見出し画像

午後のロードショー「リミットレス」


公開 2011年
監督 ニール・バーガー
公開当時 ブラッドリー・クーパー36歳 ロバート・デニーロ67歳 アビー・コーニッシュ28歳

未知の薬物を摂取したことにより超人的な能力を得るという展開は、先日午後ローでも放送された「ルーシー」と似ていますね。
「ルーシー」では主人公の能力が神の領域にまで達し、時空をも超えるスケールの大きい展開でしたが、今作では能力が「金 権力 女」に直結している分、人間的と言えます。

スピード感があり最後まで緊張感が途切れず一気に見る事ができました。
ミュージックビデオのような尖ったキレのある映像も監督のセンスを感じます。

ニューヨークに住むうだつの上がらない作家エディ・モーラーは、あることがきっかけで「NZT-48」というドラッグと出会う.
それは人間の能力を100%活用させることができる驚異のドラッグだった…

未知のドラッグ「NZT-48」を摂取したモーラは、行き詰まっていた小説の原稿を一晩で書き上げる.

薬の力で超人の脳を手に入れたエディは、株式投資で金を稼ぎ、一躍投資家として注目を集めるようになる.
そんなエディに大物投資家バン・ルーが目を付ける.

この設定は私のように努力せず他人から認められたいと常に思っている人間にとっては実に共感でき、「NZT-48」はまさに夢の薬に思えてしまいます。
「NZT-48」はいわゆる違法ドラッグなのですが、ただハイになるだけでなく、過去に一度でも目にした情報を自在に引き出す事ができ、常に目の前の状況を冷静に分析し最高のパフォーマンスを出すことができるのです。

薬の効果は24時間.
エディは一時的に大量の「NZT-48」を手に入れたものの、その数には限りがある.
薬が切れた時、エディは凡人に戻る…

「NZT-48」は効果が絶大な分、副作用もある.
薬を飲み続けたエディは記憶が飛ぶようになり、そのために危険に巻き込まれることになる.

投資を始めるための初期費用としてエディが金を借りたのは、闇金業者のゲナディだった.
ゲナディに「NZT-48」を一錠盗まれてしまい、その効果を知られてしまう.
ゲナティは薬を手に入れようと、執拗にエディを追い回す.

ゲナティはハイエナのように粘着質で金の匂いを敏感に嗅ぎつける、本当に質の悪いチンピラですね。
エディなぜこんな奴から金を借りてしまったのでしょうか。

なんと、「NZT-48」生産の黒幕はバン・ルーだった.
彼の仕事の相手や投資家は、彼から処方されていた「NZT-48」によって成果を上げる駒にすぎなかったのだ.

「NZT-48」を服用し始めてからおよそ1年、上院議員にまで上り詰めたエディに、自分の要望を受け入れなければ薬を取り上げると脅すバン・ルー.
が、エディは密かに自らのラボで副作用のない「NZT-48」の生産に成功していた.

エディは更なる野望へと突き進む….

江戸時代に生きていた人と比較して、現代人の目にする情報量は彼らの数百倍にも及ぶそうですね。
300年前の人間が一生かけて得る情報を、現代人の私たちはわずか1時間で吸収しているようなものです。
私の20代の頃などはもちろんネットもスマホも無く、情報を得るために図書館や本屋で本を読み漁ったものです。
もう一つ貴重な情報源として先輩や友人からの情報というものがあったのですが、交友関係がせまく要領の悪い私はその恩恵に預かることができませんでした。

70年代生まれの私と違い、今の若者は受験でも就職でも事前にネットやYouTubeなどで諸先輩方からアドバイスを得ることができるので、地雷を踏むこと無く回り道せずに最善の人生を歩くチャンスに恵まれているのではないでしょうか。

この映画のエディはI.Q4ケタという途方も無い能力を授かったのですが、一般的にI.Qは平均110程度、東大生などでは130前後ではないかと言われています。
テレビで「東大生クイズ選手権」などが放送されていますが、生まれつき彼らは明らかに私のような凡人とは違うスペックの脳を持っているのです。
私がこの映画に強く惹かれてしまうのは、彼らのような生まれつき「頭の良い人」への憧れと嫉妬があるからかもしれません。
自分の現在の体たらくは、私が悪いのではない、初めから脳のスペックが低いのだと言い訳したくなります。
凡人はただひたすら努力するのみですね。

エディが「NZT-48」を完全にコントロールできるようになるため、この映画はドラッグ称賛映画のように見えてしまうかもしれませんが、違法ドラッグで凡人が変身し、人生のエリートコースをまっしぐらに進むというストーリーは夢があります。

一度見始めると止まらないスピード感があり、まさにこの映画を見る方も「NZT-48」の引き起こすクレイジーな世界に脳を引っ搔き回される感があります。
午後ローの流し見できるまったりした映画も好きですが、この「リミットレス」のような作品こそ最高の映画体験であり、映画の醍醐味だと思うのです。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★★★
流し見許容度★
午後ロー親和性★★

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?