「不適切保育だと思います」 保育士の悩み #174

「不適切保育だと思うんです。」
いわゆる不適切保育に繋がりかねない上司の言動ばかりが気にかかっているようだ。
中堅保育士である彼女はそれを直接上司に言うことが出来ず、私のところにやってきた。

「誰かが声を上げてくれないかな」
「一度、見に来てもらえませんか」
いつも現場にいない別の部署の人間が少し覗いたところで、内部で働いている職員が何も言っていないのであれば、その訴えはなんの説得力も持たない。

自分が言い出しっぺにはなりたくない、
だけど誰かがこの問題を明らかにしてほしい。


この気持ちはわからなくもない。
でも、こういった考えは、
イジメを目の当たりにして、いたたまれないけれど、自分からは言わない。
言ったら次は自分がターゲットになるかもしれないよね。
。。。それは困る。

だから勇敢な誰かが、先生にチクってくれたら問題が収まるのではないか。
そうやって誰かに期待して、その誰かが背負うであろう「チクりの代償」には知らんぷりをしている。
この考えは、卑怯だ。

上司のせいで保育室の雰囲気が悪い。
誰かのせいにして自分の境遇を嘆いているだけでは何も変わらない。

上司の言動のおかげで自分が大切にしたいことが明確になった。
だからこそ、自分が大切にしたいことを守るための行動をしていく。
こうやって考えて、自分の行動を変える方がずっといい。

自分の上司をあまりにも否定的に捉えて、勝手な妄想や脚色を加えながら無駄に問題を大きくするのではなく、もっと肯定的な部分に着目して、彼女たちとのコミュニケーションを増やす努力をしてみて、不適切だなと思う場面があるならそれを打ち消すための適切な行動を考えて、やってみて、それから判断したらいい。

本当に告発するのか?は慎重になったほうがよい。
そうすることで根本的な問題が解決するのだろうか?
果たしてそこまでする価値があるだろうか?
告発したところで円満解決が望めないなら、受けるダメージが大きくなるだけだ。
心を痛めて、結局疲弊するだけならば、単に自分がその環境から離れて、もっと幸せに生きる道を模索するほうが賢明だ。

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