「汚れる代わりの人を作るのが少女漫画」やまだないと氏の分析に感銘・・・よしながふみ対談集 『あのひととここだけのおしゃべり』
私がある種のBL(レイプとかオメガバースとか)に対して感じていた違和感を、鮮やかに言語してくれたのは、やまだないと氏である。
よしながふみ対談集『あのひととここだけのおしゃべり』の中で、やまだないと氏は、以下のように語っている。
また、『風と木の詩』のジルベールについては、このように話している。
これを読んだ時、まさに目から鱗が落ちた気がした。
そして、「汚れる代わりの人を作る」ということをBLマンガについてだけの話として語ることもできるのに、少女マンガ一般、そして、自分の作品についても同じである、というところがすごいと思う。
「誰も絶対思わないと思うから、自分でいっておくけれども。」という言葉に、やまだないとさんのどうしても言わなければならないという誠実さと、自分自身への厳しさを感じた。
不器用過ぎるよ!
自分が傷つかないために他者の表象を用いることへの、自分自身が感じている違和感をこれほど正直に言語化することに感銘を受けた。
多くの作家は、それを無視するか言い訳をするかなのに。あるいは、もともと何も感じていないのかもしれない。
自分の代わりに汚れる人を作るのが少女漫画なら、ある種のBLはその究極の形なのかもしれない。
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