ご近所ミステリー17 モールの少女

あらすじ:
上司とトラブルを起こし会社を追われた鴨沂耕一は田舎の安アパートに転居した。無職ですることがない耕一だったが、数キロ離れたモールに車を飛ばし、そこで時間を過ごすことが彼の日課になった。ある日、モールで見覚えのある知美を見かけアプローチするが、不思議な行動をする知美には耐えがたい過去があった・・・
ご近所ミステリーの第十七弾です。読んで頂ければ幸いです。
※ご近所ミステリー第一弾から十一弾は「#ミステリー小説部門」にもあります。

 三十代半ばの鴨沂耕一は、短気な性格でいろいろと問題を起こしてきたが、それでも無事大学を卒業した後、一般企業で働いていた。だが、一年ほど経った頃、上司と言い合いになりつい手を出し辞めざるを得なかった。当時会社の寮に入っていたが、退職と同時に寮を出て行くことになり、貯えもあまりない彼は陸の孤島と呼ばれている田舎町の安アパートに転居することになった。
 この一帯は周囲は田んぼばかりで、距離的には都心からそれほど離れていないにも拘わらず、現代社会から完全に取り残されているという印象を持った。だが短気な彼には多少牧歌的な雰囲気のあるこの地域は合っているのかも知れなかった。それに彼は田舎に対して人間関係がやたら濃く息苦しい社会というイメージを持っていたが、古くて大きな家が立ち並ぶ近所を歩いてみてもそれほどの圧迫感は感じなかった。尤もアパート暮らしと言うのもあるのかもしれないが、少なくとも行き交う人の視線によそ者をうさん臭く見ているという感覚はなかった。
 それに周りは田んぼばかりと思っていたが、よく見ると数キロ先に大きな倉庫群のような建物があることに気づいた。あれが、新聞のチラシにたまに入ってあるヒュージマートという大型モールだと後日知った。ただアパートの近くにはスーパーなどの店舗はなかったので、日常の生活に必要なものは道路沿いのコンビニで済ませていた。
 四室あるこのアパートは耕一と同じ独り者ばかりだったが、みんなそれなりに朝、仕事に出かけているようだった。周りの雰囲気は息苦しいものではなかったが、若い彼が仕事もせずいつまでもアパートに籠っていると、周りの目も変わってくる気がした。尤も一流商社に勤務していた耕平はいつまでも田舎でくすぶっているつもりはなかった。ただ、一か月位はリハビリのつもりでのんびりしようと思っていた。そんな矢先、以前の職場の同僚から「経理が出来る人材を求めている会社があるが行かないか」と言われ、とりあえず応募することにした。
 同僚の紹介という事もあり、履歴書と面接と言うよりは顔合わせと言う形で採用が決まった。同僚は「くれぐれも短気を起こさないでくれよ」と一言言うのを忘れなかった。
 耕一は世話をしてくれた同僚のこともあるので、理不尽なことも目を瞑っていたが、やはり一年ほど経った頃、我慢の限界になり爆発して退職してしまった。
 
 再び無職になった耕一は何よりも生活を立て直さねばならなった。日中、この静まり返った田舎町のうすら寒いアパートに一人いると頭がおかしくなりそうな時もあった。そんな時は周囲を歩くのだが、また失業したという負い目があるせいか、たまに行き交う人の視線が気になることもあった。その時、遠目に見えるヒュージマートのモールが彼を呼んでいるように思った。
 彼はアパートに戻りそれなりに身支度を整えると、愛車シビックRSを飛ばし数キロ先のモールに行ってみた。 
 遠目で想像していたよりはるかに大きなモールだった。中に入るとまさにそこは大都会のショッピング街で、都心にあるような店舗が並んでいた。ハワイのアラモアナショッピングセンターよりもはるかに都会だと思った。ここの空気を吸っていると何故か武者震いがするのだった。一通り見て回るのに数時間かかりそうな気もしたが、徐々に開拓していけばいいと思った。つまりここを生活の一部にすれば、気分も少しずつ前向きになって行く気がした。モール内は冷暖房完備で散歩もでき、疲れれば椅子もある。読書もできるし、腹がすけば様々な料理にもありつける。
こうして耕一は毎日昼過ぎ、単行本を一冊持ってシビックRSを飛ばし、夜七時頃帰宅する生活になった。

