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アメリカでのこと#19NY郊外の危険な地域のニオイ

NYの知人を尋ねた時の話。知人は昼間は仕事をしていた。

学生の夏休み。
昼間は暇な時間が沢山あり街中を歩いた。

NY郊外のアジアタウンのあるあたりに知人の家があり、数日滞在し、なんとなく昼間は普通に生活している人だらけで、安全だと判断したのであたりを歩き回ってみた。

焼肉や香辛料、アジアンスーパーの生野菜のニオイ。油やニンニクのニオイ。

アジア系のレストランだらけだった町並みが途切れて、なんとなく町の雰囲気が変わって来たことを感じつつもそのままどんどんあるいた。

ニオイが、変わった。

急になんともいえない、ニオイに足が止まった。掃除の行き届いていない公園のトイレのニオイ。
近くにトイレがあるのかと見回したがどうも様子が違う。

あたり、半径200mいや500mくらいか。その周辺それ自体がその機能を果たしていたのではないかと今になっては思えるのだが。

通勤や通学、どこかへ行くために町をある方向に歩く人だらけだったところから、どこにもいかないで、その場で虚ろな目をして、ただぼんやり座る大人を数多くみた。

危険を感じ、ほんの数メートルだけ歩き、本能に従って来た道を引き返した。

youtubeやwebでアメリカ各地のホームレスの話、荒廃した地域の話をみるが、あの凄まじいニオイはどれもそれを伝えきれていないように思う。

そのような地域ばかりでないのかもしれない。

あのNYで体験したニオイは忘れられないのでここに記録として残したい。

NY、マンハッタンでは格差がすごくて通りを1つ越えると異世界が広がって命も危険だと本で読んだり、聞いてはいたのだけど、マンハッタンでこそなかったが、(マンハッタンはどの通りが危ないか事前にいやというほど知り合いからきかされていた)実際何気なく踏み入れたら、こういう事だったのかと。身を持って体験した。

首都圏の列車で同じニオイを経験した事がある。車両に乗り合わせたあの一人から発せられるあのニオイ。

日本でも同じ問題が横たわっている。ずっとずっと、ずいぶん前から。

アメリカでも日本でも、彼らのために何かするわけでもなく、ただ横を通りすぎ自分の身を守る。

ただそれだけだ。