加藤良輔さんに人生を救われたはなし

加藤良輔さん、40歳のお誕生日&デビュー20周年おめでとうございます!!!
40歳!!!!???20周年!!!!????

何度見ても年齢にびっくりしてしまうくらい常にお若い加藤さんですが、おめでたい限りですということで自分が加藤良輔さんに出会って真剣に人生を救っていただいたときの話をここに書き記しておこうと思います。
独りよがり気持ちわるわる自語り祭りですが、それでもよろしければ!



前置き 加藤良輔さん出会うまで

加藤さんに救ってもらった話をするには、加藤さんに出会える前の自分をお伝えしなくてはならず、まずはそこからお話させていただきます。

加藤さんに出会う前、というか今もなんですが、自分には、人生で一番、心の底から一番だいすきなキャラクターがいます。
たぶんこの「一番」この先の人生もずっと「一番」だろうなと確信しているくらい、ずっとずっとだいすきなキャラクターです。

それが、相馬博臣くんという男です。

相馬くんについてはちょっと前置きがだいぶ長くなりそうなので、いらなかったら飛ばしてください!


相馬博臣くんについて


高津カリノ先生作の『WORKING!!』という漫画に出てくるキャラクター。
北海道にあるファミリーレストラン「ワグナリア」のキッチン担当のアルバイトで、20歳。
いつもニコニコしている人当たりのいい好青年だが、その素性は一切不明で秘密主義者。
人の噂話が大好きで個人情報を探るのが得意なため、独自の情報網で周囲の人間の秘密や弱みをよく知ってしまい、それを使って「自称:説得」をすることも多々ある。
また、個人情報の把握に留まらず人の心を読んだり、手に入らないはずの写真をうっかり持っていることもよくあり、能力が謎すぎる人物。
一方で「説得」が効かないような相手や弱みを握れない相手、そして暴力には弱い。物理的にも弱い。
とにかく「面白いこと・面白そうなこと」が大好きで、物事が面白くなるような選択をしては同僚たちに叱られている。
甘いものが好きで、好物は鯛焼き(あんこが入っているものが基本的に好き)。納豆にも砂糖を入れて食べる。
さらにバカ舌でもあり、いたずらで激マズ飴を同僚に渡されたときも「おいしいね~」と平気そうに食べている。
好きな女性のタイプは金髪巨乳で頭の悪くない人。


好きなんです……この男が……無茶苦茶に……。

こうしてキャラクター情報だけ見ると「変なやつ」「おかしいやつ」の要素が強いんですが、原作を追っていくとこんな彼にも感情があって、信念があって、譲れないものもちょっとだけあって、自分の欲と周りの幸せを天秤にかけられるようなそういう男だというのもわかって、サプライズで誕生日を祝われちゃったときには赤面しながら動揺するような様子も見せるような、ちゃんと「人間」なんだなあというのがわかるのがとてもいいなあと思い、そういうところが、とても好きです。

情報戦に強そうに見えて、無茶苦茶打たれ弱く、焦って凹んで計画通りに事が進まないのもよい。汗をかきながら、家出少女を庇う姿も、よい。

相馬くんって、なんというか、一見「人間らしからぬ」ところがたくさんあるように見えて「実は無茶苦茶人間してる」筆頭だったりして。
その「無茶苦茶人間してる」姿を発見しては、好きだなあを積み重ねるようなキャラクターだと思っています。掘れば掘るほど、みたいな。好きだ。

……という、相馬博臣くんの好きなところについてはまた改めて語りたいほどにたくさんあって、見どころシーンもエピソードも尽きることないほどにあるのですが、とりあえず今日は先に進みます。