 そのような日々が一週間ほど経った時、このモールには清掃などの作業員に高齢の男性が何となく多い気がした。しかもモール内を散歩していると、彼らからチラチラと見られるのだ。その視線がいかにもうさん臭いものを見るような目つきで耕一は不愉快だった。なかでもチョビ髭を生やした高齢の作業員とはモール内でしばしばすれ違うのだった。彼の目は「若いもんが仕事もせず、モール内をうろつき、本を読んで時間を潰しているとは情けない。オレたちのように働け!」と言っていた。そればかりでなく「オレたちはお前のように無職じゃなく、この歳になってもしっかり稼いでいるんだぞ」と勝ち誇るような目でもあった。耕一はモールで自由に時間を過ごせる反面、このような視線にも耐えねばならなかった。
気にかかったのはそれだけではなかった。しばしば一階のモールの中央ホールのようなスペースに若い少女が一人ポツンと立っているのだ。ただその少女はどこかで見かけた気もするが耕一は思い出せなかった。
その日もその少女はそのスペースに立っていたが、いつもとは少し様子が違った。彼女は体格のいい凄みのある若い男二人と何やら話しているようだったが、少しすると彼女は二人と揉めているのか、彼らの手を払いのけたりしていた。その場にはいつも耕一を蔑んだような目で見ているチョビ髭の作業員もそばにいたが、ただ見ているだけだった。耕一は少し不思議な気がした。チョビ髭はモールの椅子に座りいちゃついているカップルや廊下のソファベンチでごろ寝しているホームレスのような男にもしばしば注意をしていたが、その日は彼女達をただ見ているだけだった。耕一も近寄って何とかすべきと思ったが、怖気づいて何もできず、そっとその場を離れるしかなかった。
 何もできなかった自分の不甲斐なさが情けなく、モール内にある映画館で話題のロードショーを観て気晴らしをしてみたが、落ち込んでいるためかストーリーが入ってこなかった。
遅くなったのでフードコートで夕食にカレーを食べることにした。彼は券売機で食券を買い、出来上がりのブザー音を聞いて受け取りに行った。若い女性からカレーを受け取った時、耕一はビックリした。今日男達と揉めていたあの少女だった。彼女も耕一を見て驚いていた。その時、耕一は思い出した。その少女は、同僚から紹介してもらった会社に通勤していた時、バス停でいつも見かけていた少女だった。ただ半年ほどすると急に彼女の姿を見かけることはなくなったが、彼女も耕一を覚えており驚いたに違いなかった。
バス停ではいつも彼より先に来ていたが、激しい雨などの荒天の時はいなかった。そんな時、後ろ座席に座っている彼女を乗せたベントレーがさっとバス停の前を通りすぎるのを二回ほど見た。特徴のあるお洒落な制服だったので間違いはなかった。あの時、何となく彼女のことが気にかかり学生カバンに刻まれていた二文字をスマホで検索すると都内の小中高一貫の名門女子高だった。こんな田舎町からだと二時間はかかりそうだが、グリーン車で通学しているのではないかと思った。カレーを食べ終わり、いろいろと考えていた時
「片づけていいですか?」
と言う彼女の声で我に返った。
「そうか、もう店も閉まる時間なんだ。持って行かなくて悪いね。映画を観ていて遅くなっちゃったんだ」
と自分でも不思議なくらい言葉がすらすらと出た。
「あのイタリアのミステリー映画ですか?」
と彼女も答えてくれた。
「そう。でも話がよく分からなった」
「それは残念でしたね。イタリア映画が好きなんですか?」
「うん、でも本当はクラウディア・カルディナーレとかジーナ・ロロブリジーダらが出ている昔の映画が好きなんだけどね」
「トモミ、よく分からないわ」
「トモミって言うの?君んちはイギリス派かい?」
「え?どういうことですか?」
「ベントレーに乗ってるんだろう?」
と話の流れに無理があったが、彼女はついてきて
「祖父が成金趣味なだけ」
と言った。これで話が終わりそうになったので、耕一は
 「送ろうか?シビックだけど」
と自分でも驚くようなことを言ったが
 「いいわ。迎えに来ることになっているから」
と彼女は言った。この機会にいろいろと話をしたかったが、今日はこれでゲームオーバーだった。とにかく知美は耕一がほぼ毎日このモールに来ていることに気づいてはいないようだった。

