6月28日は福井地震だった。忘れられてるよね?

昭和23年6月28日の今日(もう昨日か)は福井地震がありました。

福井地震は、関東大震災、濃尾大震災につぐ震災だったにも関わらず阪神淡路、東日本大震災の後では、全国的にはほとんど話題に上がりません
流石に地元ではそこそこ定番なニュースになりますが…
この震災当時は進駐軍占領下にあったため、警察はあっても自衛隊はまだ存在せず国軍もまた存在せずな状況。GHQも救援で出て来てはいたらしい。
交通の便は悪いし(鉄道の橋も落ちていた)、何より中央から遠すぎた中、今でいう災害ボランティア活動はあったとのことでした。
その中に学生の災害ボランティアと言える活動があり、「一〇〇〇名、食料円匙(スコップ)携行、決死の覚悟で来い」という連絡を警察無線を借りて東京に送ったという記録があるそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/福井地震#cite_ref-95
参考文献やリンクなどが載っていました。
書きだしたらキリがないのですが、こういうことをちょっと話題にしてもらえたら、と戦後すぐを描いたドラマなどを見ていると思います。
一度だけ覚えているのは西郷輝彦主演のテレビドラマ「どてらい男」で、福井地震が出てきたことがあります。前後はさっぱり覚えてないけど…

自分の母親は10代で戦災で焼け出されたので震源から遠いほうのまちへ疎開しており、地震のあと福井市の方からひどい煙か何かが立ち上るのを見、夕方にはぞろぞろと沢山の人が歩いて避難してくるのを見た、といいます。
父の方は復員してきていたけど福井市よりもかなり南の方に住んでいたのだけど、同じく復員してきた10代の弟がたまたま当時流行っていた「君の名は」の映画を見に行っており地震に遭遇、映画館は隣の工場(マッチ工場と書いてある文献を見た)からの出火でかなりの客(数百と言われる)が圧死・焼死した中に入ってしまった…
骨となった腕に軍の認識票をしていて身元がわかったとか…
当時の新聞に出たらしいが、倒壊した家で腕を挟まれて逃げられなくなった人が迫る火災で鉈で腕を切り落とされて助けられた、ということがあったのだそうです。弟を探していた父親はこの人が自分の弟ではないかと尋ねて行ったと言っていました。

自分がかつて通っていた小学校では、下校時間を過ぎていたけどたまたま残っていた児童と先生が児童玄関が倒壊して亡くなっているとこの時期になると教師が話していたのを覚えています。
同じく中学校は鉄筋コンクリートの新築校舎が建ったばかりだったために地震に耐えて、数年前に建て替えになるまで頑張ってくれていました。

ちなみに1か月後、梅雨の大雨で九頭竜川という福井の北部の川の崩れた堤防が決壊して洪水被害が起こっています。今でいう複合災害です。
福井市にも流れ込み、先の中学校も水につかったとか、当時はもう出来ていた国道8号線の陸橋に上がってみたら周りが海のようだった、とかいう話も聞きました。

他にもいろいろな話を体験者から聞いたり、地元メディアから得たり、図書館にも関連資料があるのでたまに見に行ったり…
地元だからこの日が近づくとなんやかんやと話が出ますが、本当に全国的には忘れられた話なんでしょうね。
阪神淡路大震災しかり、東日本大震災しかり、忘れないで、という声を伝えるニュースを見るたびに思います。
他にもあったでしょうよ、と。

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