有製剤の選択に有用な情報構築に関する検討
日本老年薬学会雑誌.2(2),9,2019
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