 その後、何故か耕一に対する嫌がらせが増えてきたように思うのだった。モール内をいつものように歩いているとその前を急に清掃ワゴンを押した高齢の作業員が通り過ぎたり、座って本を読んでいると掃除の邪魔だから移動してくれと言われたり、駐車場に止めてあるシビックのフェンダーミラーにごみの入ったコンビニのレジ袋が引っかけられていたり、ワイパーが引き起こされていたりするのだった。また近所を歩いていても何となく敵意のある視線を感じることもあった。
 先日、そのような視線を感じながらも近所を歩くことにしてみた。あの当時、知美が耕一と同じバス停でバスを待っていたことを思うと、知美の家がこの近所にあることは間違いなかったからだ。さりげなく近所を歩き回り十数分経った時、ベントレーの特徴のあるフロントがガレージからチラッと見えていた。数寄屋門の大きな家の表札には岡森与一郎とあった。知美は岡森知美だった。それにしても歴史を感じる古い大きな家だったので、耕一はしげしげと眺めていたが、その時見覚えのある男が出て来た。この男、以前モールで知美と揉めていた男の一人だった。耕一は頭が混乱した。男は耕一を認めると素早く耕一のもとに駆け寄り
 「何か用か?」
と無表情に言った。ただ目はしっかり耕一の目を凝視していた。
 「いや別に」
と答えるしかなかった。ただ男はモールで耕一に見られていた事に気づいていないようだった。
 「随分と大きな家ですね」
と当たり障りのないことを言った。
 「知らないのか。岡森さんは昔からこの辺の大地主なんだぜ」
と男は「岡森さん」と言う言葉を使った。大きい家だが会社のようには見えないので奇妙な感じがした。知美のことも訊きたかったが、それは無理な気がした。その時、何か声がしたのでその方に目をやると、モールで見かけたもう一人の男が目の前の男を呼んでいた。

