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午後のロードショー「ビバリーヒルズ・コップ」

公開   1984年
監督   マーティン・ブレスト
公開当時 エディ・マーフィー22歳

この映画は10代の頃からテレビ放送で何度も見ていますが、午後ローで久しぶりに見て改めて完成度の高い作品だなと思いました。
エディ・マーフィーはなんとこの時22歳の若さなのですね。
この年齢でこの円熟ぶりはやはりただ者ではありません。

コメディタッチの刑事アクションにもかかわらず薄っぺらさが無いのは、エディ・マーフィーがハリウッドで活躍する黒人俳優として背負うものの大きさがあるからではないでしょうか。
飄々としたキャラクターの内面に熱くたぎる信念と正義感をもつ刑事アクセル・フォーリーのキャラを見事に立てています。

冒頭で全米有数の工業地帯であり治安の悪いデトロイトのスラム街が描かれますが、映画では語られないアクセル・フォーリーのバックグラウンドを感じさせます。
決して富裕層出身には見えない彼がいかにして刑事を志し現在に至ったのか、見る者に想像させるキャラクター作りも役者の力量ですね。

殺された旧友の仇を討つべく、デトロイトからビバリーヒルズに単身乗り込みますが、口八丁手八丁の人間力で敵の包囲網を突破する様は小気味良く、相手を自分のペースに巻きこむマシンガントークも効いています。


どちらかと言えば杓子定規でお役人的なビバリーヒルズ警察のタガートとローズウッドも当初はデトロイトから来た黒人刑事を軽視していたようですが、現場主義の彼に感化され徐々に友情が芽生えるのも良いですね。

人種問題を逆手にとった際どいジョークも、彼が今まで耐えてきた息苦しさと、自らの誇りとプライドをかけた戦いの片鱗を見るようで手放しには笑えないのですが、そこは実力派俳優らしくコメディに昇華しているのがさすがですね。

ジェリー・ブラッカイマー製作だけあって、カーアクションシーンは迫力満点ですね。
誰もが一度は耳にしたことがある軽快なBGMと共に、町中をトラックが暴走する様はこれから始まるストーリーへの期待を抱かせるに十分なインパクトがあります。
劇中で使われる音楽も80年代のヒットナンバー満載で懐かしさを感じます。

これが彼の代表作だと思いますが、一歩間違えれば平凡になってしまう役柄をこれほどまでにチャーミングに演じられるのは彼くらいではないでしょうか。
この映画は当初主役をシルベスター・スタローンが演じる予定だったのですが、スタローンがこの映画のコメディ要素が気に入らなかったことで、当時まだ若手だったエディ・マーフィーに決まったのだそうです。
スタローンが演じていたらこの映画はまったく違ったものになってしまっていたかもしれません。
私はコメディこそ役者の力量が試されるジャンルだと思うのです。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価★★★★★
ストーリー  ★★★★
午後ロー親和性★★★★★
流し見許容度 ★★★

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