とにかく、相馬博臣くんが出会ったころからずっとずっとずっと大好きで、本当に、無茶苦茶、大好きで大好きで、大切に思っていたのですが。
ですが。

2010年代、自分はこの相馬博臣くん関連で、もう、それはお恥ずかしいほどに無茶苦茶に病んでいました。ハチャメチャに病んでいました。

TVアニメはなんと3期まで続き、相馬くんもEDテーマソングを3度も担当してくれて、キャラクターソングも発売され、声優さんが登壇する作品イベントも何度も開催し大盛況。
そんなふうに、作品が展開すればするほど、アニメ制作サイドや世間と自分の中の「相馬博臣くん解釈」のズレが大きくなっていくのを感じていました。

ひとつひとつを挙げていけば、小さなことの積み重ねではあるのですが、
アニメのセリフの一人称が異なっていたり(せめて第一声はだれか気が付いてほしかったよ~ん)、クレジットが「相馬博史」に誤植されていたり(声優に引っ張られてるってことですか!?って号泣した)、キャラ紹介本のようなもので担当声優さんに「演じてるキャラのいいところ…?うーん…思いつかないですね…」と言われたり、とか。

あと作品イベントの内容もけっこうきていました。今となってはあれって2010年代の界隈の悪ノリがピークだった時代だなと思えるのですが、当時は3万円以上するDVDボックスを買わないと参加できないイベントでそれをやられてとてもしんどかった記憶が強いです。
いわゆる「中の人ネタ」ばっかりをお出しされるイベントに「いや今はWORKING!!の話を聞きに来ているんですが……」と辟易したりだとか。そういうもろもろ。
油淋鶏回鍋肉棒棒鶏も現地で見ていたマンですが、あれだってさあ、あれさあ……!!!!!みたいな、そういう感情。

当時も別に、「自分の思い通りに相馬くんを扱ってほしい!」と思っていたわけではなかったのですが、アニメイベントの内容も含め、そして何よりそんなアニメイベントがファン側でも毎度大盛況だったことも踏まえ、「別にお祭り騒ぎに乗じている人が多いだけで、相馬博臣くんというキャラクターを大切にしてくれている人ってそんなにいないのかも」と感じることが増え、無茶苦茶に、病みました。びっくりするほどに、病みました。

(当時はたまたま声優さんがほぼ被っている某人気アニメの放送のタイミングも被っていて、そっちと絡めた話題も多くて、なんというか、みんな別に相馬博臣くんじゃなくていいんじゃん……みたいな出来事が多発していて、でも世間では「ドSwww」とか「かわいそうまwww」とかイジられていて、なんというか、そういう風潮も、そういう風潮を許していた世の中も嫌だった、というのも強いです。)

相馬博臣くんのことはだいすきなのに、アニメを筆頭に、みんなが作り上げる「相馬博臣」のことがどんどんダメになってしまって。
原作の相馬くんだけは心から大好きだったので、とにかく必死に原作者さまの個人サイト「うろんなページ」の相馬博臣くんを浴びて精神の安定を図っていました。

数年経って、最終的には「自分にとってダメなものは見ない」の境地にたどり着けたので、アニメからは離れることができ、これから先は原作の相馬博臣くんを愛そう……という決意ができましたが、そこに至るまでがとにかくまあけっこうしんどかったです。
(表現が難しいのですが、アニメそのものがダメになってしまったわけではなく、アニメ関連が新たに提示してくるあれこれを見てこれ以上悲しい思いをしたくなかったので、悲しい思いをする可能性があるものは積極的に見に行かなくなった、というかんじです。なので今でも過去のアニメは見ますしきゃらそんも聴いてます。きゃらそんは全キャラ分ぜんぶ最高で今でも名曲だと噛みしめています。あとDVD特典のキャラコメは暗記するほどに聞いてます。高津先生ありがとうございます。)

そして、病みに病んだわたくしは、「自分の求める相馬博臣くんはアニメの中にはいない」と気が付くと同時に「だったら逆に現実にはいるのかも?」と思い立ち、現実にいるかもしれない相馬博臣くんを探しにいくことになります。
↑この発想が出てくる時点で当時はわりとマトモじゃない思考に陥っていたことがよくわかりますね。