 相変わらずモールへ行く日課は続いていた。岡森知美は大地主の娘だった。あの二人の男は使用人なのか。そう言えば、知美がモールで彼らと揉めているように見えたが、彼らが知美に対して一方的と言う風には見えなかった。それなりに彼女に敬意を払っていた気もする。それにそのあとカレー屋で彼女を見かけた時も彼女にことさらネガティヴなものも感じなかった。
 とにかく耕一は知美ともう一度話をしたかった。彼女も彼に対し警戒心もなく自然に話をしていたように思う。しかしながら会いたいと思うとなかなか会えないものだった。いつも一人ポツンと立っているスポットにもカレー屋を覗いても彼女の姿はなかった。ふと彼は知美がいつも立っていたスポットに行くことにした。ここに立って彼女は何を思い何を見ていたのだろうか。
実際そこに立って周りを見たが特に目を引くものはないように思った。周りや上の階を見ても楽しそうにショッピングやデートを楽しむ人々が目に入ってくるだけだった。ただ、目を凝らすと同じフロアにあるペットショップの大きなガラス張りのケージにいる様々なペット達が見えるのだった。田舎に生まれ育った知美にはこうしてふざけ合ったりじゃれ合ったりしている愛くるしい子犬や子猫が興味深かったのかもしれない。また、そういうペット達は彼女に何らかのエネルギーを与えていたのかも知れない。いや、そうではなくガラスケージの中のペット達に自分を投影していたのかもしれない。何であれ今まで犬や猫などに興味を持ったことのない耕一には、実感が伴わなかった。
 だが数日後、モールで彼女らしい後姿をチラッと見かけた。行き来する人々をかわしながら耕一は急ぎ足で彼女を追いかけた。彼女はエスカレーターで上がって行った。そして五階で降りるとそのまま廊下を歩いて行き突き当りの少し手前のオフィスに入って行った。そこはクリニックだった。気づかれないよう少し離れたところからドアに書かれた大きな文字を見ると、内科・循環器科・消化器科そして一番下には心療内科とあった。直感的に彼女は心療内科を受診するのではと耕一は思った。使用人のような二人を抱え、荒天の時はベントレーで駅まで送ってもらっていた大地主の娘である知美。耕一は想像たくましく彼女の心の闇とは何だろうとさえ想うのだった。
耕一は廊下を行き来したり、エスカレーターで上り下りを繰り返し時間を潰しながら、知美が出てくるのを注意深く待った。その甲斐あって、ほぼ一時間後、五階にたどりつきそうなエスカレーターに乗っていた耕一は廊下を歩く知美の姿を捉えた。だが五階の廊下に立った時、知美の姿はなかった。下りエスカレーターにも姿はなかったのでエレベーターを使ったに違いなかった。耕一は慌てなかった。
やはり、いつものスポットに知美は立っていた。耕一はゆっくり知美に近づき
「久しぶり、ロングタイムノーシー」
と言って少し茶化した。
 「また会ったね」
と耕一はさらに言ったが、クリニックに行ったことが知られたと一瞬思ったのか、知美には少し迷惑そうな空気感があった。だが耕一はそれにもめげず
「生きてた?」
と言ってみた。それには答えず知美は
「私トモミと言うけどあなたは?」
「名乗るほどの人物じゃないけどオウキコウイチと言うんだ」
と言ったものの次の言葉が出てこなかった耕一は
 「この場所がお気に入りなの?」
と言ったが、話の穂を継ぐために軽々しく言ったことを耕一は悔やんだ。本能的にその話題はタブーだと感じたのだ。その時だった。耕一は一瞬ミサイルが着弾したのかと思った。今まで聞いたことのない「バキュ!」というような音が耳をつんざいた。と同時に足もとが激しく縦に横に揺れた。地震だった。そばにあった自販機が波打っていた。上から天井灯のカバーや案内灯の破片などが降ってきた。耕一はとっさに知美に覆いかぶさり床に伏した。激しい揺れは三十秒ほどでようやく収まった。ゆっくり立ち上がるとそばにチョビ髭がいた。チョビ髭だけでなく、モールにいる数名の高齢の作業員もその場に来ていた。
 知美を抱きかかえるように起き上がらせようとしている耕一にチョビ髭は
 「知美はもう大丈夫だ、あっちへ行っていい」
ときつい口調で言った。耕一は知美が立ち上がり、耕一に微笑むのを見てそばを離れて行った。
 
