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「現場監督の悩み:高齢者雇用の課題と向き合う


私は建設業界で現場監督として働いています。最近、担当している現場では70歳前後の高齢者ばかりが働いており、いつも以上に気を遣う日々を送っています。

これまでにも、様々な年齢層の職人の方々と一緒に仕事をしてきました。しかし、今回ほど難しさを感じたことはありません。現場監督の仕事は、工事の進捗管理や品質管理、安全管理など多岐にわたります。ところが、今の現場では、それ以上に職人の方々の体調管理や作業サポートに追われる毎日です。まるで介護のような状況になってしまっているのです。

高齢の職人の方々は、長年の経験で培った技術力は素晴らしいものがあります。しかし、加齢に伴う身体的な変化は避けられません。例えば、目が不自由で図面を読むことが難しかったり、耳が遠くて指示が伝わりにくかったりします。

特に問題なのは、聞こえづらいことを自覚していないケースが多いことです。何度も同じ説明を繰り返すのですが、結局理解していないまま作業を進めてしまうのです。後から確認すると、指示とは違う結果になっていることもしばしばあります。

正直なところ、もどかしさを感じずにはいられません。任せたつもりでも、本気で取り組んでもらえないのは、体力的な限界からくるものなのでしょうか。それとも、私の説明が足りないのでしょうか。

しかし、一方で高齢者雇用の重要性も痛感しています。少子高齢化が進む中、ベテラン職人の技術を次世代に継承していくことは業界全体の課題です。また、高齢者の生きがいづくりや社会参加の観点からも、仕事を続けられる環境を整備する必要があるでしょう。

ただ、現状のままでは、私自身の精神的な負担も大きくなる一方です。何かいい解決策はないものでしょうか。

まずは、コミュニケーションの工夫が求められると思います。ゆっくりとはっきりと話すように心がけ、必要に応じて書面で伝えるのも一案です。聞き取りやすさを重視した環境づくりも大切でしょう。

次に、役割分担の見直しも検討すべきでしょう。体力的な負担を考慮し、得意分野を生かせるような仕事の割り振りを行うのです。それぞれの強みを活かすことで、現場全体の効率アップにもつながります。

また、若手職人の登用も視野に入れる必要があります。ベテランと若手のバランスを取ることで、現場に新しい風を吹き込むことができるはずです。世代間の交流を通じて、技術の継承も期待できるでしょう。

加えて、健康管理の面からも、適度な休憩を取り入れることが重要です。定期的な休憩時間を設けるなど、体力的な負担を軽減する工夫が求められます。

何より大切なのは、高齢の職人の方々への理解と感謝の気持ちを忘れないことです。長年培ってきた経験と知恵は、かけがえのない財産です。その価値をしっかりと認め、敬意を持って接することが、モチベーション向上につながるでしょう。

高齢者雇用は、建設業界に限らず、様々な分野で共通の課題となっています。簡単に解決できる問題ではありませんが、一人ひとりができることから始めていく必要があります。

現場監督として、職人の方々の思いに寄り添いながら、働きやすい環境づくりに努めていきたいと思います。年齢に関わらず、互いの立場を尊重し合える現場を目指して、これからも奮闘する所存です。

少子高齢化時代における高齢者の活躍の場を、どのように作っていくのか。それは私たち一人ひとりに問われている課題なのかもしれません。


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