まあつまり、作品の舞台である北海道に相馬博臣くんを探しに行ったのです。

北海道に相馬博臣くんを探しに行った日のこと

2012年5月。
その年の4月に行われたアニメのイベントに参加し、その内容にまたしても心をベコッコベコに凹まされた自分は「北海道に相馬博臣くんを探しに行こう」と決意し、飛行機のチケットを取りました。

当時まだ未成年で、たしかひとりで旅行に行くのも飛行機に乗るというのも初めての体験でしたが、なぜかその時は「行くしかないんだ、自分が、北海道に」の気持ちに溢れていて、なんのためらいもなく飛行機とホテルを予約し、気が付いたら空港にいたのを覚えています。

『WORKING!!』の舞台は北海道札幌市。
特にアニメではかなり現実の風景をそのまま背景に描き起こされていたので、いわゆる「聖地」となっている場所が多数あり、ここに行ったら本物の相馬博臣くんもいるんじゃないか?と本気で思っていました。こわ。ほんとうにこわ。

というわけで事前に場所を調べ、ぽぷらちゃんが小鳥遊くんをスカウトした札幌駅前や、アニメオリジナル話でみんなで行った定山渓温泉、1期のクライマックスで小鳥遊くんと伊波ちゃんがデートした平岡公園、次回予告に写っている時計、そして2期8話で相馬くんが山田(葵)ちゃんと冒険したイオンなどを巡りました。ひとりで。
まだ携帯のカメラの画質がガビガビの時代でしたから、この旅のためにデジカメも新調して(本当は作中に出てくる相馬くんとオソロのが欲しかったのですがお高くて諦めました)、聖地の風景をバシャバシャ撮ったりしました。
どこを歩いても本当に「あ!ここアニメで見たところだ!!!」と大興奮で、すっごい楽しい旅でした。

一方で、道を歩きながら「この角を曲がったら本当に相馬くんがいるかも」と本気で常に思いながら進んでいたのですが、当然のごとく2日間歩き通しても相馬博臣くんにはまったく会えず、道中は真剣にへこんでいました。(ほんと~~~~にこの時の精神状態が、あまり、良くない。)

道端では相馬くんに会えなかったので、最後の望みをかけて、帰りの飛行機の時間ぎりまで粘ってロイヤルホストにも行きました。(ワグナリアのモデルがロイホとは明言されていないのですが、おそらくそうなのでは、という店舗があります)
でもやっぱり、相馬くんは、ロイホにもいませんでした。

アニメイト札幌店で限定の『WORKING!!』のグッズを買い揃えたのち、帰りの飛行機で「北海道でも相馬くんに会えなかった……もう自分はどこに行っても相馬博臣くんに会えないんだ……」と悲しくなって、めそめそ泣いていたのを思い出します。どうかしてるだろと今では言えますが、当時はマジで真剣で本気でした。

北海道からの飛行機に乗っている間、ついこの間のイベントで体感した嫌な気持ちとか、インターネットであふれている相馬くんへの「貶し愛」みたいな風潮が本当に嫌だとかいう気持ちとか、ていうかなんで1話目の第一声で一人称間違えるんだよアニメは……とか、ほんとうに、マイナスな感情がぶわっとあふれてきてしまって、世間に蔓延っている「相馬博臣くん」のことをこの先もきっと好きになれないんだろうという不安を抱えながら、本気で落ち込んでいました。

相馬博臣くんのことが好きだ、大好きだ。
でも、世間で広まっている相馬博臣くんの像が、どうしても好きになれない。
北海道でも会えなかったから、もう、このまま自分の好きな相馬博臣くんには会えないんだ。
相馬博臣くんをあきらめるしかないんだ。
こんなに毎日しんどい思いをするなら、もう相馬博臣くん自体を追うことも、相馬博臣くんを好きでいるのも、やめたほうがいいかもしれない。

そんなふうに考えていたのが、弾丸北海道旅行をした2012年5月上旬。

そして、その一週間後くらいの、2012年5月13日。
出会うのです、相馬博臣くんに。出会うのです、ついに。

前置き終わります!!!長くてすみませんでした!!!!


