仮面ライダーキバ全話視聴後の感想
兄弟・家族・恋愛が揃っちゃったらもうだめです。好きにならざるを得ない。
井上敏樹脚本作品が性に合うのは知ってたけど、ここまでクリティカルヒットする作品が出てくるとは思わなかったです。
ストーリーについて
井上敏樹ってハッピーエンドも書けるんだ～
何目線だよって言い草ですが、私の中の井上作品のイメージが「面白いけど途中からしんどさが加速していって口当たりのいいビターエンドで終わる」という感じなので仕方ない。
キバは退場者ゼロとはいかないものの、「兄弟の和解」「人間とファンガイアとの共存を頑張るエンド」「結婚式と、未来からやって来た息子で明るくシメ」と、すごく明るく幸せな終わり方でした。
ライダー全体で見てもかなりハッピーな方ではないでしょうか。最高。やっぱり作中での頑張りは報われてほしいですからね。
井上作品と自分の趣味との相性の良さを感じつつ、「でも観ててしんどいしな…」と思っていたんですが、最適解を得ました。キバです。
家族愛をメインに、恋愛・友愛・親愛・敬愛と様々な愛を描き、最後は愛によって芽生えた絆でハッピーエンドを勝ち取る。
あ～最高。
過去から現在、親から子へ託されていく想いの描写も素敵でした。音也さんが誰かを励ました言葉が、時を経て渡くんを導く…。
いい…。
キャラクターについて
本当に心の底からの悪人って人がいなくていいですね。
人間を襲う側にも理由（生きていくために必要、とか）があって、中には人間に対する情が芽生える人もいる。視聴者も「どうにか共存できないかな～」と考えさせられました。
特に好きなのはキバット（三世も二世も）です。まず見た目が可愛すぎる。
三世は渡くんの保護者かつ理解者であり絶対の味方なところが好き。
二世はかっこいいところが好き。真夜さんと仲良しで、「キングの仕打ちが気に食わない」と言い切るシーンが特にかっこよくて「キャーッ！」となってしまいました。
楽曲について
OP
『Break the Chain』
初聴時は「またなんかインパクトあるイントロ持ってきたな…」と思ったんですが、聞いてると曲調はゴシックなんだけど歌詞は前向きで明るいっていう、キバという作品そのものを表すような曲でした。
挿入歌
『Supernova』
挿入歌で一番好きです。感情の昂ぶりによってクイーンの血を継いだ者として覚醒し始めた渡くんを感じさせられてとっても良き。
この曲を始めとして、挿入歌のほとんどがTETRA-FANGによるものというのがいいですね。瀬戸くんのお歌が力強くてまたいいんだなぁ。
音也さんが歌ったラブバージョンもまた趣が違って素敵。
『Roots of the King』
太牙くんの歌であり、先代キングの歌であり、渡くんの歌であると思っています。
恐ろしくもカリスマ溢れる王者の気迫たっぷりの歌詞と曲調が本当にかっこいい。
兄弟によるアコースティックバージョンも最高です。
ライダー・怪人について
キバ
デザインがかっこよすぎる～！ ゴシックでどっしりしたシルエットが唯一無二な感じで良いですね。赤×黒のコウモリモチーフで要所要所に鎖があしらわれているのが中学二年生心をくすぐります。
でもベルトにキバットが鎮座してるのがチャームポイントになっていて良かったです。
エンペラーフォームもかっこいい～。ハンマー持ってのっしのっし歩いてくるところが狂おしく好きです。
でもせっかく基本フォームがかっこいいんだから、もうちょっと長く使ってほしかったな…という贅沢な悩みを抱えてしまいます。
イクサ
ゴシックなキバとは対照的に清廉な美しさが素敵～！ 本当にキバのライダーはデザインが素晴らしい。大好きです。
吸血鬼っぽいイメージのキバに対して聖職者モチーフなんでしょうか。そういうの好きすぎるな。
サガ
お高い調度品っぽさのあるかっこよさ。「王を守るために作られた」っていう設定の通り、高貴な人のために作られた感じがしていいですね。
赤黒のキバに対してイクサとサガが白青系統なの本当に好き。
ダークキバ
強いしかっこいいし最高。
キバの正統進化感があって大好き。
キングだけでなく音也さんも変身できるのがいいですね。
拘束技が強くてズルい。必殺技が吊るしてて怖い。
ファンガイア
歴代シリーズの怪人のなかで一番好きです！
ステンドグラスとか、鳥とか、かなりデザインが凝ってますね。
真名っていう設定も中二心をくすぐって最高。こちらの好きなものをわかられている感…。
総括
平成一期の中ではダントツで好きです。
子どもの頃に全話観て苦手意識が生まれるより、大人になって（ほぼ）初見視聴をキメて良かったです。
普段ライダーを観てない層にこそ刺さる作品じゃないかと思うんですが、そういう人は観てくれないんですよね。悲しい。
正夫くんが生まれるに至る過程が知りたいから続編とかスピンオフをやってくれないかな～。