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妖怪 五徳猫

今日は特に書くことがないな
とアレコレ色々考えていたら、フッと昔の事を思い出した
私は昔ゲゲゲの鬼太郎が大好きだった
鬼太郎の人形を買ってもらったり、当日発売していたオモチャの鬼太郎の家が欲しくて親にねだり困らせていた
妖怪本も持っていた
妖怪の体の内部が見れるようになっているやつだ
当日は夢中になって読んでいた


もちろん今も好きだが大人になった現在、あの時のような熱量はない
熱量はないが未だに妖怪は好きだ
何の気まぐれか大人になってから買った
水木しげる先生の日本妖怪大全という極太の本(900ページある)があるのを思い出した


本棚を探してみるとあっさり見つかった
あまりにも分量が多いのでろくに読んでもいない
今日は書くネタもないし、どうせならnoteで妖怪の紹介文でも書こうかなとパラパラページをめくってみた

五徳猫
のページが目に止まった
猫の化物が何故か囲炉裏で火を起こしている
絵が載っている
なんかどっかで見たことかあるな
鬼太郎に出ていたかな?

本には化け猫は何かしら火に関係があるのではないかと推測されていたが、ハッキリとは分からないらしい
ちなみに五徳というのは囲炉裏の熱源の上に置いて鍋やヤカンなどを置く物

猫の化物は何故か頭の上に五徳を置いている
尻尾が2本あるので老いた猫が変化したネコマタだと思える
ネコマタは20年生きた猫が化けるらしいが、私が飼っていた猫(去年亡くなった)は20年近く生きていたが化け猫になる様子はなかったけど

また百鬼夜行絵巻にはこの五徳猫と似たような妖怪が書かれている
頭に五徳を乗せているが猫には見えない
五徳の付喪神らしい

両者に何の関係があるのかは分かっていない
何故か付喪神が化け猫に変わっているのか

絵の鳥山石燕の百器徒然袋によれば
「七とくの舞をふたつわすれて五徳の官者と言ひしためしもあればこの猫もいかなることをか忘れけんと夢の中におもひぬ」
とある

七徳の舞というのは、唐の第2代皇帝の太宗を称えた歌

信濃前司行長(しなののぜんじ ゆきなが)という平家物語の作者と言われる人がいた
行長は学識ある人だったが、舞曲「七徳の舞」の内の二つの徳を忘れたことから「五徳の冠者」と渾名されたという話が残っている

信濃前司行長のようにこの猫も何かを忘れているのだろうかとある
五徳の冠者と頭に五徳を乗せている事に関連させて鳥山石燕は語っているのだろう

結局何の妖怪で何をしているのか分からなかったが、この猫は何を忘れて、何を思いながら火を起こしているのか考えてみると面白い
哲学的な教えでも隠れているのかもしれない

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