舞台版 WORKING!!との出会い

『WORKING!!』が舞台化されるってよ、というのはもちろん情報解禁された直後から知っていました。知っていましたが。

2012年春というと、テニミュが2ndシーズンの序盤(関東氷帝とか六角くらい)で、まだ「2.5次元作品」という言葉が生まれていなかった時代です。
つまりは、まだまだ「とにかく漫画原作の舞台化は許さない派」の声が大きく、舞台化は歓迎されるよりかはバッシングの的になることが多かった時代です。

つまり、舞台版『WORKING!!』も、発表当初から歓迎はされていませんでした。キャストの舞台ビジュアル公開されたときにはもう、もう、様々な嵐がすごかったな。
自分も正直「なぜ、このタイミングでWORKING!!を……?」という気持ちしかありませんでした。(このなぜ……?は今も引きずっています。なぜ、あの時代に、わーきんぐだったのか。)

でも「何事も見ないで批判するのはやめよう」と決めていたので、正直歓迎はしていませんでしたが、情報公開の時点では批判をすることはなく「見てから批判しよう」と決めていました。そのために、チケットも確保しました。

「見ないで批判はできないから、そのために見に行く」。
そう決めて確保したチケットが2012年5月13日の昼公演。

その日、新宿のスペース・ゼロの客席に着席した自分は、

相馬博臣くんが喋り出した瞬間に「ワア~~~~~~~!!!?????」と叫び出したい衝動に駆られ、それを抑えるのに必死でした。

もう、ほんとうに、驚くほどに。
そこにいた、相馬博臣くんが、いた。そこに。
ずっと会いたいと思っていた相馬博臣くんがそこにいた!!!
北海道を探し回っても出会えなかった相馬博臣くんが、新宿に、いた!!!

気持ちはもう佐為を探しに広島まで行って帰ってきた進藤ヒカル状態。

スぺゼロの座席で、相馬博臣くんを全身で浴びながら、静かにほろほろと泣きました。


加藤良輔さんの演じてくれた相馬博臣くん

というわけでお察し、その舞台版の相馬博臣くんを演じてくれていたのが、加藤良輔さんです。

加藤さんの相馬くんの何が良かったの?と聞かれると、一言で表現するのはとても困難なのですが、そこにいたのは、とてつもなく、相馬博臣くんでした。

おそらくアニメを何度も見て研究されたであろう喋り方や抑揚、声の明暗。セリフのスピード感。
でも一方で、単純なアニメの物真似ではない、現実に生きているからこその言い回しや言葉遣い。
ちょっとした動きの繊細さ。

そういう、たくさん努力してくれたんだなあという技術面はもちろん、
雰囲気というか、佇まいもしっかりと「相馬博臣」くんで、ああ自分はずっとこの相馬博臣くんを探して苦しんでいたんだ……と一発で納得してしまうくらい、
そこにいたのは、「相馬博臣くん」そのものだと感じました。

それはとても「人間らしい」相馬くんでした。
ただの嫌なヤツじゃなくて、かといってかわいそうなヤツでもなくて。

お店の従業員のひとりとして、ワグナリアのアルバイトとして、自然に周りの人たちと関わっていて、でも面白そうなことがあったら積極的に首を突っ込んで行って、いつもニコニコしてるけれど、たまに痛い目を見て真剣に落ち込んでいるその姿すべてが。
自分の大好きな「一見すると人間離れしているが、実はとっても人間味に溢れている相馬くんの姿」で、なんだ相馬くんここにいたんだあ、と心底うれしかったのをよく覚えています。

自分の探し求めていた相馬博臣くんが、目の前で喋って、笑って、飛び跳ねて、たまに殴られて、ちょっとだけ踊って、……す、すごい。
簡単に、それはもう簡単に、狂いました。舞台版相馬博臣くんに、狂いました。チケットがとんでもない量に増えました。増やしました。この相馬博臣くんを逃してなるものかと必死でした。
毎公演ほんとうにたのしかったです。千秋楽は号泣しました。