ある日、アパートの錆びついた郵便受けに手紙が入っていた。耕一にこんな手紙が来る心当たりはなかったが、差出人を見ると岡森与一郎とあった。よく見ると宛名も切手も貼ってなかった。耕一のアパートを見つけて手紙を入れたに違いなかった。
「あの時、あなたにとても失礼な態度をとったことを赦して下さい。本当に申し訳なかったです。
私は岡森与一郎と言います。あなたには初めて聞く名前とは思いますが、チョビ髭の老人と言えばお気づきになってもらえると思います。もともと大きな傷を負っている知美はめったに私たちに心を開いて喋りませんが、あなたのことについてはいろいろと話してくれていました。あなたには少し心を開いている気がします。
私は、この地域一帯の水利組合の組合長をしています。水利組合とはモールを含むこの広域の田んぼを耕してきた農家の組合です。あなたはご存知ないと思いますがこの巨大モールを建設するにあたって、多くの農家は反対でした。無理もありません。先祖代々受け継いできた土地を自分の代で手放すことになるのですから。組合の総会でも長期間、モール建設賛成と反対の組合員でいつも紛糾していました。だが、地域の繁栄という錦の御旗のもとに何とか合意にこぎつけました。しかしながら、農業が出来なくなることで生きがいや日々の日課が無くなることに不安を覚える農夫もかなりいました。だから私は組合長として、モールの経営法人と彼らの雇用をこのモールで確保してもらうように掛け合いました。その結果、あなたもお気づきだと思いますが、このモールには高齢の作業員が多く働いているのです。私も立場上、彼らが粗末に扱われることが無いよう見回りながら老骨にムチ打ち清掃ワゴンを押して働いているのです。
また、ウチの若いもんが二人、あなたの車にイタズラをしたと思いますが、お願いです勘弁して下さい。彼らは以前研修生として来たのですが、年寄り一人でモールと田んぼ仕事は大変だと言って、今も安い手当で仕事を手伝ってくれており、根は優しい男達なんです。モールでよく見かけるあなたを知美のストーカーだと思い違いをしたらしいのです。
ところで知美がどうしてあの場所によく立っているのか知っていますか?いくらあなたに対してもそれは話していないと思います。あなたは、知美を暖かくそっと見守れる人だと思うので言います。
十数年前の事です。毎年の事ですが、私たち岡森一家総出で稲刈りそして脱穀をしていたのです。だが突然、知美の父親が操作していた大型のコンバインが動かなくなったのです。父親はいろいろ調べていました。その時田んぼの様子を見に来ていた当時小学一年生の知美がコンバインのどこかのスイッチを押してしまったのです。父親は機械に巻き込まれその場で亡くなりました。その時の知美が受けた衝撃、その後の知美の苦悶は言葉では言えません。しかも母親もあの事故以来ひどいうつ状態に陥ってしまったのです。
でも今こうして巨大なモールは立っています。知美がいつも立っている場所は、彼女にすればあの時、父親を亡くした現場そのものなのです。
もちろん事故の経緯はこの近所で知らない者はいません。その後、彼女は駅前のいろんな店で万引きをするようになりました。そのたび近所では噂話が広がりました。最初は同情していた人も度重なる万引きの話に冷ややかにささやく人も出てきました。やむなく私たちは知美を都心の小中高一貫の小学校へ行かせることにしました。でも、そこでも知美の万引き癖は直りませんでした。そして高校で退学処分を受けたのです。
あなたはイタリア映画がお好きなようですね。最近、知美も昔のイタリア映画をよく観ています。私も先日、知美に「クラウディア・カルディナーレやジーナ・ロロブリジーダって知ってる?」って聞かれましたよ。私にとってイタリア映画と言えば「ブーベの恋人」「鉄道員」「ニューシネマパラダイス」あたりですかな、かなり古いですよね・・・・・
話がそれましたが、そんな孫です、知美は。もし彼女からあなたに接近することがあれば、そっと暖かく見守りながら声をかけてもらえばと思っています。まとまりのないことを長々と書き失礼しました」
とあった。

 その翌日、安アパートで夕食後モカを飲んでいると、珍しく携帯が振動した。以前の職場の同僚からだった。
 「鴨沂さん、お元気ですか。ご無沙汰してます。単刀直入に言いますね。私が以前鴨沂さんに紹介した会社の管理職が、鴨沂さんにもう一度会社に復帰してもらえないかと言ってるそうなんです。あなたは一度爆発したのでしばらくは大丈夫だろうと言ってますよ。大丈夫でないのは会社の方で、今かなりのリスクを抱えており何とかあなたの助けを借りたいと言ってるんですが、行ってもらえませんか?」
と言う彼の声が何となく明るく耕一の耳に響くのだった。


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