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午後のロードショー「ユージュアル・サスペクツ」


公開 1995年
監督 ブライアン・ジンガー
公開当時 ケヴィン・スペイシー(36歳) ガブリエル・バーン(45歳) ベニチオ・デル・トロ(28歳)

この映画はもう何度か見てオチは分かっているのにいつも最後まで真剣に見てしまいます。

やはり優れた映画というのは最初の10分で見る者の心を掴んで最後まで見ずにはいられなくなる魅力がありますね。

詳しい内容はすっかり忘れていたのですがラストのオチと「カイザー・ソゼ」という名前だけは記憶していました。

「カイザー・ソゼ」……妙にクセのある名前で一度聞いたら忘れられません。
どう見ても日系では無いのに名前がコバヤシだったり名前のクセに引っ張られる映画ですね。
私はカイザー・ソゼの名前自体が何かの暗号なのではないか、よくある逆から読んだら……的なパターンかなと思っていたのですが関係なかったみたいですね。

改めて見ると、キントを演じているケヴィン・スペイシーのただ者で無い感が駄々モレで初めて見る人も大体予想が付いてしまうのではと思ってしまいます。

アカデミー賞脚本賞を受賞しているのですが、最後まで見るものの集中力を途切れさせないストーリー展開はさすがと言えますね。
それにしてもサスペンス映画の脚本家というのは本当に大変な職業ですね。見る者の裏の裏、そのまた裏をかかなくてはならないのですから…

キントのこれまでの取調室での供述は取調室に貼ってある捜査資料を見ながら適当に作った作り話だった…
クイヤン刑事がこれに気付く時の崩れ落ちるようなシーンは一番の見せ場です。

オチが分かっているので伏線をいろいろと探しながら見るのも楽しいですね。

ケヴィン・スペイシーはケチな詐欺師の小悪党を演じながら見る者を見事に攪乱しています。
存在感を消したり出したりを自在にできるのが役者としての力量を感じさせます。
見る者をミスリードさせる得点の高い技は他の俳優には真似できませんね。

キートン役のガブリエル・バーンは鋭い眼光といいさすがの存在感ですね。吹き替えの津嘉山正種さんの声もソフトで色気があって大好きです。
シュワルツェネッガー主演の「エンド.オブ・デイズ」で悪魔の役を演じていたのが印象に残っています。

序盤の警察での面通しで紙に書いてある「この〇〇〇〇野郎!」を読むシーンで思わず皆が笑ってしまう場面はNGシーンをそのまま使っているそうです。
なんだかとても自然でさすが演技派ぞろいだけあるなと思って見ていましたが…
それを分かった上で改めてこのシーンを見ると、ケヴィン・スペイシーが笑いをこらえているのが見ていて微笑ましいです。

ラストに「えっ こいつが犯人だったの?」系のどんでん返し映画といえば午後ローでも何度か見ているジョン・キューザック主演の「アイデンティティー」がありますね。

この映画はラストが衝撃的なだけに一度見てしまうとつまらなく感じてしまう人もいるかもしれません。
私はこの映画の持つとらえどころのない空気感が好きなので、ラストが分かっていても飽きずに何度も見ることができます。
本当に珠玉のサスペンス映画だと思いますが、近年はこのような名作があまり無いのが残念ですね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価
ストーリー   ★★★★★
午後ロー親和性 ★★★
流し見許容度  ★

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