さらに、うれしかったのが、そういうふうに「舞台の相馬いいじゃん!」と思っていたのが自分だけではなくて、
特に女性キャスト目当てで見に来た男性ファンの多くの人が「相馬と佐藤、よかったよね」といろんなところで言っていたのもたくさん見ることができて、それもすっごくうれしかったのです。
貶し愛とか嘲笑とかじゃない側面かつ、演者の持つ「中の人効果」を含まない状況で「相馬博臣」というキャラクターが正当に評価されているのをすっごい久々に観測できて。
相馬博臣くんそのものに目を向けさせてくれたのが加藤さんの演じてくれた相馬くんで。それってすごいことじゃないですか?すごいことです。

同時に、北海道の帰りの飛行機で反芻していた嫌な気持ち、嫌な思い出が、舞台版の相馬博臣くんを見る度にぶわ~っと浄化されていくようなそんな気持ちにも陥ったのをよく覚えています。

舞台版の相馬くんは、いいところも悪いところもある「人間」で、ちゃんと「相馬博臣」として周りの人たちに受け入れられていて愛されていて、それってやっぱりすごいことで。
今まで感じていた嫌なこととか、もう相馬博臣くんのこと好きでいられないかもと不安になった気持ちもほんとうに舞台上の相馬くんから浴びるパワーのおかげでぜんぶぜんぶ消えて、やっぱり自分は、相馬博臣くんが、だいすきだ~!!!と再確認できました。

すごいもんで、それまで北海道に相馬くんを探しに行かせるほど、本当に気を狂わすほどに感じていた鬱屈とした感情を、舞台の相馬博臣くんがすべて吹っ飛ばしてくれたんですよ。すべて、ですよ。すごかったんですよ。


舞台相馬くんの好きなシーン

舞台の相馬くんの好きなシーン、たくさんあるのですが、ひとつだけ紹介すると、
男性恐怖症のためまともに男性陣と話せない伊波ちゃんの携帯番号を何故か入手し電話をかけた相馬くんが電話越しに伊波ちゃんにボコられるというシーンがあり、
それを佐藤くんに「電話の向こうで俺が殴られてる……」と説明するシーンがあります。

ここ、原作やアニメでは恐怖で「電話の向こうで……俺が……殴られてる……」くらいの引いてるかんじのトーンだったのですが、
舞台では恐怖のあまり「電話の向こうで俺!!!殴られてる!!!(笑)」みたいな勢いで言っていたのがすごくすごく印象的でした。

自分はわりと原作準拠派なので原作と違うことをやられると原作と違う~~~~とじたばたしてしまうのですが、
ここのテンションの変化は不思議とじたばたが起きず、むしろ「これもいいのでは……?」と受け入れてしまう事態になりました。
(当時はなんでも全肯定オタクだったから気にならなかったのかなと思ったのですが、いま見返してもいいな~と思う改変です)

これはきっと、そのシーンに至るまでに舞台の相馬博臣くんのキャラクター像が様々な方面からしっかりと描かれていて、そのおかげで違和感がなかったからかなと思っていて、
そのキャラクター像を描き出すにあたって脚本・演出・そして演者の皆さんの方向性ががっちりハマったからだったのかなと感じています。
この流れなら、相馬くん、怖すぎて笑うのもぜんぜんありだな、の布石がちゃんと描かれている。

こういう端々に見える舞台の相馬博臣くん、本当に人間味があってすごく好きです。
楽しそうなときはずっとにまにましてるし、逆に嫌なものにはちゃんと嫌そうな顔するし。
その積み上げが「電話の向こうで俺!!!殴られてる!!!」にも表れていて、しっかりそれが「自然」に見えて、すげ~と思った場面です。
殴られて恐怖のあまり笑っちゃう相馬くん、めっちゃ人間でめっちゃすき。

