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NIKKE研究各論(27)真贋相愛

 こないだの短編から、少し設定に思うところがありもう一度ニケとはなにかを、さまざまな作品から似た事例を持ち寄って再検証してみたくなった。


これが難しい

 ニケは人工物質で構成されるというところ。今までの研究だとだいぶ生命体に近づけないといけないのにこの難題である。

 『ターミネーター』シリーズは世界的にも有名なSF作品で、アーノルド・シュワルツェネッガー演じる筋骨隆々としたT-800は正確にはアンドロイドである。つまり機械だ。
 これはチタン合金性の機械の骨格に人間と同様の生体細胞を貼り付けている。
 T-800はこれによりぱっと見はほとんど人間にしか見えないが、機械であるため飲み食いが出来ない。

 一方で『ロボコップ』シリーズにおける主人公ロボコップは人間の死体を利用して作られている。つまりサイボーグで、ニケに近しい存在だ。
 ロボコップは脳や顔面などの生体部分と、チタン合金や防弾ゴムなどで構成されたボディによって構成されている。飲み食いは生体部分に栄養を与える目的で行われるが、臓器などを省力化しているのもあってペースト状のものなど柔らかい食事しか摂取出来ない。
 また脳は生前の死因の一因ともなった損壊があるためコンピュータを内蔵しており、彼の人格変容に大きな影響を及ぼしているのも見逃せない。

 このハリウッド二大巨頭に対してニケちゃんはというと機械のカラダと生身の脳みそがデフォルト設定なのだが、ニケには歯もあって虫歯にもなるんだ。機械のボディ自体も人間のカラダから離れ過ぎた構造をするとすぐ脳が認知的不協和を起こすとあるので、本当に人間そっくりに作らねばならないのだ。そんなことできるのか?

 本研究でニケはサイボーグだと定めるに至る日本の有名タイトル『サイボーグ009』は、子供向け作品の常である体の図解イラストがいくつか存在しているが、人工胃までは機械として存在しているもののそれ以外はかなりあやふやな装置が付いてたりしてハッキリとしない。一応001以外は改造度の大小があるが大半の部分を機械に変えられている。また脳は生身だが補助用の人工脳も存在している。サイボーグ改造時に老化は止まったようだ。
 エネルギー源は小型原子炉と栄養摂取の併用なため、作中では普通に食事をし、006が食事面でも活躍する。というより彼らはサイボーグ強化されていない部分もあるので、003=フランソワーズ・アルヌールに至っては生殖器官が存在しているため子孫が存在している。えっ!?(まぁジョーの子なのでジョーもなんだけれど)

 エッチなことするんですね?

 なお、彼女が改造されてからかなりの年月が経っている設定のバージョンもありリターおばあちゃんもびっくりの老楽の恋になってしまうこともあったり。

 サイボーグというと、『攻殻機動隊』シリーズや漫画『GUNSLINGER GIRL』も有名だ。
 前者は完全義体化した者も食事が取れるが専用のもので、黎明期の話にあたる『紅殻のパンドラ』では専用のカートリッジで栄養分を摂取し、1週間に一度カートリッジを交換しているし消化器官は存在していないので口から摂取する液体は純水なら体内に補給できるが、それ以外は胸部内の排水タンクに集めて捨てる。ニケなら即思考転換ものだ。
 後者は元々人間だったものを機械に置換して制作されるので、ロボコップ寄りだ。彼女らの臓器の残り具合もまちまちで、トリエラは生理痛まで起こす(終盤で活かされる)。
 条件付けと呼ばれる洗脳処理で基本的に相方の人間には逆らえないが、ややセンシティブなので意味を曲解してすぐ護衛目的で他人を攻撃したり愛情が昂じて相方と無理心中したりする。
 また脳にかかる負担から短命で五年ほどで寿命が来る。また疾病による死も存在する。早くコラボしねぇかな

 最初から機械で作るとアンドロイドでいいじゃんってなり(おそらくラプチャーに乗っ取られるから否定されたんだろうし、アンドロイド自体はアークにも存在している)、生体部分を残しながらサイボーグ化すると今度はニケ特有の、スペアボディやら量産型ニケのようなマスプロダクト的な面が邪魔をする。一体どうすればいいんだ?

 そこで現れるのは『冥王計画ゼオライマー』(とりあえずOVA版)の木原マサキという天才である。

 彼は次元連結システムを発明しゼオライマーなどのスーパーロボットを開発しつつ、自分が組織に消されることをあらかじめ織り込んでいたので保険と悪趣味な趣向を事前に準備していた。
 それは、自分の受精卵クローンを用意しておいてゼオライマーに乗ったら記憶が戻るようにすることと、他のクローンにも事前に容姿の変更やコンプレックスなどを抱いて生活するなどを仕込んでいたのだ!
 しかもクローンには女性すら存在しているのである! お前はY染色体持ちだろうに。

 そう、ここからは生命工学的なアプローチからニケができないか考えてみたい。

 生命工学といえば、現在(2024年2月現在)新作映画が絶好調の『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場するコーディネイターである。
 コズミック・イラ世界では遺伝子操作は禁忌ではなくむしろ汚染治療のために行わなければならなかったのだが、その過程で能力の強化を目的とした遺伝子操作技術が発達。15年に人類初のコーディネイター、ジョージ・グレンが遺伝子操作による自らの出生を告白すると共に、全世界へネットワークを通じてコーディネイター技術を伝えたのだが、能力の高さゆえ持たざる者達の嫉妬や、病気罹患率が低いことからの陰謀論なども重なってコーディネイターとナチュラルは反目し合いとうとう戦争が始まり、絶滅戦争に発展していくというのがコンセプトにある。
 彼らの遺伝子操作は見た目から始まり、知能や身体機能強化へとエスカレートしていくが、全くの超人が出来るかと言われればそうでもない。全く意図しない状態(例えば子供をオッドアイにしようとしたとしても発現しないとか)で生まれたりもするし、見た目しか良くないヤツもいる。怠惰な生活をしていれば能力も伸びず肥満にもなるし、対人兵器であっさり死んでしまうのだ。
 なお、同作品ではクローン技術も同様に行われている。また外伝だが、人間の新陳代謝を利用し、特定の人間に再現したい人物の遺伝子情報を取り入れたレトロウイルスを投与して遺伝子を書き換え、同時に記憶をコピー(場合によっては脳内物質の投与も行う)して任意の人間を再現するカーボンヒューマンなる改造人間まで存在している。

