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今週の妖怪

今回も様々な妖怪を紹介していこうと思う


以津真天(いつまで   又は  いつまでん)



「太平記」に登場する妖怪
1334年の秋、都の上空に怪鳥が現れた
その鳥は「いつまでも…いつまでも」と不気味な鳴き声をだしたという
しかも口から炎まで吐きだす

公卿たちは源頼政の鵺退治の例にならい弓で退治しようと考えた

そこで湯水の名手である現真弓広有、隠岐次郎左衛門広有(おきじろうざえもんひろあり)に化物退治を依頼


夜になると怪鳥が現れた
広有は見事に怪鳥を射った
怪鳥は落下し、死亡


近寄ってみると、人面で身体は蛇のよう、両足には鋭い爪
約5メートル程もあったという


この怪鳥の正体は行き場のない遺体の怨念だという
放置されたいくつもの遺体が
「いつまでも…いつまでも」
といつまで放置しているのか
という思いが怨念化したものだという



灯無蕎麦(あかりなしそば)



江戸本所(東京都墨田区南部)の本所七不思議と呼ばれる階段の1つ
本所南割下水に毎晩店をだしていた蕎麦屋
行灯には「二八そば、切りうどん」と書かれている


しかし店をは出ているが、客も主も見当たらない
行灯の火も入ってたおらず、辺りは真っ暗だった
客が寄ってきても誰も姿を表さない
待っている客が行灯に火を灯してみる


しかし、たちまち行灯は消えてしまう
待っていた客は不思議に思うも家へと帰宅する
すると行灯を灯した者達に不幸が押し寄せてくる
なかには死んだ者もいたらしい

狸とか人の形をしていない幽霊だとか言われたが、正体は分かっていない



火前坊(かぜんぼう)



京都府上げる東山の埋葬地
鳥部山に現れた妖怪

火と煙に包まれた坊主のような姿をしている

平安時代に鳥部山は皇族や貴族などが埋葬される場所であった
ここでは火定三昧(かじょうざんまい)が行われていた
火定三昧とは、高層が自らの身体に火を付けて焼身自殺をし往生を願う儀式


その儀式を一目見ようと庶民が鳥部山に集まってきた程
ここは神聖な場所であった


しかし、度々起こる洪水や飢饉により、死体の置場に困り、死体置場のような扱いをされることになった

それにより場所が穢れてしまった
そんな場所に現れたのが火前坊

見た目的に火定三昧をした者である
もしかしたら、現世に未練がありながらも火定三昧をした者が極楽往生できず妖怪化したのかもしれない




高須の化け猫



鳥井丹波守の家臣、高須源兵衛(たかすげんべえ)が長年飼っていた猫が姿を消した

それと同時に源兵衛の母が別人のようになってしまった
人と会うことを嫌がり食事も隠れてするようになった

ある時、母の食事風景を見てみると、まるで動物のようだったという


源兵衛は悩み、親族に相談すると、それは母ではなく化け猫の類いだろうと言われる
源兵衛は弓で射殺そうと考えるが、姿形が母なので、できなかった


しかし覚悟を決め母に向かって弓を射って、母は庭先で倒れた
倒れた母は母の姿のままだったが、1日後には飼い猫の姿になっていた


その後母の部屋の床下から母の物と思われる骨が出てきた
源兵衛は嘆き悲しんだという


今週の妖怪紹介はこの辺で終了
また次回よろしくお願いします

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