そしてこれらを積み重ねてきてくれた加藤良輔さん、ほんとうにありがとう、ありがとうございます。


地毛を染めた男に感謝

あと、加藤さんは相馬くんを演じるにあたって「地毛を青に染めてくれた」んです。ウィッグを被ったのではなく、地毛を。青に。

しかも初日前に一回真っ青に染めたのに、公演期間中に色落ちしてきてしまったからと、千秋楽前に再度染め直しているくらい、がっつり、青色に。

この「地毛を青くした」という事実というかその気持ちがすっごい、うれしいというか、なんというか、相馬博臣くんのためにそこまで前のめりなひとが、いるんだ……という感動すら覚えて。
実際、青に染めたあとすぐに色落ちしてきてしまっていたので、毎公演青のスプレーで青い要素を足していたらしく、後日公演期間を振り返ったときに、だったら最初からスプレーでよかったかもなあ~!?とかご本人も笑っていたのですが。

でも、この「相馬くんを表現するために」という過程をいろいろと考えてくれたんだというその気持ちと、それから実際に実行してくれたその心意気が最高に好きで、そ、相馬くん~~~~おまえ、相馬博臣に真剣な人に出会えて、よ、よかったなあ~~~~の感情でいっぱいになりました。

加藤さんが髪の毛を青くした工程はこちらのブログで確認できます。ありがたい、感謝。


このあとしばらく「頭皮がやばい」とおっしゃっていたので、本当に、本当に、感謝しかない。
青色、無茶苦茶にお似合いでだいすきでした。


こうして加藤良輔さんに人生を救われたとさ

加藤さんのおかげでびっくりするほどに魂が浄化され、一人の人間の人生が救われました。という話でした。

冷静になれば「たかがアニメキャラクターの解釈違いひとつで人生終わるか……?」と思う節もあるかもですが、当時の自分にとって心の拠り所のすべてであった相馬博臣くんのことをもう好きでいられないかもしれないという恐怖は言葉にできないほどに大きくて、そしてある種公式(アニメ)を否定する行為は周りになかなか相談できない悩みでもあり、でも原作はぜんぜん心からだいすきな状態がずっと継続していて、本当に胸のうちでいろんな情緒がずっとぐるぐるもやもやしていて、無茶苦茶にしんどかったんですよね。

そんなときに、加藤良輔さんが演じてくださった相馬博臣くんに出会えて、
あ~~~~~好きで良かった、相馬博臣くんのこと好きで良かった、自分の信じていた相馬博臣くんの側面をしっかり見つけてくれる人がいたんだ!!!と、心底、心底に救われたのです。

そして、そこからの自分は無敵となりました。だって、相馬博臣くんに出会えて、この目でそれを観測できたからね。

舞台版の最高の相馬くんに出会えたからこそ、「それぞれのコンテンツの解釈が無理だったら離れても良い」の選択肢が現実的となり、アニメから離れて原作一本で相馬くんを愛する選択肢が選べたのかなとも思っています。
というわけでその後は原作漫画を心から堪能させていただき、今も原作者さまの個人ページでたまに現れる描きおろし相馬くんを見ては最高~~~~!!!と天を仰ぐ生活を続けています。(しりとりの相馬くん見ました!!!????最高すぎる)

きっと加藤さんはこんなオタクの人生を救ったなんてご存じないでしょうが、確かに明らかに、ひとりの人間の人生を救ってくださっています。
感謝、感謝しかない。

改めて振り返ると、2012年当時は漫画原作舞台を上演するにあたり、様々な声があったと思います。
でも、そんな中で、誠実に、いっしょうけんめいに、真正面からキャラクターに向き合ってくれて、1シーンずつをたいせつにしてくれて、そして「相馬くんに出会えてよかったです」という言葉を口に出してくれて、あのときの相馬博臣くんのすべてが、そして加藤さんが表現してくださったものぜんぶが、自分の人生の支えになっています。

相馬博臣くんに出会ってくれて、演じてくれて、ほんとうにありがとうございます。
加藤さんが演じる相馬博臣くんに救われ、今もなお加藤さんの演じてくださった相馬博臣くんがだいすきなおたくより。

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