 これらとは趣が全く異なる生命工学的事例が『ガサラキ』のマイル1である。
 これは作品内のロボットの人工筋肉に使われているものだが、これは元々骨嵬(くがい。異星人からもたらされた鎧みたいなヤツ)の中身の一部を培養したもの。しかもこれはナノマシンの集合体であるという。

 ナノマシンって機械でしょ? なんで培養して増えるんだよ?! まぁニケにもNIMPHがあるからもしかしたら援用出来ないかしらどうかしら?

『新世紀エヴァンゲリオン』の汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオンは、アダムもしくはリリスと呼ばれる「生命の起源」を人類がコピーして作った巨大な生命体を、本来の力を抑え込むための拘束具を兼ねた装甲板で人型になるように覆ったものである。操縦部分は機械部品で構成している。
 最大の特徴は、人造生命体でありながら捕食も出来るという点だろうか?バリバリ齧り付くぞー!なおエネルギーを自身で作ったりしないので、ほぼ有線式なのが玉に瑕。

 こちらは多様性を見せながら、柔らかさを重視してあまり硬そうなイメージはない。まぁニケはモチモチしてる子が多いからこれでもいいかもしれん。ガッデシアムってすごいんだね

 そもそも人工物質という言葉に踊らされている感じがしなくもない。ついでに人工物質の定義づけもした方が良いかも?
 ……科学哲学などでもその定義に関するものだけで論文が書かれるほどの話であった!

 とりあえずここでは、人工物質とは「人為的に意図して作られた物質全般」ということにしてみたい。
 これを用いると意外なものも人工物質に含まれることがわかる。アークでは入手し難い食肉の代替物である培養肉である。これも人為的に作られるという意味では人工肉=人工物質なのである。

 ふりかえってニケを考えてみるとラプチャーとの関連性も見逃せなくなる。ニケの修理には機械生命体であるラプチャーのパーツで代用することが可能だ。
 また、人間への反逆者であるヘレティックもニケとラプチャーの相互補完関係の賜物であったりする。なので柔軟な戦闘力に加え、強固な装甲とナノマシンによる驚異的な自己修復能力が発揮されるのだ。
 ラプチャー自体の生態は未だ整理しきれないしそもそも情報が足りない。ゲーム内では、個人研究ながらラプチャーの生態に着ぐるみきてまでフィールドワークするラプチリオン先生がおられるのだが、26章にてサブイベントからまさかの帰還を果たされた。彼が乗っていったと思われるマザーホエールと共に! 彼は発声しかしていないので詳細は次章になるが乞うご期待である。

 なのでここからは結論にして与太話になる。今後の話次第では書き直すので気にしないでほしい。

 ニケ世界では人類はラプチャーに手も足も出なかったが、対抗手段を多数研究開発していた。ニケはその成果物だが、「眼には目を歯には歯を」の考え方をすれば、人間がた(人型ではない)のラプチャーをぶつけるというアイデアもあっていいはずだ。だが、それだとどっちがどっちかややこしいことになる。なので人型のラプチャーを作ってみた。これはアンドロイドである。だがラプチャーはこれを乗っ取ったので失敗!
 なら人間がパイルダーオンすればいいんだろという感じで人間をラプチャー化する企画がスタート! 喋る武器もあるしな。

 NIMPHとかいうナノマシンもなんか見つけたしなんとかなるだろとやって、めちゃくちゃ死人や発狂者を出しながら遂にプロトタイプニケたるリリーバイスがロールアウトする!
 ここまで来るのに緑色の液体触媒なりサイバネチックな装備でおかしくなったプロトプロトタイプも多く処分されたりなんとか生き延びてタクシードライバーしてたりするはずだ。
 ただ、リリーバイスの出力は規格外すぎて、本生産第一号の方は体が耐えられずお亡くなりになってしまった。なので二号であるドロシー以降は意図的にその力を弱めている。そういえばゴッデス部隊のメンバーは基本的に戦闘しかしてないから非戦闘用ボディなんてないかもしれない。
 量産型ニケも作ってみた。これはリリーバイス以下特化型に適合しないヤツ用に大量生産したものを脳みそだけ入れちゃうタイプにした。特化型が世代を重ねてもこれらは基本的にあまり変わらなかった。(容姿にバリエーションは存在しているらしいので新型カローラみたいな感じでちょっとずつ顔貌や性能が変わってたりするかも)

 だが色々やっているうちに、ラプチャーの構成素材は人間の遺伝子をいじるだけでも結構変換できるんじゃね? とわかってきた。
 これを使えば複製体を簡単に作ることができるし、より個人的な願望を取り入れながら細かい調整(衣服に合うように豊胸したり)が可能なのだ。
 結果、成人女性から幼稚園児ボディまで、拒否反応なく入れられる鋼の体を作り上げることが可能になったのだ!

 こういった絶え間ない努力が今のニケに生かされているはず!? ……というのがこないだのメイドレイクの短編への理論武装なんですよ。
                     以上


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